さて、では今回の旅行の際に乗ったターキッシュエアとルフトハンザの機内で観た映画のレビューをサクッと。
洋画は全て日本語吹替、画面も座席のポータブル液晶なので画質・音質ともクソです仕方ないのです(苦笑)
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「レヴェナント:蘇えりし者」
実は見逃してたんだー!デカプーが遂に遂に遂に悲願のアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品なのに!
何故かというと…単純に予告編観ても興味が沸かなかったから(ヲイ
監督はこれまた2年連続アカデミー監督賞を受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥ氏。
昨年受賞した
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」鑑賞した時に「んー。この人の世界観は多分自分とは肌が合わんな…」と思ったのもある。
で本作。
時代は西部開拓期以前?のアメリカ。デカプー演じるハンターの「ヒュー・グラス」は毛皮を取る狩猟グループに用心棒のような役回りで同行していたが
グリズビーに襲われて瀕死の重傷を負ってしまう。ぶっちゃけヒューの死に待ち状態になってしまった為に同僚のフィッツジェラルドは足手まといになった
ヒューを密かに殺害しようと目論むも、ヒューの息子に見咎められた事で争いになり息子を殺害した後、ヒューを生き埋めにして行ってしまった。
息子を殺され自分を見殺しにしようとしたフィッツジェラルドへの復讐を誓ったヒューは自力で何とか這い上がって後を追う。
内容自体は割と単純な復讐劇で、それをどれだけ臨場感と緊張感を観客に感じさせるかがキモのような作り。
撮影はオスカー常連のカメラマン「エマニュエル・ルベツキ氏」、自然光だけで撮影したという絵は流石の一言に尽きる。とにかく絵ヅラが凄い。
そして想像していた以上に絵がエグエグ祭りだった。血だの肉だの死体だのに「ううう…」と思っちゃう乙女ちゃん達は鑑賞要注意。
まー後は…デカプーの努力が見えるよねぇ。本当に凄いなコレは。コレでオスカー取れなかったらマジでデカプーはアカデミー賞審査員を訴えていいレベル。
「迫真の演技」ってよく言うけど、そんなチョロいレベルじゃーなかった。こんな過酷な撮影続けたら、撮り終わった後に燃え尽き症候群になっちゃうんじゃ
ないかと心配したくなる程の壮絶な演技だった。上映時間2時間半超らしいですが全く長さを感じさせず、ずっと緊張感を持続させたのは凄い。
まーただね…やっぱこの監督さんとは肌が合わないんだと思った。この作品は素晴らしいと思うけど、個人的に好きか嫌いか?と問われると「どーでもいい」感じ(ヲイ
一度は観ておくべき作品だと思うけど、一度観たらもういいや…二度目はないな、という感じ。^^;
「Concussion(原題)」
全米公開は2015年12月、日本での公開は未定?調べたけど分かりませんでした。日本でも人気のハリウッドスター「ウィル・スミス」主演なので
きっといずれは日本でも公開されるとは思いますが…因みに本作は実在する医師と実際に起こった(今現在も進行形?)医療サスペンスドラマです。
原題の「Concussion(コンカッション)」は直訳すると「脳震盪(のうしんとう)」
ウィル・スミス演じるナイジェリアからの移民医師「ベネット・オマル」はピッツバーグで解剖医として働いていた。ある日かつてのアメリカン・フットボールの
名選手だった「マイク・ウェブスター」が変死体で発見されて彼の検視をオマル医師は担当する。死因に不審を抱いたオマルはマイクの脳を組織検査し
それが「長年に渡り度重なる脳震盪を起こした事で発症した慢性外傷性脳症(CTE)である」事を突き止めた彼はアメリカン・フットボールとCTEの関連性と
危険喚起を論文として発表する。ところがNFL(National Football League)はコレを完全否定した挙句、オマルは脅され職を追われるまでになる。
日本人には馴染みがないスポーツですがアメリカン人にとっちゃー野球と並ぶ…いや、野球以上に白熱する「アメリカン・フットボール」
NFLの優勝決定戦「スーパーボウル」は視聴率が46%超えるとか。実にアメリカ国民の2人に1人は観てる計算。凄過ぎる!
そのアメフトが「脳に致命的な損傷を与える危険なスポーツですよー」という論文を発表されちゃった訳です。そりゃーアメ公必死で揉み消したいっすね!
