「罪の声」
塩田武士氏著の同名タイトル小説の実写映画化。
実は本作の原作小説本は先に買ってあったんだけど、小説読むか映画観るかどっち先にしようかすんげー迷って…敢えて映画先に観ました。よって原作未読で鑑賞。
あらすじ
新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、昭和最大の未解決事件の真相を追う中で、犯行グループがなぜ脅迫テープに男児の声を吹き込んだのか気になっていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)が父の遺品の中から見つけたカセットテープには、小さいころの自分の声が録音されていた。その声は、かつて人々を恐怖のどん底に陥れた未解決事件で使用された脅迫テープと同じものだった。(Yahoo!Movieから丸パク)
本作は昭和の未解決事件ベスト3(←なんかこの書き方はちょっと違うか…)に今も数え上げられる迷宮入り事件「グリコ・森永事件」が下敷きになっています。
当時学生だったので連日ニュースで大騒ぎになっていたのは勿論記憶にあります。グリコの社長が誘拐されたのに自力で脱出したとかなんだよこのドラマ!みたいなねw
その後も約2年弱位?グリコだけでなく森永からさまざまな食品メーカーが脅迫されて身代金要求が何度もあったものの、結局一度も犯人が現れる事がなく、まあ犯人が現れないんだから現金が奪われる事もなく、その内脅迫も毒入りお菓子騒動もなくなってなんとなーく収束していった…みたいな記憶。
で、コレは当時の報道を覚えていなかったのか当時はマスコミが明らかにしていなかったのか?定かではありませんが(←だったらちょっと調べろよw)
実際の事件でも身代金要求の脅迫に子供の声が使われていたんだそうです。だから間違いなく今もその声の持ち主は生きていらっしゃる事でしょう。
…という訳で、本作はそんな「日本中を震撼させた大事件に自分の声を使われた人のその後と、その声を追いかける記者、そしてあの事件の真相は?」という、何とも物凄く壮大なネタがてんこ盛りのサスペンス作品になっています。だからだろーけど邦画にしては割と長尺で、上映時間2時間越の142分。
いやね、いい映画だねコレは。
久し振りに映画館で唸ったわね「ほほーん!」って←唸りにしては軽すぎて草
話はあの昭和の未解決事件を新聞記者サイドからの取材と、実際に自分の声があの事件で使われていた事に気付いた本人が「何故自分の声が使われているのか?」という真相を探し出すべく素人ながらもコツコツこの事件に関わっているであろう人々に話を聞いて本事件に迫っていく、という2方向からのアプローチで繰り広げていきます。
基本は小栗君演じる新聞記者の「阿久津」の取材の方がメインなんですが(勿論プロだから取材アプローチから情報引き出すのも上手い訳だし)、星野源さん演じる「幼い頃の自分の声を大事件に使われていた事に気付いた男・曽根」が素人ながらも真摯に事件に向き合って真相を探ろうとしていく姿にもグッと来るモノがあります。
そして1つずつヒントを手繰り寄せながらある時点でようやく阿久津と曽根が交差する。
お2人共本当にお上手だったと思います。て言うか、本作物凄く登場人物が多くて(事件関係者から記者等かなりの人数登場しますしね)大物俳優がジャンジャン垂れ流しに使われているんですが、どの方も本当にいぶし銀の演技しまくってて久し振りに肉厚で「役者がガチに本気出したヤツ!」っていうのを観た気がします。
事件の真相については…
もしかしたら本当に本作で描かれていた真相が真実だったのではないか、と思わずには居られませんでした。
というか、きっと原作者の塩田氏も本事件を相当取材されて考え抜いた末にこの真相に辿り着かれたのではないか?と思わずにはいられません。
逆にこの真相以外のオチって有り得るのか?と思える程、当時の事件の記録と照らし合わせると何もかもがスッと胸に落ちる着地点だったと思います。
そして問題の「犯罪に自分の声を使われた子供達のその後」
まあ1人は星野源さんが演じている「オーダースーツの仕立屋・曽根」ですが、残りの2人の姉弟のその後が…
余りに切なくて…どうして大人達の都合でこんなに悲しい人生を送らなければならなかったのか、と思うとフと頭をよぎる。
「実際にグリコ・森永事件で使われた子供の声の持ち主の現在は?」と。
映画は一応それなりの着地点を用意していましたが、実際の「罪の声」の持ち主達は今何処でどんな人生を歩んでいるのでしょうか。
そしてあの事件の犯人は、今何処で何を思って生きているのでしょうか。多分犯人も「罪の声」の持ち主も病気や事故に遭っていなければ間違いなく今も存命でしょう。
彼らは今何を思って生きているのか…ここまで思いを馳せる作品に出会ったのは本当に久し振りです。
原作小説は未だ読んでいませんが、改めて当時の事を思い出しながらこれから読んでみようと思います。本作を観て本当に良かった。
