ようやく、遅れを取り戻しました。
九月発行の八月号です。
わけあって九月号は先に発行しているので、これで遅れは取り戻せます。
今号は、韓国の霊鷲山通度寺(영축산통도사・ヨンチュクサントンドサ)の伽藍配置についてです。
●上中下に分かれる伽藍
通度寺は上壇、中壇、下壇にその伽藍は分かれています。
それぞれの壇で中心的な仏様(仏舎利)が北側中心に位置し、南側に伽藍が広がっています。これは日本でもよく見られる配置です。
●下壇の伽藍配置
下壇は東西の建物が向かい合っております。
このような配置は日本でも小野市の浄土寺、加古川市の鶴林寺、加西市の酒見寺、一乗寺などに見られます。

↑兵庫県小野市浄土寺東方の薬師堂

↑兵庫県小野市浄土寺西方の浄土堂

↑兵庫県小野市浄土寺西方の浄土堂裏の日の入り
西日を背に受けて御来迎する様子が堂の内部ではあらわされている。
ところが下壇の伽藍配置は日本でよく見られるものとは大きな違いもあります。下壇も北方に中心仏を配置し、南側東西に向かうように、西方極楽浄土の阿弥陀如来と東方瑠璃光浄土の薬師如来を配置しています。しかし、西方極楽浄土阿弥陀如来の極楽宝殿は東に、東方瑠璃光浄土薬師如来の薬師宝殿は西と播州で見られるものとは逆に建っているのです。

↑東に位置し阿弥陀如来がもといた西側をみるように建つ極楽宝殿

↑西に位置し薬師如来がもといた東側をみるように建つ薬師殿
お坊さんに聞いたところ、東方薬師も西方阿弥陀も自らの故郷を、向いているからだそうです。通度寺の山号は霊鷲山でお釈迦さまが説法をされたところだといいます。この通度寺は悟りを開き仏徳を説く行き着いたところを表しているので、自分が来た道をほとけさまが見るという配置になっているのかもしれません。
●上壇の拝殿
上壇の大方廣殿は、実質拝殿のみの建物といえます。御本尊は建物内になく、蔀戸の向こうの仏舎利塔を拝むことになっています。リンク先1分頃
●編集後記
ようやく追いつきました。今年の夏も、韓国に行って来ました。旅行のたびにたくさんの方々にお世話になっております。
本記事は通度寺の僧侶龍潭玄機さまのご厚意により書くことができました。あらためて御礼申し上げます。
九月発行の八月号です。
わけあって九月号は先に発行しているので、これで遅れは取り戻せます。
今号は、韓国の霊鷲山通度寺(영축산통도사・ヨンチュクサントンドサ)の伽藍配置についてです。
●上中下に分かれる伽藍
通度寺は上壇、中壇、下壇にその伽藍は分かれています。
それぞれの壇で中心的な仏様(仏舎利)が北側中心に位置し、南側に伽藍が広がっています。これは日本でもよく見られる配置です。
●下壇の伽藍配置
下壇は東西の建物が向かい合っております。
このような配置は日本でも小野市の浄土寺、加古川市の鶴林寺、加西市の酒見寺、一乗寺などに見られます。

↑兵庫県小野市浄土寺東方の薬師堂

↑兵庫県小野市浄土寺西方の浄土堂

↑兵庫県小野市浄土寺西方の浄土堂裏の日の入り
西日を背に受けて御来迎する様子が堂の内部ではあらわされている。
ところが下壇の伽藍配置は日本でよく見られるものとは大きな違いもあります。下壇も北方に中心仏を配置し、南側東西に向かうように、西方極楽浄土の阿弥陀如来と東方瑠璃光浄土の薬師如来を配置しています。しかし、西方極楽浄土阿弥陀如来の極楽宝殿は東に、東方瑠璃光浄土薬師如来の薬師宝殿は西と播州で見られるものとは逆に建っているのです。

↑東に位置し阿弥陀如来がもといた西側をみるように建つ極楽宝殿

↑西に位置し薬師如来がもといた東側をみるように建つ薬師殿
お坊さんに聞いたところ、東方薬師も西方阿弥陀も自らの故郷を、向いているからだそうです。通度寺の山号は霊鷲山でお釈迦さまが説法をされたところだといいます。この通度寺は悟りを開き仏徳を説く行き着いたところを表しているので、自分が来た道をほとけさまが見るという配置になっているのかもしれません。
●上壇の拝殿
上壇の大方廣殿は、実質拝殿のみの建物といえます。御本尊は建物内になく、蔀戸の向こうの仏舎利塔を拝むことになっています。リンク先1分頃
●編集後記
ようやく追いつきました。今年の夏も、韓国に行って来ました。旅行のたびにたくさんの方々にお世話になっております。
本記事は通度寺の僧侶龍潭玄機さまのご厚意により書くことができました。あらためて御礼申し上げます。