オマル氏はナイジェリアからの移民で元々TVをほとんど観ない人だったのでアメフトにまーったく興味がなく、アメフトがそこまでアメリカ人にとって
重要視されているスポーツだとは全く認識せずに、単純に医師として見付けちゃった事実を論文として発表しちゃった訳です。
きっとオマル氏が元々アメリカ生まれのアメフト大好きっ子だったとしたら、もしかしたらこの論文は世に出なかったのかもしれません。
それ位、アメリカン・フットボールというのはアメリカ人にとって夢であり、勇気と希望であり、活力であり、血湧き肉躍る国民的スポーツなのです!
だからアメフトが命を削る危険なスポーツだなんて、絶対に認めたくないし…仮にそうだとしても止めて欲しくなんてないのです!
という訳で、この論文を発表してからのオマル氏は様々な嫌がらせや脅しを受けて、遂には大切な家族にまでその手が及んだ事で白旗あげて職場を辞めて
遠くに引越しをする事を余儀なくされます。結局この論文をNFLが受け入れて認めるまでに7年も時間が掛かったそーで、今も認めたとは言うものの
アメフト選手への対応はまだまだ不十分だと思われます。だから「現在も進行形」のお話、という訳です。
非常に繊細で骨太な医療ドラマで、ウィルは持ち味のチャラいキャラを完全封印して実直で真摯なオマル医師を好演しています。
個人的にこういうサスペンスドラマは大好きなんですが…全米では全くウケなかったそうですよ。そりゃそーだわなアメフト完全否定してる内容だもん。
アメ公達受け入れるわきゃーねーわ(苦笑)
「Hello, My Name Is Doris(原題)」
2015年制作、全米公開2016年3月、日本公開は未定。多分劇場公開されない予感…日本人に馴染みのある俳優さん出てないしな。
主人公のドリス(サリー・フィールド)は60歳OVER高齢独身女性。長年実家で母親と同居していたが母親が鬼籍に入り、弟夫婦から実家を出て行けと急かされている。
そんなある日、職場に転勤でイケメン30代年下男子「ジョン」が配属されて来た。一目惚れしたドリスは友達の孫娘に手伝って貰ってFacebookを偽名で始め
ジョンと友達登録して彼の好きな物を調べては近付くチャンスを伺うのだが…
痛ーい!BBAの老いらくの恋の物語。でもサリー・フィールドの演技が上手いので何だかドリスに肩入れしたくなる。けど痛い!痛い!ひーっ!!
ありがちな「モテない高齢女子」の典型。結構エゲつない妄想癖があって(妄想の中ではドリスは愛され女子で常にイケメンからセクシャルな事を求められてる♪)
更には「片付けられない症候群」、ゴミ捨て場からまだ使えそうな物を拾っては収集。家の中は読まれる事のない雑誌からシャンプーの空き瓶、片方しかない
スキー板等ガラクタがてんこ盛りの汚部屋仕様。自分の容姿をどう思ってるのか謎だけど何故か無駄にポジティブシンキングなのもありがちなモテない女子感満載。
自分の子供と言っても差支えない程若いイケメンに一目惚れしたドリスが必死に若作りしてイケメンに近付く訳ですが、イケメン君がまた気持ちのいいヤツで
BBAが下心満載で近付いて来ている事に全く気付かず「ちょっと変わり者の面白い職場のお局さん」という体でお友達付き合いをしてくれる訳です。
今までロクに男と縁がなかったBBAは若いイケメン君の微妙に馴れ馴れしい距離感にのぼせ上って「彼も私の事、気に入ってくれてる!」と益々ヒートアップw
うーわーーー、自分もこうならないように気を付けなくちゃなーーーと自戒を込めながら鑑賞しておりましたよ。くすんくすん(薄涙)
イケメン君にのぼせ上る事で長年の友情にヒビが入ったり、弟嫁とバトルモードに突入したり、色々身辺忙しいんですが、要するに久し振りに新しい恋をした事で
紆余曲折の末にようやく自分の姿を自分でちゃんと見定める事が出来るようになる訳です。汚部屋に引きこもっていてはダメなんだと気付く訳です。
