「駆込み女と駆出し男」
井上ひさし氏の時代小説「東慶寺花だより」を映画化したもの。原作未読です。
江戸時代、女からは離縁が言えない法律だった為に離婚したい女性は幕府公認の縁切寺・東慶寺に駆込んで2年間この寺で様々な「修行」をして身を立てて、
2年耐えられたら離縁出来るという決まりがあったそうだ。本作はそんな縁切寺に駆込みたい女性に事前聞き取り調査を行う「御用宿」で居候している
戯作家志望の医者見習い「信次郎(大泉洋さん)」と東慶寺に駆込んだ「訳ありオンナ」達との様々なエピソードを交えて女達の再生を信次郎が手伝い
成長していく様を見せている。
実は本作はまーったくノーチェックで観る気がなかったんだけど(コラコラ)たまたま友達との待ち合わせの前に買い物に行ったら予想以上に早く買い物が終わっちゃって
かなり時間が余ったので「時間潰し」でちょうどいい時間に上映していた作品がコレしかなかったというね^^;
しかも、何故か私が鑑賞した回だけ「日本語字幕付」という回で(耳の不自由な方へのサービスなんでしょうね)
正直言って「うわぁ~字幕ウザそーだけど、コレしか観れる映画ないししゃーないかー(溜息)」って気分で鑑賞する事にしたんですけどね…
コレがー、字幕があって本当に助かったわ!w
映画冒頭から江戸っ子弁で難しい言い回しの長台詞を皆さん物凄いスピードでペラペラペラ~ッと喋る!喋る!よく噛まずにあんなにスラスラ言えるもんだと
感心する程難しい言葉の言い回しの連続で、ぶっちゃけ字幕がなかったら何言ってんだか聞いただけでは意味が分からなかったんじゃないかと思う。
だから結果的に言って私は「日本語字幕付」で大助かりでした。字幕で読みながら役者さんの台詞を聞いていたのですんなり内容が頭に入りましたもん^^
大泉洋さんを主役に据えてる訳ですからコミカルなシーンが無いわけない。
でも時代モノでネタは「縁切りしたいオンナ達」ですからシリアスなシーンもあって当たり前。ここらのバランスは絶妙だったと思います。
笑ってハラハラしてしんみりしてちょっぴり泣ける、そんなバランスの取れたお話だったと思うんですが…ちょっと「盛り過ぎ」な感じは否めません。
一応「駆込み女」の中でも戸田恵梨香さんと満島ひかりさんの2人に特にスポットが当てられていたのですが、他にも想像妊娠してしまう女だったり
女剣士やら幕府の密偵、足抜けしたい元・吉原の遊女等、アッチコッチにエピソードが飛んでどれもこれも大して掘り下げずにネタがどんどん展開して
行くので観ていて凄く忙しい(苦笑)
もう少しエピソードをタイトにして、戸田恵梨香さんと満島ひかりさんの2人のネタを掘り下げた方が話に厚みが出たのでは?と思いましたね。
まあでも、全く期待も何もないニュートラルな状態で鑑賞したのも良かったのかな?なかなか面白い作品でした。
因みに映画館内の観客はほとんどがシニア世代…まー時代モノだから仕方ないんだけどね、本作若い人が観てもきっと楽しめると思いますよ~
「イニシエーション・ラブ」
乾くるみ氏著のベストセラー小説を映画化。またしても原作未読~。
でも本作、どうやらラストのオチが原作とは違うらしいとか…だったらもう全く違う作品なんぢゃねーのか?と思うのは私だけなのか!?^^;
舞台は1980年代後半の静岡。大学4年の「鈴木」はデブで冴えない男。ある日人数合わせで呼ばれた合コンで歯科衛生士の「マユ」と出会い一目惚れする。
愛くるしく華やかなマユに少しでも似合う男になりたいと、服装や髪形を変えて「男磨き」に必死になる鈴木。すると何とマユの方も自分にまんざらでも
なさそうな…果たして告白は成功し、晴れてカップルになった鈴木とマユ。鈴木は他人から「あのカップル不釣り合いだ」と後ろ指を指された事で
マユの為にダイエットをすると誓うのだった…
話は「デブで冴えない鈴木」がカワイコちゃんのマユと出会ってからお付き合いする事になるまでを見せる「Side:A」と、大学卒業後に地元企業に就職したものの
力量を見込まれて東京に転勤になってしまった鈴木とマユの遠距離恋愛を見せる「Side:B」の二部構成になっている。
