月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

国歌 -隠れた国歌(伊勢音頭・木遣り歌)-

2005-11-01 22:06:12 | 民俗・信仰・文化
 最近、友人達が相次いで結婚しました。
 その友人達の新しい門出を祝して、この歌詞を紹介しましょう。

 めでためでたの 若松様よ 枝も栄えて葉も茂る
            そりゃやーとこせー よーいやーなー
 お前百まで わしゃ九十九まで 共に白髪の生ゆるまで
            そりゃやーとこせー よーいやーなー

 これらの歌詞は、日本全国(ここでいう「全国」「日本」は、アイヌ・琉球等を除く神道文化圏をさすものとする)で節をかえて祭などで歌われています。
 
 お伊勢さんに参る際の伊勢音頭として、大木などを運ぶ際の木遣り歌として。
 特に、「めでためでたの若松様よ」の歌詞は全国に広く流布しています。
 「家を立てることができるくらいの木が成長して目出度い」
 「またそこで新たに(芽出た)若松(子供)の成長を祈る」
 といったような、庶民の素朴な信仰、願いが歌詞となった典型的な例と言えるでしょう。ある意味隠れた国歌といえましょう。
 確かに、「君・王(きみ)が代」や「徳川将軍家の世」が「千代に八千代に」と祈るよりも、「我が家の若松」、「我が村の若松」の「枝と葉が茂る」事の方を人は優先してしまうものです。
 それが、「君が代」ではなく、「めでためでたの若松様よ」が全国的に普及する原動力となった理由といえるのでしょう。
 
 何はともあれ、おめでとうございます。

 めでためでたの若松様よ 枝も栄えて葉も茂る