塩田武士氏著の同名タイトル小説の実写映画化。
実は本作の原作小説本は先に買ってあったんだけど、小説読むか映画観るかどっち先にしようかすんげー迷って…敢えて映画先に観ました。よって原作未読で鑑賞。
あらすじ
新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、昭和最大の未解決事件の真相を追う中で、犯行グループがなぜ脅迫テープに男児の声を吹き込んだのか気になっていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)が父の遺品の中から見つけたカセットテープには、小さいころの自分の声が録音されていた。その声は、かつて人々を恐怖のどん底に陥れた未解決事件で使用された脅迫テープと同じものだった。(Yahoo!Movieから丸パク)
本作は昭和の未解決事件ベスト3(←なんかこの書き方はちょっと違うか…)に今も数え上げられる迷宮入り事件「グリコ・森永事件」が下敷きになっています。
当時学生だったので連日ニュースで大騒ぎになっていたのは勿論記憶にあります。グリコの社長が誘拐されたのに自力で脱出したとかなんだよこのドラマ!みたいなねw
その後も約2年弱位?グリコだけでなく森永からさまざまな食品メーカーが脅迫されて身代金要求が何度もあったものの、結局一度も犯人が現れる事がなく、まあ犯人が現れないんだから現金が奪われる事もなく、その内脅迫も毒入りお菓子騒動もなくなってなんとなーく収束していった…みたいな記憶。
で、コレは当時の報道を覚えていなかったのか当時はマスコミが明らかにしていなかったのか?定かではありませんが(←だったらちょっと調べろよw)
実際の事件でも身代金要求の脅迫に子供の声が使われていたんだそうです。だから間違いなく今もその声の持ち主は生きていらっしゃる事でしょう。
…という訳で、本作はそんな「日本中を震撼させた大事件に自分の声を使われた人のその後と、その声を追いかける記者、そしてあの事件の真相は?」という、何とも物凄く壮大なネタがてんこ盛りのサスペンス作品になっています。だからだろーけど邦画にしては割と長尺で、上映時間2時間越の142分。
いやね、いい映画だねコレは。
久し振りに映画館で唸ったわね「ほほーん!」って←唸りにしては軽すぎて草
話はあの昭和の未解決事件を新聞記者サイドからの取材と、実際に自分の声があの事件で使われていた事に気付いた本人が「何故自分の声が使われているのか?」という真相を探し出すべく素人ながらもコツコツこの事件に関わっているであろう人々に話を聞いて本事件に迫っていく、という2方向からのアプローチで繰り広げていきます。
基本は小栗君演じる新聞記者の「阿久津」の取材の方がメインなんですが(勿論プロだから取材アプローチから情報引き出すのも上手い訳だし)、星野源さん演じる「幼い頃の自分の声を大事件に使われていた事に気付いた男・曽根」が素人ながらも真摯に事件に向き合って真相を探ろうとしていく姿にもグッと来るモノがあります。
そして1つずつヒントを手繰り寄せながらある時点でようやく阿久津と曽根が交差する。
お2人共本当にお上手だったと思います。て言うか、本作物凄く登場人物が多くて(事件関係者から記者等かなりの人数登場しますしね)大物俳優がジャンジャン垂れ流しに使われているんですが、どの方も本当にいぶし銀の演技しまくってて久し振りに肉厚で「役者がガチに本気出したヤツ!」っていうのを観た気がします。
事件の真相については…
もしかしたら本当に本作で描かれていた真相が真実だったのではないか、と思わずには居られませんでした。
というか、きっと原作者の塩田氏も本事件を相当取材されて考え抜いた末にこの真相に辿り着かれたのではないか?と思わずにはいられません。
逆にこの真相以外のオチって有り得るのか?と思える程、当時の事件の記録と照らし合わせると何もかもがスッと胸に落ちる着地点だったと思います。
そして問題の「犯罪に自分の声を使われた子供達のその後」
まあ1人は星野源さんが演じている「オーダースーツの仕立屋・曽根」ですが、残りの2人の姉弟のその後が…
余りに切なくて…どうして大人達の都合でこんなに悲しい人生を送らなければならなかったのか、と思うとフと頭をよぎる。
「実際にグリコ・森永事件で使われた子供の声の持ち主の現在は?」と。
映画は一応それなりの着地点を用意していましたが、実際の「罪の声」の持ち主達は今何処でどんな人生を歩んでいるのでしょうか。
そしてあの事件の犯人は、今何処で何を思って生きているのでしょうか。多分犯人も「罪の声」の持ち主も病気や事故に遭っていなければ間違いなく今も存命でしょう。
彼らは今何を思って生きているのか…ここまで思いを馳せる作品に出会ったのは本当に久し振りです。
原作小説は未だ読んでいませんが、改めて当時の事を思い出しながらこれから読んでみようと思います。本作を観て本当に良かった。