因みに本作は「衝撃のラスト5分間」だの「絶対に2度観たくなる」だの散々煽ってますよね。本編が始まる前に冒頭字幕で「本作を見て映画館を出た後に
まだ観ていない人にオチは絶対に話さないで下さい」というキャプションまでご丁寧に流れます。
だから…ココにもオチに絡む事がなかなか書けないからレビュー書くドコロぢゃねーよ!って感じなんですが^^;
まず、「Side:A」を観てる時には何とも思わずに「鈴木ー!早く松田翔太君になってくれー」「あっちゃん可愛いやん!」程度で観てたんですが
問題は後半の「Side:B」に入ってから…何て言うのかね、ちょいちょい「ん?」「あれ?」という違和感のあるシーンがあるんですよ。
その違和感が…ココで書くとネタバレになってしまうので書けない訳ですが(苦笑)、とにかく「とあるモヤモヤ感」がある訳です。
でもそのモヤモヤがオチにどう繋がるのかが全く見えて来なかった。だからラスト5分の「種明かしシーン」で「ぬおぉぉぉぉ!」ってなったわ。
アレだね、思いっきり制作側の意図に乗っかっちゃってるねw
よくよく考えると結構簡単なトリックだったのに……って、←コレも書いちゃマズいかな?^^;
舞台が80年代後半って事で、とにかく自分は思いっきり時代ド真ん中世代だから何見ても懐かしくて懐かしくてw
多分あっちゃん目当てのイマドキの若いヤツらには何のこっちゃ分からないだろーと思われるので、映画ラストのスタッフテロップが流れる所で
劇中に登場した「80年代アイテム」の説明が流れます。んでド真ん中世代はそれ見てまたほっこりするというネ^^
コレ、多分原作未読の人が観た方が圧倒的に楽しめるんだろーなー。私は大して期待してなかった分、かなり楽しませて貰えましたね。
「チャッピー」
個人的に大ウケした「エビちゃん映画」こと「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督の最新作。
またしても舞台がヨハネスブルグだ。この監督さんどんだけ南アフリカ共和国が好きなんだよw……と思ってちょっと調べたら、何と南ア出身だった^^;
話は超近未来(2016年)のヨハネスブルグ、世界一治安の悪いこの都市は世界で初めて「警察ロボット」の導入を発表。
南アにあるロボット企業でこのロボットを開発したディオンは、密かに「人間と同じように感情を持ち成長する、完全なるAI(人工知能)」の開発を進めていたが
AIロボット開発を社長に一蹴されたディオンは廃棄予定の警察ロボットを1体密かに持ち帰り、そのロボットにAIを搭載させようとするが…
「第9地区」の時から思ってたけど、ブロムカンプ監督って何て言うか…どことなく脱力した展開というか、間が抜けてると言うのか
要するに私的には超誉め言葉のつもりなんだけど「大いなるバカバカしいB級臭」が漂う作風なんですよね。
開発者のディオンは完璧なAI開発に成功したものの、いざコソーリ廃棄予定のロボットを盗み出して自宅でAI搭載実験をしようとホクホク帰って来たら
タチの悪いギャング団に誘拐されてAIロボットをギャング達の味方になるように育てろと脅されてしまう。挙句AIロボットに「チャッピー」なんて間抜けな
名前まで勝手に付けられて正に踏んだり蹴ったり(苦笑)
ところで面白い事に、最初AI搭載→起動したばかりの頃は当然だけど何も学習していないので赤ちゃんと同じような状態なんだけど、基本オツムは人間よりも
うーんと出来がいいので学習速度が段違いに早い。ものの数日でそこらのサイエンティスト顔負け状態に覚醒w
話は最初「人間主導」で進んでいるんだけど、チャッピーの成長と共にいつの間にか展開のイニシアチブをチャッピーが握っている。
チャッピーは感情を持ち合わせているのでディオンを自分を生み出してくれた「創造者」として認識してリスペクトはしているものの、
基本的に出来た当初からギャング団達が色々あくどい事をチャッピーに教え込んでるので、「感情的な絆」としてはディオンではなく
ギャング団との繋がりの方が深い、という逆転現象w
本作、ディオンのライバル研究者でどす黒い根性のヒール役に…なんとヒュー・ジャックマンが演じられています!
