最近またちょっと引きこもり傾向な私。お出掛け熱と引きこもりが波のように交互に来るな。
これではいかん!と思って今週頑張って2本観て来ましたわ。個人的に「チョコレートドーナツ」が激しくオススメですが
以下レビューはネタバレしまくりなので、未鑑賞でこれから鑑賞予定の方はサクッとスルーでお願いします。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------
「チョコレートドーナツ」
1970年代にアメリカで実際にあった出来事を映画化したもの。
ザックリあらすじ書くと、あるゲイカップルがダウン症の放置子と出会い(母親はドラッグで逮捕され服役中)放置子を引き取って3人で仲良く暮らすものの
「同性愛者カップル」というアイデンティティが世間から理解されずに放置子が行政の手によって奪われてしまう。
劣悪な環境の施設から放置子を助け出したいとゲイカップルは法(裁判)に訴える事を決意。必死に法廷で養育権獲得の為に訴えるのだが…という話。
歌手を目指しながらゲイバーで口パクパフォーマンスをしている「ルディ」をトニー賞に輝くアラン・カミングが熱演。
この方ご自身ゲイ(バイ)なのをカミングアウトしていて同性婚をしているそーですが、まーとにかく圧倒的パフォーマンス!歌にシビれる!!
本作は劇中で沢山60~70年代の名曲がカバーされているが、その歌詞が見事なまでに映画のシーンとリンクしていて本当に心奪われる。
そして映画ラストのスタッフロールで流れる曲のみ本作の為に書き下ろされたオリジナルSongだそうですが、この曲がまた素晴らしい!
これ本作のオリジナルサウンドトラックとか売ってんのかな?買っちゃおうかしら♪
親に見捨てられている可哀想な子供…というと、通常この手の映画だったら誰が見ても「いたいけな」「愛くるしい」「思わず守ってあげたくなるような」
可愛らしい容貌の子役をあてがうだろうと思うんだけど、本作の子役はものの見事に期待外れで(ヲイ)それもそのはず子供は知的障害を持ったダウン症児で
尚且つ劣悪な環境で育てられていた為にロクに学校へも行かずジャンクフードだけで育ち、心臓を始め各種内臓疾患持ちのトンデモ「ハズレ物件」という設定。
行っちゃアレだが普通だったら誰も引き取りたがらない条件の放置子なんだけど、何故かルディは一目見てこの放置子「マルコ」に同情し深い愛情を示して
パートナー「ポール」と2人でマルコと疑似家族を作りたいと望むようになる。
今でこそゲイやレズビアンが比較的社会でも受け入れられ始めているものの、当時の差別と偏見は目を覆いたくなる程酷く、そんなアイデンティティの中で
生きるルディとポールだったからこそ、また社会弱者であったマルコと魂が呼応したのかもしれない。
事ある毎に思い出をビデオ撮影していて、このビデオシーンがところどころで「幸せだったあの頃」として登場するんだけど、もうとにかく3人の表情が幸せに満ちて
キラキラと輝いていて…それが行政によって引き離された3人の苦しみと対比して本当に観ていて苦しく切ない。
「お涙頂戴系」にはかなり耐性が出来てて(一時流行った韓流メロドラマなんかじゃー1mmも泣けないネッ!)滅多な事じゃー映画観ても泣けないこのアタクシが
本作のラストではもう堪え切れずにガチ泣きでしたわ。ただただ悔しくて、苦しくて、悲しくて、こんな事があっていいものなのかと!
今思い返すだけで勝手に涙出て来るわ。それ位本当に心にダイレクトに「ずがーーーん!」と来ました。
ちなみに本作の原題は「ANY DAY NOW(いつの日か)」そして邦題の「チョコレートドーナツ」はマルコの大好物だったの!イヤンこれ書いただけでまた泣ける~!
アナ雪リピートして「レリゴー♪」とか唄ってる大人達よ!どうせならコッチ観なさいって!
まーただ、ゲイネタだからガキンチョ連れには厳しいかもねー。でも高校生以上だったらアナ雪よりコッチの方が100倍オススメ!!