BBAの人生再生物語として非常に気持ちのいい作りではありましたが…コレ、若い子が観てもきっと全然おもんないし共感出来ないよね?(滝汗)
「ズートピア」
現在まだ公開中かな?正直劇場で観る気は全くなかったけど機内上映で無料鑑賞出来るならラッキーだな、位の気持ちでw
お約束ディズニー映画。動物てんこ盛り。キャラ可愛い。愛と友情と勇気と希望の詰まった冒険活劇。終了。(ヲイ
架空のハイテク文明都市「ズートピア」は草食獣と肉食獣がお互いを認め合って平和に共存している街。田舎で人参農家を営んでいる両親の元で育った
ウサギ女子の「ジュディ」は子供の頃からの夢を実現して草食獣として初のズートピア警察官になった。ズートピアでは最近連続失踪事件が起こり
その捜査で忙しいものの、ジュディは小柄なウサギなので戦力外扱いされて1人交通整理ばかりさせられている。ところがひょんなきっかけで
この失踪事件捜査に絡む事になり、仕事中に出会ったケチな詐欺師、キツネの「ニック」を相棒に難事件に挑んでいく。
あからさまにガキ向けかと思いきや、意外に大人の鑑賞に耐え得る設定になってました。舞台は「擬人化した動物界」なんだけど人間の抱える差別感を
そのまま投影させていて…例えば見た目小柄で草食動物のウサギに警察官など勤まる訳がない、という偏見だったり(女性蔑視)
「キツネ=狡賢い信用ならないヤツ」と差別されていたり(人種差別)、「肉食獣=野蛮で横暴」と危険視されたり(容姿蔑視)、人間関係のネガティブ思想が
そのまま動物同士の関係に投影させています。
コレをお子ちゃま達に「差別はよくありませんよ。人を見た目で判断してはいけないのです。まずは心の目を開いて相手を見てみましょう」と啓蒙する訳です。
個人的にジュディのキャラが今一つ好きになれないんだわね^^;
正義感タップリで努力家なのは認めるけど、何ていうのかなー…鼻に付く、て言うのか?(コラコラ
一旦事件解決するんだけど、キツネのニックに散々世話になっておきながら「肉食獣が野生化したら怖えぇーよ」みたいな会見するってどーよ?
そんな事言ったら街が大混乱するの分かり切ってるぢゃねーか(イライラ)みたいなね。お前ノータリン過ぎるだろもーちょっと考えて発言せぇーや!となw
まあいいんだ。失敗しても、それを自分でちゃんと認めて反省してごめんなさいが言える子になりましょうね!っていう話だし。うん。
ディズニー映画らしい、きちんと作り込んだ話ですよ。子供に見せて損はない。
ところで、某巨大掲示板のまとめサイトで見付けて大笑いした画像…勝手にお借りしちゃいましたけど。
題して「リアル ズートピア」
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
現実はそりゃそーだよな。うん。こんなもんだw
「ヘイル、シーザー!」
現在まだ公開中?少なくとも名古屋では既に公開終了してるよ。観に行こうかなーどーしよっかなーと思ってる間にあっという間に公開終了してたわ^^;
監督はオスカー常連のコーエン兄弟。ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、レイフ・ファインズ他、日本でも知名度の高い
ハリウッドスターをバンバン惜しげもなく投入してるんだけど…
設定は1951年、映画黄金期のハリウッド。主人公のマニックス(ジョシュ・ブローリン)は映画製作会社で働く「何でも屋」
社運を賭けた超大作映画「ヘイル、シーザー!」の撮影中に主人公のウィットロック(ジョージ・クルーニー)が何者かに誘拐されてしまう。
事件解決を任されたマニックスの前にスキャンダルを起こした若手女優や西部劇から都会の洗練された恋愛ドラマの主演に抜擢した南部訛りの強い役者、
ゲイの監督、双子の雑誌記者等様々な人が絡んで次から次へと起こる小さな出来事を解決していく。
色んな事が矢継ぎ早に起こるんだけど、ある映画製作会社の何でも屋さんに降り掛かったたった1日(~1日半)のある日の出来事を描いている訳ですな。
