こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ウォーキング・ルポ

2015年05月07日 15時15分40秒 | 文芸
朝9時から小野駅をスタート!ひまわりの丘・浄土寺コース(第6回マップ片手にフリーハイキング)を黙々と歩け歩け。しかしフリーハイキングは、そうスムーズにいかない。小野駅前でスタッフから渡された一枚の簡略された地図を見ながら道を選び歩くのがフリーハイキング。昔から方向音痴気味のわたしには少々難題。そんな時は前を歩くウォーキング参加者の姿。なるべくキャリアのありそうな男性をターゲットにする。女性では多少年齢がいった人でも誤解されかねない時代なのだ。ひまわりのおか公園を出たところで、その扇動者の足が止まった。不吉な予感!地図を何度も覗き込み、キョロキョロ、二歩進んで三歩下がる状態ではないか。見込み違いだったか?結局、その男性と口をきくきっかけになった。あっちやこっちやと意見をこうかんしあって、やっとコースを見つけた。方向音痴のわたしもけっこ役に立つようだ。以降は男性と意気投合。ゴールまで談笑が続いた。いろんな知識も戴いて、いい日になろました。17800歩。まあまあ歩いたなあ。温泉に誘われたけど、貧乏人のわたしの懐の寂しさでは事態するしかなかった。ウォーキングは無料だから参加してるぐらいの甲斐性なしは人並みには付き合えないのだ。うん!
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絵手紙

2015年05月07日 12時50分51秒 | 絵手紙
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子どもたちを信頼しなくては

2015年05月07日 07時21分17秒 | 文芸
子どもたちを信頼しなくては

 保育園の春休み。二人の子どもは店に連れて来て、一日中、一緒の生活が続くことになる。たまに顔を合わせるぐらいだったのが、全く違う状況を迎えて親子ともに面食らっている。
 特に仕事場で子どもと過ごすのは、公私があやふやになりがちで悩むことになる。子どもには家と店の差などないから存分にこどもらしくふるまう。泣いたり笑ったりふざけたりと大変である。時もところもわきまえるはずがない。
 客商売なのでケジメをつけるため、ひとつひとつを口うるさくとがめてしまうわたし。
「子どもだから騒ぐのが当たり前でしょ。それを怒っちゃ萎縮しちゃうよ」
 型苦しいわたしの対処に非難めいた口調で警告する妻。時には口喧嘩にまで発展したりと緊迫状態が続く。
 ところが、それを横目に子どもらの方が変化を見せた。お客さんが続いてわたしたちが忙しくなると、邪魔にならないように外や控室に行って、ちゃんと二人で遊び始めた。
 実に見事な気配りである。お客さんが帰ると、たとえが悪いが、ぞろぞろゴキブリみたいに出てきて、慣れない手付きながら片づけを手伝ってくれる。思わず見とれてしまった。
「ね、子どもって、ちゃんと分かってくれてるでしょう」
 愉快げに目で合図をよこす妻。
「なるほどなあ」
 感心しながら、やはり親はわが子を信頼してやらなければいけないんだと、妙に納得するわたしだった。
(神戸・1988ねん4月10日掲載)
 
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駅前戦争・完結

2015年05月07日 00時07分45秒 | 文芸
仕事は次々とあった。トラック便の雑誌や書籍の梱包を解き、伝票合わせ、店頭陳列、つづいて返本作業と、かなり忙しかった。客が増えれば店頭に立つ。万引き防止とお客さんへの対応をを兼ねた大事な仕事だった。
「齋藤くん。電話よ。Sさんだって」
 約束通り、男からの連絡だった。
「待っとるさかい、はよ来いや」
「すぐ行きます」
 電話を耳にした先輩が訊いた。
「Sさんて、あっちの店の?」
「はい」
 怒られるのを覚悟した。なにせ相手はライバル店の人間である。すると、先輩はニコッと顔を綻ばせた。
「Sさんてええ人やろ。ちょっとコワモテやけど、優しい人や。それに仕事の事よう知ってはる。知り合いやったらいろいろ教えて貰うたらええがな」
「はい」
 案に相違の反応だった。ライバル店であっても、反目じゃなくお互いに理解しあっている姿に、何となく気分がよくなった。
「さあ急いで行って来て」
 先輩の言葉を背に外へ飛び出した。駅に人を待たせている。急がなければ相手の好意に応えられない。そして、その後は正々堂々と戦争を開始するのだ。負けられないぞ!

 いつもの時間に駅へ向かった。荷受け所前のスペースに見慣れた車が止まっていた。S文館の文字が読み取れる。
「よう来たか」
 Sだった。あの笑顔が顔中に広がっていた。
「この間は迷惑かけて済みませんでした」
「お互いさまやで。おんなじ仕事に就いたんも、なんか縁があるんや」
「はい」
 本気でそう思った。相手は同じ仕事で頑張っている仲間だった。
「これからも出来ることがあったら手を貸し合おうや」
「はい」
 ライバル店にいる友達…いや先輩だった。この仕事も悪くないと初めて思った。

「ありがとうございます」
 レジで対応した女性の表情は暗く覇気がない。むしろ大儀さが見て取れた。
(この店も、もう先は長くないな)とよそごとながら心配になった。
。店を出て加古川駅まで歩いた。中央口前で足を止めて振り帰った。ビルのかげになってS文館は見えなかった。
 しかし、私は見ていた。あの日あの時間を。梱包された週刊誌を自転車の荷台に山積みにして懸命にペダルを踏んだ光景を。S文館の前を通ると、彼が「よー!」と手を振った。
 ライバル店の友達。そんなよき時代があった。私は思いきり手を振り返した。
 目の前の新しい街に、彼や自分の居場所は、もうなくなってしまった。ため息が出た。  
(完結)
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