「ブルージャスミン」
安定のウディ・アレンムービー。
なんだかんだケチつけながらもウディ作品を観てしまう私。この人の作品って多分中毒性があるんじゃなかろうか(苦笑
ウディ作品はご本人が出てるモノよりも本人は脚本・監督に徹して表舞台に出て来ない作品の方が圧倒的に面白いと思う。
そしてウディがいつも演じている「狂言回し」を誰が代わりに務めて、そしてどれ位ウディとシンクロ出来るかが作品の良し悪しを左右するんじゃないかと。
そんな訳で本作でウディとシンクロしたのはケイト・ブランシェット嬢。そして見事に本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞しましたね。
まーオスカー像を手にするのも納得!圧巻の演技力です。
ケイト嬢演じる本作の主人公「ジャスミン」は、本名は「ジャネット」と言うんだけどご本人曰く「平凡でダセーので自分にお似合いの名前、ジャスミンに改名した」
と豪語する「没落した元・セレブ」、何故「元」なのかと言うと金融&不動産ブローカーだった超セレブのハズの旦那は実は壮大なセレブ相手の詐欺師。
旦那の悪事が露見し逮捕された揚句に当の旦那は収監された刑務所で首つり自殺。ボッチで全財産を没収された貧乏年増ジャスミンはかつてセレブ時代には
鼻にもかけずに散々なあしらいをした、ジャスミン曰く「負け犬」の妹・ジンジャーを頼って花の都・NYからカリフォルニアに移り住んで来た…という所から話は始まる。
ケイト嬢演じるジャスミンが思いっきり「女・ウディ」仕様なのが物凄いわ…とにかく喋る喋る!放っておけば多分1日中自分のセレブ自慢語りしてるタイプ。
更に話が進んで来ると段々分かるんだけど、セレブ生活を謳歌しながらも元々ちょっと神経の細やかなタイプなのか?精神的に非常に不安定な上に旦那があんな事に
なっちゃってるもんだから時々妄想が暴走してかなり過激な独り言を口ずさんだりするメンヘラちゃんだったりする。
映画はジャスミンが自分のセレブ人生観と現実とのギャップに悩まされつつ心が病んで行く様子や、いつまで経ってもお花畑脳でプライドだけはチョモランマな
ジャスミンの滑稽にも見える様子を色んなエピソードに交えて描き出していく。
何と言うのか…本作を観て主人公のジャスミンに共感したり同情したり応援したりする人(特に女性)って多分少ないと思うんだよね。
余りにも自分の人生とかけ離れたセレブっぷりだからどこにも共感出来る部分がない、というのが一番なんだけど…映画はジャスミンが没落した所からスタートしてて
妹や妹彼氏周辺からも「お気の毒目線」で見られているにも関わらず、ご本人はどこ吹く風で妹の家に居候の身にも関わらず常に超上から目線なのが
そもそも観客の共感を得られ難いと言うのか…多分ウディはこの主人公を観客みんなに「嫌ってもらって嘲笑ってもらって最後にちょっぴり残念な気分で憐憫を頂こう」
という意図で設定したのではないか?と邪推するんですが^^;
本作ってあくまでも現代劇だよね?現代劇なんだろーけど、何となくウディの演出とか美術設定・キャラの装飾ファッション等が微妙に70~80年代の
セレブっぽいというのか、日本的に言うと「古き良きバブルっぽい」ゴージャス感なんだよね。個人的にこーいう雰囲気大好きだったりするんだけど♪
本作のキモって単純に見れば「因果応報」って事?
でもそんな単純な話だとも思えないよね。無駄に深読みしたくなるのもウディ作品の特徴だと思う。
例えばさ…映画冒頭から妹のジンジャーが何度も「姉は金融とかそういう事には疎かったから、云々…」と旦那の詐欺の事には全く気付いてなかったハズだと
擁護するシーンが登場するんだけど、映画クライマックスで旦那の浮気にブチ切れたジャスミンが取った行動は…?
ジャスミン本人もずーっと旦那の仕事にはノータッチだと語り続けているものの、旦那が逮捕されるに至ったプロセスが観客に提示されてみると
この事件に対するジャスミンの立ち位置はガラリと変わるんじゃないかと思う。本当に旦那の仕事事情を知らない人間はアソコに電話を掛ける事は出来ないよね?