映画人(制作者側)の舞台裏のゴタゴタをバラバラとエピソードを繋げて見せて行く娯楽作品。喜劇なんだけど正直自分はそんなに笑えなかった。
多少ハリウッド映画史を理解していないと何が何やら分からないのではなかろうかと。
そもそも本作の舞台の1951年と言えば赤狩り真っ盛りの頃ですから、誘拐事件のくだりはそこんとこをおちょくってるんだろうと推察。
潜水艦が出て来た時は「をい、やり過ぎだろw」と思ったけどね。そしてジョージ・クルーニーは上手いな。
ビンタつられまくってすっげー情けない表情でアワアワしてる顔なんて可愛過ぎてフイたわw
あと、レイフ・ファインズ(監督役)と訛りまくってる大根役者のアルデン・エーレンライクの掛け合いが多分本作一番の笑いドコロだろうと。
スカ子も可愛いよねー。すっげーハスッパでゲスなキャラが「皆が求めてるスカ子像」そのまんまだわ。キャスティング上手いな。
劇中劇が意外に丁寧に撮られてて、やけにこだわってるのは感じる。ミュージカルシーンとか唐突だけど見応えあって面白かったし。
でもなー。なんだろ?「映画通の方だけお楽しみ下さい」みたいなハードルの高さを感じるよ。
コーエン兄弟も散々映画会社稼がせてあげたんだから、たまには興行収入度外視の俺達のこだわりだけの娯楽映画撮らせろや、て事でしょうか。^^;
「orange-オレンジ-」
NHKの朝の連ドラ「まれ」の主人公コンビ「山﨑賢人君×土屋太鳳ちゃん」が再びタッグを組んだファンタジー青春群像劇。
コミックが原作らしいです。原作未読。自分NHKの朝ドラ全く見てない人なのでこの2人にもなーんの思い入れもなく(苦笑)
高校2年の始業式の日、「高宮菜穂(土屋太鳳)」の元に届いた手紙の差出人は「10年後の自分」だった。
そこには26歳になった自分が後悔している事が綴られていた。それはこの日出会う転校生の「翔(山崎賢人)」の事を好きになるが
翔は1年後に死んでしまう事、それを何とかして救って欲しい事等が書かれていた。始めは誰かのイタズラだろうと思っていた菜穂だが
手紙に書かれている通りの事が次々と起こる事から、手紙が本物なのではないか、自分は手紙の通りに行動するべきではないかと思い始める。
暗い。←なにいきなりw
いやもっとラブストーリー寄りのふわふわ系ファンタジーかと思ってたんだけど(予告編を観た頃は)結構ヘビーな内容だったわ。
もう公開終了してる作品だからバンバンにネタバレして行くけど翔のおかんは長年うつ病の末に病院に連れてってくれと頼んだものの
息子の翔に無碍に断られた事から自死してしまう。いきなり重た過ぎるだろーよ(薄涙)
母親の自死が翔の心に澱のように凝り固まっていて、結局彼もまた自死を選択するのだ…ヲイヲイヲイ、暗いよ暗過ぎるよ><
という訳で、26歳の菜穂は10年前の翔に出会った時の自分に向けて「後悔のない選択をして欲しい」と手紙を綴ったのである。
土屋太鳳ちゃん演じた「菜穂」のキャラが…正直苦手なタイプなんだなー。
モジモジウジウジしてていっつもグループの一番最後に俯いて着いて来る子。何ていうか…優しくて思い遣りのある私、みんなの犠牲になっても
平気だよ!(チラッチラッ)みんなが幸せになれるなら、私は我慢するから本当に大丈夫だよっ!(チラッチラ)みたいな臭いを感じるタイプなんだなー。
苦手なんだこーゆー「察してちゃんタイプ」っての?^^;
菜穂を陰ながら支える同級生を演じた「竜星涼君」が良かった。山崎賢人君は今正に飛ぶ鳥を落とす勢いでバンバン露出してますね。
可愛い顔してるなーこんな息子が居たらおばちゃん毎日楽しかったろうなー…みたいな、なw
ところで劇中に出て来たタイムパラドックスネタ…結局パラレルワールドがもう1つ出来た、という事でオケなのか?
結局は手紙を書いた26歳の菜穂の世界はそのままという解釈かな?
実は…機内上映が最後の5分位残して終わってしまったのだなwwwあ、交通事故のくだりまでは観れてますけど最後の最後が観れなかったんだ(滝汗)