月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

天皇・日本・女性

2005-11-10 21:55:26 | 民俗・信仰・文化
 天皇家の跡継ぎ問題について今回は考えていきたいと思います。
 天皇とは、現在の日本に該当する国家すべてではなく、あくまで大和民族・神道文化圏における宗教的首長(時代によっては政権も担っていた)といえるでしょう。琉球王国やアイヌの各部族の宗教的首長とはいえないと考えています。
 そして、そうなると、日本に該当する国家における天皇家というのは、憲法で象徴と規定されるべきものというよりも、日本という国家における「宗教史上の文化財」というもべきものではないのかと考えています。 

 それはさておき、天皇家にようやく生まれた跡継ぎ候補の愛子ちゃん。
 あくまで、僕の印象ですが、「愛子ちゃんが跡継ぎでええやん。」そんな声が大勢を締めているような気がします。
 しかしながら、昨今では、皇族の一部と一部の識者(?)が、「伝統」を盾に天皇は「男性」であるべきと主張しています。
 しかしながら、この主張には(?)です。
 歴代の天皇には、称徳天皇や推古天皇などの女帝が名を連ねています。
 そして、「日本」という「太陽の国」の象徴ともなった皇祖神・天照大神(あまてらすおおみかみ)という「太陽の神」は女性でした。
 こうしたことから考えると、天皇は女性でもいいのではないかという気がします。

 ちなみに「天皇」という言葉の由来は、中国の「天皇大帝」という唯一の不動の天体である「北極星」に由来するそうです。
 中国の皇帝である「天子」は「天皇大帝」からの命を受けるものであると考えられていました。そのため、「天子」自体は血筋の重要性がなくなり、戦乱が勃発するようになったとか。
 それに対してかつての大和民族は、「天皇大帝」の「血筋」を決めることで、王の血筋(天皇家の祖)の安定化をはかったそうです。 
 また、そうすることで、「太陽」の象徴であった大和民族の王は、中国の「北極星」の象徴にもなったということだそうです。それと同時に儒教の影響を受け、男子が王位を継ぐようになったのでしょう。
 しかしながら、「北の方」が奥さんのことをさすように、「陰」の北極星もまた、女性の象徴であるとも考えられます。
 となると、やっぱり天皇家は女性でも男性でもかまわないということになるのでしょう。


 天皇家が男子のみとなるのか、そうならないのか自体には興味がわきませんが、「天皇」の名を語ってドンパチする時代の再来は勘弁してほしいものです。
 
 そういえば、現在の皇太子さんには、「職業選択の自由」という基本的人権は存在しないのでしょうか?