だったら妹達の宝くじ当選金の話を聞いた時にどうしてあの話を薦めたのかな?…とかねw
まーそんなこんなで色々考えさせられる&ケイト・ブランシェット嬢オスカーおつです!流石の演技力!な一作。なかなか面白い作品ですよ。
これではいかん!と思って今週頑張って2本観て来ましたわ。個人的に「チョコレートドーナツ」が激しくオススメですが
以下レビューはネタバレしまくりなので、未鑑賞でこれから鑑賞予定の方はサクッとスルーでお願いします。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------
「チョコレートドーナツ」
1970年代にアメリカで実際にあった出来事を映画化したもの。
ザックリあらすじ書くと、あるゲイカップルがダウン症の放置子と出会い(母親はドラッグで逮捕され服役中)放置子を引き取って3人で仲良く暮らすものの
「同性愛者カップル」というアイデンティティが世間から理解されずに放置子が行政の手によって奪われてしまう。
劣悪な環境の施設から放置子を助け出したいとゲイカップルは法(裁判)に訴える事を決意。必死に法廷で養育権獲得の為に訴えるのだが…という話。
歌手を目指しながらゲイバーで口パクパフォーマンスをしている「ルディ」をトニー賞に輝くアラン・カミングが熱演。
この方ご自身ゲイ(バイ)なのをカミングアウトしていて同性婚をしているそーですが、まーとにかく圧倒的パフォーマンス!歌にシビれる!!
本作は劇中で沢山60~70年代の名曲がカバーされているが、その歌詞が見事なまでに映画のシーンとリンクしていて本当に心奪われる。
そして映画ラストのスタッフロールで流れる曲のみ本作の為に書き下ろされたオリジナルSongだそうですが、この曲がまた素晴らしい!
これ本作のオリジナルサウンドトラックとか売ってんのかな?買っちゃおうかしら♪
親に見捨てられている可哀想な子供…というと、通常この手の映画だったら誰が見ても「いたいけな」「愛くるしい」「思わず守ってあげたくなるような」
可愛らしい容貌の子役をあてがうだろうと思うんだけど、本作の子役はものの見事に期待外れで(ヲイ)それもそのはず子供は知的障害を持ったダウン症児で
尚且つ劣悪な環境で育てられていた為にロクに学校へも行かずジャンクフードだけで育ち、心臓を始め各種内臓疾患持ちのトンデモ「ハズレ物件」という設定。
行っちゃアレだが普通だったら誰も引き取りたがらない条件の放置子なんだけど、何故かルディは一目見てこの放置子「マルコ」に同情し深い愛情を示して
パートナー「ポール」と2人でマルコと疑似家族を作りたいと望むようになる。
今でこそゲイやレズビアンが比較的社会でも受け入れられ始めているものの、当時の差別と偏見は目を覆いたくなる程酷く、そんなアイデンティティの中で
生きるルディとポールだったからこそ、また社会弱者であったマルコと魂が呼応したのかもしれない。
事ある毎に思い出をビデオ撮影していて、このビデオシーンがところどころで「幸せだったあの頃」として登場するんだけど、もうとにかく3人の表情が幸せに満ちて
キラキラと輝いていて…それが行政によって引き離された3人の苦しみと対比して本当に観ていて苦しく切ない。
「お涙頂戴系」にはかなり耐性が出来てて(一時流行った韓流メロドラマなんかじゃー1mmも泣けないネッ!)滅多な事じゃー映画観ても泣けないこのアタクシが
本作のラストではもう堪え切れずにガチ泣きでしたわ。ただただ悔しくて、苦しくて、悲しくて、こんな事があっていいものなのかと!
今思い返すだけで勝手に涙出て来るわ。それ位本当に心にダイレクトに「ずがーーーん!」と来ました。
ちなみに本作の原題は「ANY DAY NOW(いつの日か)」そして邦題の「チョコレートドーナツ」はマルコの大好物だったの!イヤンこれ書いただけでまた泣ける~!
アナ雪リピートして「レリゴー♪」とか唄ってる大人達よ!どうせならコッチ観なさいって!
まーただ、ゲイネタだからガキンチョ連れには厳しいかもねー。でも高校生以上だったらアナ雪よりコッチの方が100倍オススメ!!
