天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】白ゆき姫殺人事件/アナと雪の女王【18~19作目】

2014年04月10日 | 映画感想
「白ゆき姫殺人事件」

湊かなえ氏著の同名タイトル小説を映画化。超珍しく原作既読作品です。
湊氏の作品は映画「告白」を観た際に余りに衝撃的な内容だった為、映画を観た後で原作小説を読んで戦慄した。
何と言うか、この人の描写する「人間の心の底にある悪意」が余りにも情け容赦なくて。
それでこの人の作品が気になっていて、とりあえず文庫化されると読むようにしてます。

という訳で、本作に関しては原作小説に対する感想になるのか純粋に映画の感想になるのか自分でもよく分からない。ごっちゃになってるね。

原作では綾野剛君演じるTV制作ディレクターがフリーの雑誌記者という事になっている。
それで色んな人に取材して話を聞き出したり自分が現場に行って写真撮ったりしながらSNSにつぶやいているんだけど、あくまでも小説本文は
取材対象が記者に語る一方的な独白形式になっていて、記者や野次馬がツイートしている内容に関しては巻末に「関連資料」という形で記載されている形式。
ついで言うと、映画中ではワイドショーで語られている内容が原作ではこれまた巻末に記者が書いたゴシップ誌の内容として記載されている。
かなり独特な表現方法で原作は話が進むので、この構成を映画にするとどうなるんだろう?と興味があったんだけど、なる程上手い具合に融合されていました。

ちょっとYahoo!ムービーのレビューを流し読みしてみましたが、どうやらタイトルから本作を勝手にミステリーだとカテゴライズして観に行った人が
多かった模様で…本作、全くミステリーではありませんから。あくまでもヒューマンドラマの類ですね。
犯人当てでもなければトリックを考えるというネタでもなく、ある殺人事件で奇しくも犯人扱いされてしまった女性のアイデンティティに関わるドラマ。
人というのは自分の見たい物しか見ない。自分の都合のいいようにしか記憶していない…映画中である女性がそう語るんだけど、全くその通りだと思わされる。
そしてその「自分の見たい物・記憶しておきたい事」が人によって本当に様々で、それが全て悪意に向かって行く恐怖がこれでもかと表現されている。
湊氏の作品ってどうしてこんなに人間の暗く恐ろしい部分にばかり目が向けられているんでしょうねぇ^^;

映画の後半、お葬式(お通夜かな?)以降のシーンは全て映画オリジナルのストーリーです。
原作では城野美姫の独白で本文が終わっていて、巻末の「関連資料(でもあくまでもこの関連資料まで全て読んで初めて話が完結する形式)」では
犯人のBLOGで〆になっている。要するに城野美姫は様々な悪意に晒されて自分が何者なのかも分からなくなりアイデンティティが崩壊した状態で
何の救いもなく終わっている。それに比べて映画ではちゃんと心の救済が用意されていた。コレは個人的に凄く良かったと思う。

人間って怖いですよね。本作には色んな「悪意」が登場したけど、一番怖いなーと思ったのは大学時代の「親友」ですかね。
「親友が犯人扱いされている事に抗議する」「親友の行く末を心から心配している」という、一見すると善意のオブラートで包まれた底の見えない悪意。
「女の敵は女」と昔からよく言ったものだけど、実際こういう事件が起こるとこーいう「善人ぶって個人情報ダダ漏れに晒す悪魔のような女」ってのが
本当にいそうで怖いよなぁ~と。^^;

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「アナと雪の女王」

本年度のアカデミー賞長編アニメーション賞受賞作。ついでに劇中歌兼主題歌の「LetIt Go」がアカデミー賞歌曲賞を受賞してます。
凄いキャッチーなサビですよね。一度聞くと耳から離れないメロディ。
ところで本作の予告編で丸々「Let It Go」を歌うシーンが使われてましたが、あの予告編見た時はあの女の子がアナだとばっかり思ってた。
でもよくよく考えたら「アナと雪の女王」でアレはどー見ても明らかに雪の女王なんだからアナな訳ないやね^^;

という訳で、雪の女王というのはアナの実姉エルサの事。どういういきさつなのかは分からないけど、とにかくエルサは触れるモノを凍らせたり
雪や氷を自由自在に作れるという魔法を持って生まれて来たんだけど、成長していくにつれて魔力がどんどん強大になっていって自分で制御が
出来ないレベルになって来ている。ちなみに妹のアナの方は全く何の魔力も持たない普通~の人間仕様。
国王と女王だった父母を海難事故で亡くした為に姉のエルサが新女王として戴冠式を迎える事になったものの、件の魔力を国の民に見咎められてしまい
化け物呼ばわりされた事でエルサは心を閉ざして北の山に隠れてしまう…が、姉の魔力が強力過ぎて夏だったハズの国が北極状態になってしまった。
妹のアナは何とか姉を説得して氷の世界を溶かしてもらおうとエルサを探しに北の山を目指すのだが…という話

まー絵がキレイ!
自分貧乏なので2D字幕版で鑑賞したのですが、2Dでも充分美しさが堪能出来ます。
個人的にアニメーションはやっぱり手描きセルアニメが好きなんですが、フルCGアニメはディズニーファンタジーだからこそ楽しめるんだなーっと。
それから歌も勿論とっても素晴らしい。やっぱり一番印象に残るのはエルサの歌う「Let It Go」だけど、他にも沢山素敵な歌が登場した。

まー話は誰もが楽しめる「超王道お姫様ファンタジー」「恋と勇気と冒険と!」みたいな内容。
でも「超王道」では決してないかな?…クライマックスでアナはある事から命の危機に晒されるんだけど、それを回避するには本当に自分を心から愛してくれる
「真実の愛」を持った人とキスをする事という、まー超ド級のベタなお姫様STORYルールで。
コレが「ええっ!真実の愛って…そ、そっち方向なんすか!?」というミラクル展開だったりして。ココひねる場所ですかー?(滝汗)みたいなw

でも子供から大人まであまねく楽しめる、王道ディズニー映画でしたねー。
ここ最近ピクサーフィルムにも食傷気味で全然アニメ観たいと思わなくなってたんだけど、たまにはいいですねーこういうの♪^^
コメント
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