●吉村大阪府知事の岸和田地車サポート発言
吉村大阪府知事の「岸和田だんじりサポート発言」が祭好き達の注目を集めています。結論から言うと、希望は見えたものの、「祭をやる=屋台・だんじりを大っぴらに出せるか」にはまだまだ疑問が残ります。また、我々のような播州の屋台を担ぐ祭は、岸和田の地車のような曳く祭より開催が困難になると思われます。それらを下の順序で書いていきます。①吉村大阪府知事の発言した内容
②その発言の根拠と思われる研究(管理人のザックリ解釈)
③大阪府庁に質問した内容と回答
④クリアするべき懸念事項
⑤播州屋台の祭が岸和田だんじりの祭より開催がより困難と思われる点
今回は、①②③までです。
①吉村大阪府知事の発言した内容
発言をしている時の動画がアップロードされていますが、削除されるかもしれません。2020.6.17 MBS 「ミント」のインタビューにおいて、大凡下のようなことを言っています。
①政教分離な大原則があるから、だんじり祭をやるやらないを決めるのは地元の人
②自分はだんじりファン
③やる、やらないどちらの決断を岸和田がしても府として全力でサポートする。
④感染者が出た場合のサポートなどを全力でしたい。
といった内容でした。
③の発言は、知事が地車の曳行を容認したようにとらえられて、祭好き達のSNSに広がっています。
個人的には、政治家として、政党としても、吉村知事を信用する気にはなれません。でも、「だんじりファン」と言った時だけは、「政治家の顔」から、祭を見てかっこええと思う「少年の顔」になったように見え、その言葉に嘘はないように見えました。それは、岸和田の地車の魅力がなせる技でもあるのでしょう。
とはいうものの、吉村府知事は経済活動の回復をいそぐあまり、やや希望的観測で根拠としているだろう研究を解釈しているように感じています。それを次に書いていきます。
②その発言の根拠と思われる研究(管理人のザックリ解釈)
吉村府知事が、岸和田だんじり祭の開催を容認したとも捉えられる発言をした背景には、2020年6月11日か12日(リンク先では11日とも12日とも思える表現で書かれている)に行われた大阪府新型コロナウィルス専門家会議において、『「大阪大学 核物理研究センター」のセンター長・中野貴志教授が、「感染拡大の収束に外出自粛や休業要請による効果はなかった」と明言した。』ことによるものだと思われます。
中野氏は感染収束の指標としているK値(直近一週間の総感染者数/総感染者数)というものを用いて、その効果はないとしたそうです。残念ながら、なぜ、この数が有効なのか有効でないのかは分かりません。
記事から理解できたことは、下の通りです。
①中野氏が核物理学者であること
②日本は感染をうまく抑えこめていると中野氏が主張していること
③K値で見るとピークアウトは3月28日だと中野氏が主張していること
④三連休の気の緩みは関係ないとと中野氏が主張していること
⑤国内の自粛政策は後から見たら過剰だが、ことさら間違っていると責めるのは間違っていると中野氏が主張していること
⑥朝野座長は飲酒接待の場でクラスターが発生している事実を指摘していること。
このサイトによると、中野氏の理論は統計的には「今のところ正確」ですが、疫学的(例えば新型コロナウィルスの性質?)からは正確かどうかは分からないと言ったところでしょう。
また、赤点ギリギリの数学音痴の管理人の見解ですが、中野氏の理論だと日を追うごとに分母が大きくなるので、どうしても楽観的な数字が出やすくなるように思ってしまいます。
また、結局飲食を共にする場では集団感染が起きる事例は夏でも続いていることなどを考えると、やっぱり厳しいのかなと考えてしまいます。
③大阪府庁に質問した内容と回答
そこで、岸和田だんじり祭などを開催して感染者が出た時のためのサポートとして病床数を増やす計画があるのかどうかを聞こうと思い立ち、大阪府の新型コロナ相談室に電話で問い合わせました。しかし、そこから「府民お問い合わせセンター」に電話するよう案内され、そこから災害対策課に繋がれてお話を聞くことになりました。
おおよその質問の内容と、回答は大凡下のようなものでした。なお質問番号は煩雑さ回避のために便宜的につけました。
----これより---
質問1
だんじりなどで感染者が出た場合などの病床数を増やす計画はあるのか
答え
(だんじりをやる場合の対策をしろという)指示はまだ降りてきていない。
また、さらに病床数ふやすことについても今のところはやっていない。
感染対策課、災害対策課、(新型コロナ対応のためにつくられた?)健康医療チームなどで協力して対応することになると思われる。
質問2
祭に間に合うのか??
答え
答えてくれた人の個人的な感覚としては、軽症者のためのホテルの確保は一月かからずにできたなどノウハウはあると思う
----
今のところ、具体的に動いているという様子ではないものの、軽症者用のホテルの確保などのノウハウには自信が伺えたと感じています。しかしながら、祭の開催の是非を判断するのは、大阪府がどこまでできるかが分かった上で検証しなければならないことだと思われます。
次号では似たような内容と言われかねませんが、やる上での懸念事項と播州の屋台祭が、岸和田のだんじり祭以上に開催に困難が伴うだろう点を挙げていきます。
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