「ブルージャスミン」
安定のウディ・アレンムービー。
なんだかんだケチつけながらもウディ作品を観てしまう私。この人の作品って多分中毒性があるんじゃなかろうか(苦笑
ウディ作品はご本人が出てるモノよりも本人は脚本・監督に徹して表舞台に出て来ない作品の方が圧倒的に面白いと思う。
そしてウディがいつも演じている「狂言回し」を誰が代わりに務めて、そしてどれ位ウディとシンクロ出来るかが作品の良し悪しを左右するんじゃないかと。
そんな訳で本作でウディとシンクロしたのはケイト・ブランシェット嬢。そして見事に本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞しましたね。
まーオスカー像を手にするのも納得!圧巻の演技力です。
ケイト嬢演じる本作の主人公「ジャスミン」は、本名は「ジャネット」と言うんだけどご本人曰く「平凡でダセーので自分にお似合いの名前、ジャスミンに改名した」
と豪語する「没落した元・セレブ」、何故「元」なのかと言うと金融&不動産ブローカーだった超セレブのハズの旦那は実は壮大なセレブ相手の詐欺師。
旦那の悪事が露見し逮捕された揚句に当の旦那は収監された刑務所で首つり自殺。ボッチで全財産を没収された貧乏年増ジャスミンはかつてセレブ時代には
鼻にもかけずに散々なあしらいをした、ジャスミン曰く「負け犬」の妹・ジンジャーを頼って花の都・NYからカリフォルニアに移り住んで来た…という所から話は始まる。
ケイト嬢演じるジャスミンが思いっきり「女・ウディ」仕様なのが物凄いわ…とにかく喋る喋る!放っておけば多分1日中自分のセレブ自慢語りしてるタイプ。
更に話が進んで来ると段々分かるんだけど、セレブ生活を謳歌しながらも元々ちょっと神経の細やかなタイプなのか?精神的に非常に不安定な上に旦那があんな事に
なっちゃってるもんだから時々妄想が暴走してかなり過激な独り言を口ずさんだりするメンヘラちゃんだったりする。
映画はジャスミンが自分のセレブ人生観と現実とのギャップに悩まされつつ心が病んで行く様子や、いつまで経ってもお花畑脳でプライドだけはチョモランマな
ジャスミンの滑稽にも見える様子を色んなエピソードに交えて描き出していく。
何と言うのか…本作を観て主人公のジャスミンに共感したり同情したり応援したりする人(特に女性)って多分少ないと思うんだよね。
余りにも自分の人生とかけ離れたセレブっぷりだからどこにも共感出来る部分がない、というのが一番なんだけど…映画はジャスミンが没落した所からスタートしてて
妹や妹彼氏周辺からも「お気の毒目線」で見られているにも関わらず、ご本人はどこ吹く風で妹の家に居候の身にも関わらず常に超上から目線なのが
そもそも観客の共感を得られ難いと言うのか…多分ウディはこの主人公を観客みんなに「嫌ってもらって嘲笑ってもらって最後にちょっぴり残念な気分で憐憫を頂こう」
という意図で設定したのではないか?と邪推するんですが^^;
本作ってあくまでも現代劇だよね?現代劇なんだろーけど、何となくウディの演出とか美術設定・キャラの装飾ファッション等が微妙に70~80年代の
セレブっぽいというのか、日本的に言うと「古き良きバブルっぽい」ゴージャス感なんだよね。個人的にこーいう雰囲気大好きだったりするんだけど♪
本作のキモって単純に見れば「因果応報」って事?
でもそんな単純な話だとも思えないよね。無駄に深読みしたくなるのもウディ作品の特徴だと思う。
例えばさ…映画冒頭から妹のジンジャーが何度も「姉は金融とかそういう事には疎かったから、云々…」と旦那の詐欺の事には全く気付いてなかったハズだと
擁護するシーンが登場するんだけど、映画クライマックスで旦那の浮気にブチ切れたジャスミンが取った行動は…?
ジャスミン本人もずーっと旦那の仕事にはノータッチだと語り続けているものの、旦那が逮捕されるに至ったプロセスが観客に提示されてみると
この事件に対するジャスミンの立ち位置はガラリと変わるんじゃないかと思う。本当に旦那の仕事事情を知らない人間はアソコに電話を掛ける事は出来ないよね?
だったら妹達の宝くじ当選金の話を聞いた時にどうしてあの話を薦めたのかな?…とかねw
まーそんなこんなで色々考えさせられる&ケイト・ブランシェット嬢オスカーおつです!流石の演技力!な一作。なかなか面白い作品ですよ。