こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

自転車保険の義務化を考えさせられて

2015年05月09日 18時31分25秒 | つぶやき
今どきのニュースですね。自転車で賠償保険なんて昔は耳にもしなかったな。しかし、自転車のマナーが最悪になり自転車が加害者になる事故が大幅に増えてる世の中には、もう必要不可欠なものになってるんだよね。歩いていて何度もひやっとさせられる立場から言って、自転車の賠償保険加入の義務化は絶対必要ですよ。ただ、自転車の運転に関するマナー向上やほうきの厳罰化を図るべきでしょう。事故を起こさないを前提にあらゆる面から最善の方法を見てもらいたいな。自転車も車も運転すれば同じ土俵に上がるって当たり前のことが、やっと市民権をえかけていることに注目したいなあ
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妊婦さん、いらっしゃい!・その1

2015年05月09日 10時26分29秒 | 文芸
「どないしたんや?」
 目ざとい夫の俊哉は、いつもとちがう妻の様子を気にして言った。
「うん。…なかったんや」
「え?ないって、どういうこっちゃ」
「そこ…更地になってた。近くの煙草屋さんで訊ねたら、三年前に病院閉まったって…院長先生が亡くなってすぐだったらしいわ」
「跡継ぎがおらんかったんやな。そやけど想定外や・それでどないする?」
「うん。…みんなに訊いて、ええとこ探すわ」
 彩奈はお腹をさすりながら答えた。
 自信はなかった。誰に訊けばいいものだろうか。短大時代の友人たちは揃って遠くにいる。子どもに恵まれている彼女らの産院情報を生かすのは地理的に無理だ。
 きょう訪ねた稲坂産婦人科医院は、彩奈の母が見つけてくれた。
「人気があるんや。みんな言うてるわ。食事かて、ええもんが出るらしいよ」
 ホステスの経験がある母の情報源は確かなものだった。他に選択肢があるわけでもない彩奈は稲坂医院で長女を出産した。母体も赤ん坊もいたって元気で、退院も早かった。
 第二子の出産も稲坂医院を頼った。院長先生もスタッフももう顔馴染みで、気分よく息子を産んだ。どちらの場合も帝王切開でなく自然分娩となった。稲坂医院に感謝した。
 その信頼する稲坂産婦人科医院は、もうなかった。探し出してくれた母も、もういない。脳溢血で倒れた父と離婚している。実は彼女、彩奈の実母ではない。入院した父が結局回復せず亡くなって以来、彼女との音信は当然のごとく途絶えた。もう他人の母を頼れない。「どうしたん?えらい浮かん顔してからに…」
 恵那さんはカウンタ越しに訊いた。
 彩奈と俊哉夫婦が切り盛りするコーヒー専門店の常連客だった。三十代後半らしい恵那さんは、大柄で押しのきいた女性だった。お喋り好きな恵那さんは自分のこともよく喋った。
 神戸北野町でレストランを経営しているせいか、彩奈の店にあれこれ注文をつけるお節介な女性だった。ただ年齢も少し離れたおねえさんを、彩奈はごく自然に慕った。彩奈は恵那さんを『ママさん』と呼ぶ。レストランのオーナーだから、そうなった。
「あらそう。知らなかった。ふーん、三人目が出来たんだ。おめでとう」
 恵那さんは彩奈の妊娠を知ると、手を叩いて祝った。ざっくばらんな気性だから彼女のふるまいに嫌みは全く感じない。
「それにしても、馴染みの病院がなくなってしまったのは大変よね」
「ママさん、どこか安心できる産婦人科の病院、知りはりません?」
「うーん、産婦人科ねえ」
 恵那さんは天井を睨んでうなった。
 恵那さんは顔が広い。実は長女が赤ん坊のとき、小児科の先生を紹介して貰った。恵那さんがよく知る大学時代の友人だという小児科医師の適格な診断で、川崎病が判り適正な治療を受けられた。高熱で顔を真っ赤にした娘を抱えて駆けずり回った小児科医院はどこも「風やね。薬を出しときます」で済ませた。それを恵那さんの友人は救ってくれた。
(つづく)
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絵手紙

2015年05月09日 04時17分43秒 | 絵手紙
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特売ねらい

2015年05月09日 00時10分42秒 | 文芸
 家を出たのは、七時五分過ぎ。そろそろ通勤ラッシュに差しかかる。七時半になったら、車の数珠つなぎに巻き込まれて酷い目に遭う。まだスムーズに車は流れている。十分もあれば到着する。七時からの特売は間に合う。
 駐車場に車はバラバラだ。この時間が狙い目である。目指すはスーパーマーケット!
「いらしゃいませ」
 入り口の自動ドアを入った所に警備員が立っている。客を迎える挨拶も彼の業務なのだろう。この前は空きペットボトルの片付けをやっていた。警備員も本業だけに固執していてはお呼びがかからない時代である。
 店内はごった煮の光景が繰り広がる。カゴ車が売り場の通路に止まり、従業員は品出しに懸命だ。ショッピングカートを押す客が邪魔になるまいと傍をすり抜けている。主客転倒とは、こんな光景を指すに違いない。
 二年前は二十四時間営業。あの原発事故の後、夜十一時時閉店となった。だから朝七時の早朝開店と品出しが重なる。ある意味では客無視のシステムといえよう。
 売り場に入ると野菜コーナーを素通りで急いだ。携帯で時間を確かめると、七時十分。これぐらいの遅れならまず大丈夫だ。年配の男性が何人か同じ方向を目指している。
(あった!)
 カゴ車に積み上げられたパック入りの卵。すかさず手に取った。裏返して確かめる。割れていない。それだけ確かめてレジに向かう。
「ありがとうございます」
 レジに立つ店員の声は、短い間隔で繰り返される。よくみれば、卵のパックを一つだけ手にした客が何人か並んでいる。今日の特売目玉、九十八円(税込)の卵パック狙いの連中だった。顔馴染みも何人かいる。
 毎週火曜日は特売日。その目玉の卵パックの人気はすごい。一日に三回チャンスがある。昼からの二時と五時は店の入り口まで列が出来る。並んでなんとか手に入った。それが早朝七時は誰も並ばない。ラクラク手に入る。立ちっ放しで並ぶのが辛い高齢者の大多数は早朝にやって来る。私もその仲間だ。
 卵はひとり一パックに限られる。その関門をすり抜けるべく、みんなあの手この手を使う。年金と高齢が重なると一様に吝嗇となる。彼らの知恵の使い様は妙に悲しく侘しい。
「お連れさまはおられますか?」「あ?ああ、ほらあっこに嫁はんがおるわ」
 どう見ても孤独な老人の図々しい主張が罷り通る。店側も心得たものだ。レジスタッフはしつこく確かめはしない。それでも正直者は何度も出たり入ったりを繰り返す。それも別のレジを通過する。いやはや姑息だ。
 今朝は五度レジを通った。せしめた戦果の特売卵は五パック。してやったりとと思う。
 これで二週間はオカズに困らない。使い切れば、またまた早朝のスーパーに飛んでいく。
次は十パックゲットに挑戦してみてもいい。
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