アナタ程のカリスマ俳優がこんなヒール役をわざわざ演じる必要があるのですかっ!?と小一時間問いたい。問いたいトコロだけど、もしヒューが出演して
なかったら、もしかしたら本作は日本で配給付かなかったかもしんないわな^^;
因みにロボット企業の社長役はシガニー・ウィーバーよ。またムダに大物ぶっ込んで来たわね。ヒューと合わせて客寄せパンダ係か?そーなのか!?
見どころのアクションシーン等もコマメに入れ込んでいたり、なかなか迫力のある絵作りもしています…が、やっぱりB級臭くて味があるんだよねぇ~♪
クライマックスからラストまでの展開も、私かなり好きですよ!この監督さんとはとことん肌が合うんだろうなーと思いましたワ!
井上ひさし氏の時代小説「東慶寺花だより」を映画化したもの。原作未読です。
江戸時代、女からは離縁が言えない法律だった為に離婚したい女性は幕府公認の縁切寺・東慶寺に駆込んで2年間この寺で様々な「修行」をして身を立てて、
2年耐えられたら離縁出来るという決まりがあったそうだ。本作はそんな縁切寺に駆込みたい女性に事前聞き取り調査を行う「御用宿」で居候している
戯作家志望の医者見習い「信次郎(大泉洋さん)」と東慶寺に駆込んだ「訳ありオンナ」達との様々なエピソードを交えて女達の再生を信次郎が手伝い
成長していく様を見せている。
実は本作はまーったくノーチェックで観る気がなかったんだけど(コラコラ)たまたま友達との待ち合わせの前に買い物に行ったら予想以上に早く買い物が終わっちゃって
かなり時間が余ったので「時間潰し」でちょうどいい時間に上映していた作品がコレしかなかったというね^^;
しかも、何故か私が鑑賞した回だけ「日本語字幕付」という回で(耳の不自由な方へのサービスなんでしょうね)
正直言って「うわぁ~字幕ウザそーだけど、コレしか観れる映画ないししゃーないかー(溜息)」って気分で鑑賞する事にしたんですけどね…
コレがー、字幕があって本当に助かったわ!w
映画冒頭から江戸っ子弁で難しい言い回しの長台詞を皆さん物凄いスピードでペラペラペラ~ッと喋る!喋る!よく噛まずにあんなにスラスラ言えるもんだと
感心する程難しい言葉の言い回しの連続で、ぶっちゃけ字幕がなかったら何言ってんだか聞いただけでは意味が分からなかったんじゃないかと思う。
だから結果的に言って私は「日本語字幕付」で大助かりでした。字幕で読みながら役者さんの台詞を聞いていたのですんなり内容が頭に入りましたもん^^
大泉洋さんを主役に据えてる訳ですからコミカルなシーンが無いわけない。
でも時代モノでネタは「縁切りしたいオンナ達」ですからシリアスなシーンもあって当たり前。ここらのバランスは絶妙だったと思います。
笑ってハラハラしてしんみりしてちょっぴり泣ける、そんなバランスの取れたお話だったと思うんですが…ちょっと「盛り過ぎ」な感じは否めません。
一応「駆込み女」の中でも戸田恵梨香さんと満島ひかりさんの2人に特にスポットが当てられていたのですが、他にも想像妊娠してしまう女だったり
女剣士やら幕府の密偵、足抜けしたい元・吉原の遊女等、アッチコッチにエピソードが飛んでどれもこれも大して掘り下げずにネタがどんどん展開して
行くので観ていて凄く忙しい(苦笑)
もう少しエピソードをタイトにして、戸田恵梨香さんと満島ひかりさんの2人のネタを掘り下げた方が話に厚みが出たのでは?と思いましたね。
まあでも、全く期待も何もないニュートラルな状態で鑑賞したのも良かったのかな?なかなか面白い作品でした。
