こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ばあちゃん子はわが子の便利な救急隊員

2015年05月20日 12時02分00秒 | 文芸
ばあちゃん子は便利な救急隊員 

5歳になる娘がだいぶしっかりしてきて、親のいうことが理解できるようになった。そこで最近、何かにつけて用事をさせることにした。
 実は親の家に居候している関係で、食品やなにかが足りなくなると母屋を頼る。
「すみません、ミソ貸してください」
「お米が足りなくて」
 これもしょっちゅうになると、やはり親子でも気まずくならざるを得ない。妻にとってはなおさらつらいらしい。
 そこで娘の出番となる。娘は“おばあちゃん子”でもあるから、うってつけなのだ。
「ナッちゃん、お米もらってきてよ」
「ハ~イ!」
 とっとこ駆けていく娘。すぐに帰ってくる手元には、ザルに入ったお米があるという具合だ。
 しかし敵もさるもの。
「光熱費の今月分、まだはいってないって」
 娘の口を通じたおばあちゃんの逆襲パンチ。
「悟られたか」とも思うが、一度知ってしまった便利さは捨てられない。ちいさな代行屋さんは、きょうも忙しい。
(神戸・1989年3月31日掲載)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絵手紙

2015年05月20日 02時27分26秒 | Weblog
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

特別な味

2015年05月20日 00時52分17秒 | 文芸
 半世紀以上、レストランをはじめとした喫茶・飲食業界を調理ひと筋に生きて来た。いまは静かに余生を送っている。
 実は我が息子の一人がわたしと同じような調理人の道を突き進んでいる。今は名古屋近辺の居酒屋の店長で頑張っている。しかし遠く離れた地にはなかなかいけない。一度機会を得て息子の店を訪ねたが、折悪しく忘年会シーズンで、店はてんてこ舞い状態だった。
「おい。なんか食わしてくれや」「悪い。店は予約でいっぱいなんや。次の機会にして」
 冷たい(?)対応で息子に追い払われた。同じ業界で生きて来たわたしには、息子の立場が理解できるから何も言えない。素直に退散した。息子の作る料理への未練が残ったまま。だが名古屋の方へ行く機会は皆無だった。
 いつかは必ず息子の調理した、美味い料理を食べたいと願望はふくらむばかり。それも舌がバカにならない間に味わいたい。それまでは簡単に死ぬわけにはいかないぞ!
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする