こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

詩・旧友の電話

2015年04月22日 13時29分25秒 | 文芸
級友の電話  

「元気か?」

友人の
声が
耳に響く
ここちよく
30年…前
そのままに

ひょいと
鏡をのぞく
白い髪…シワ…
年を経た
顔が
そこにある

40年―
友情だけが
年を
食わない
それが
不思議だ
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息子のごっそ

2015年04月22日 09時35分50秒 | 文芸
息子のごっそ

「この幕の内がええわ」
「野菜の煮物が多いのにせな」
「卵焼きも好物なんでしょ」
 例年母の火が近づくと、カタログを前に夫婦そろって喧々諤々し頭をひねる。数年前までは服や履物が中心のプレゼントだったが、ここ数年、ちょっと張り込んだ高級な幕の内弁当に替わった。
 母親は八十半ば、足腰の衰えは隠しようもない。最近はめったに外出もしなくなった。しかも三年ほど前に大手術を受け長期の入院を余儀なくされた。現在は回復しているが、もう食べることと家族の会話ぐらいしか楽しみはなくなっている。若い頃から美味しいものに目がない健啖ぶりは、年齢ぐらいでは止まないようだ。
 そこで母の日の贈り物は『特性幕の内弁当』がお定まりとなった。実はわたしの仕事先は弁当仕出し会社の製造調理部。すべてにわたって好都合である。といってもそれだけじゃない。
「お前が作ってくれたごっそ(ご馳走)は、世界でいっちゃん(一番)美味いわ。ほんまに美味しいわ」
 喜色満面で喜んだ母のひと言が決定的だった。以来、息子の(?)特製幕の内弁当は、母の日の出番をいまや遅しと待つようになった。
 さあ今年も腕を振るうぞ!
(平成16年2月23日)
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絵手紙

2015年04月22日 01時42分45秒 | 絵手紙
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どうする?親おや

2015年04月22日 00時23分44秒 | 文芸
どうする?親おや

 小学校に勤めている知人との雑談で〈なるほど、これが最近の風潮なのか〉と、半信半疑ながら考えさせられた。
 先ごろ、自分の受け持つ児童が学校に忘れ物をしているのに気づき、たぶん困っているだろうと電話をいれてみた。電話口に出た母親は恐縮するでもなく感謝するでもなく、それがどうしたの?って調子で、いともアッサリと答えた。
「ああ、学校にあったんですか。うちの子が忘れて来たと訴えるんで、すぐに買ってあげましたの。だから、もうそれは捨てといてください」
 知人はあぜんとなり、二の句が継げなかったらしい。そして思い知った。使い捨て時代のの悪弊が子供に及ぶのは、やはり親の姿勢にあると。
 確かに豊かさが満ち溢れた現在の社会では、しごく簡単にお金でけりをつけてしまうのが常識化しつつある。
 それが子どもの世界に影響を与え、物事を価値判断する能力すら鈍らせてしまい、最近目立っている少年が仕出かす凶悪犯罪。その多発という社会現象を呼んでいる。
 子どもの影響度からいえば、親に匹敵するものはまずない。だからこそ、親はしっかりと子どもに向き合い社会の常識を教え導かなければならない。それも慎重に配慮した対応が必要になる。
 いま一度、わが身を振り返って、子どもの前に大人の醜い姿をさらさぬように気を付けるべきだろう。将来を担うべき子どもの健全な成長を図るためにも。
(神戸・昭和63年7月31日掲載)
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