因みに映画館内の観客はほとんどがシニア世代…まー時代モノだから仕方ないんだけどね、本作若い人が観てもきっと楽しめると思いますよ~
「イニシエーション・ラブ」
乾くるみ氏著のベストセラー小説を映画化。またしても原作未読~。
でも本作、どうやらラストのオチが原作とは違うらしいとか…だったらもう全く違う作品なんぢゃねーのか?と思うのは私だけなのか!?^^;
舞台は1980年代後半の静岡。大学4年の「鈴木」はデブで冴えない男。ある日人数合わせで呼ばれた合コンで歯科衛生士の「マユ」と出会い一目惚れする。
愛くるしく華やかなマユに少しでも似合う男になりたいと、服装や髪形を変えて「男磨き」に必死になる鈴木。すると何とマユの方も自分にまんざらでも
なさそうな…果たして告白は成功し、晴れてカップルになった鈴木とマユ。鈴木は他人から「あのカップル不釣り合いだ」と後ろ指を指された事で
マユの為にダイエットをすると誓うのだった…
話は「デブで冴えない鈴木」がカワイコちゃんのマユと出会ってからお付き合いする事になるまでを見せる「Side:A」と、大学卒業後に地元企業に就職したものの
力量を見込まれて東京に転勤になってしまった鈴木とマユの遠距離恋愛を見せる「Side:B」の二部構成になっている。
因みに本作は「衝撃のラスト5分間」だの「絶対に2度観たくなる」だの散々煽ってますよね。本編が始まる前に冒頭字幕で「本作を見て映画館を出た後に
まだ観ていない人にオチは絶対に話さないで下さい」というキャプションまでご丁寧に流れます。
だから…ココにもオチに絡む事がなかなか書けないからレビュー書くドコロぢゃねーよ!って感じなんですが^^;
まず、「Side:A」を観てる時には何とも思わずに「鈴木ー!早く松田翔太君になってくれー」「あっちゃん可愛いやん!」程度で観てたんですが
問題は後半の「Side:B」に入ってから…何て言うのかね、ちょいちょい「ん?」「あれ?」という違和感のあるシーンがあるんですよ。
その違和感が…ココで書くとネタバレになってしまうので書けない訳ですが(苦笑)、とにかく「とあるモヤモヤ感」がある訳です。
でもそのモヤモヤがオチにどう繋がるのかが全く見えて来なかった。だからラスト5分の「種明かしシーン」で「ぬおぉぉぉぉ!」ってなったわ。
アレだね、思いっきり制作側の意図に乗っかっちゃってるねw
よくよく考えると結構簡単なトリックだったのに……って、←コレも書いちゃマズいかな?^^;
舞台が80年代後半って事で、とにかく自分は思いっきり時代ド真ん中世代だから何見ても懐かしくて懐かしくてw
多分あっちゃん目当てのイマドキの若いヤツらには何のこっちゃ分からないだろーと思われるので、映画ラストのスタッフテロップが流れる所で
劇中に登場した「80年代アイテム」の説明が流れます。んでド真ん中世代はそれ見てまたほっこりするというネ^^
コレ、多分原作未読の人が観た方が圧倒的に楽しめるんだろーなー。私は大して期待してなかった分、かなり楽しませて貰えましたね。
「チャッピー」
個人的に大ウケした「エビちゃん映画」こと「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督の最新作。
またしても舞台がヨハネスブルグだ。この監督さんどんだけ南アフリカ共和国が好きなんだよw……と思ってちょっと調べたら、何と南ア出身だった^^;
話は超近未来(2016年)のヨハネスブルグ、世界一治安の悪いこの都市は世界で初めて「警察ロボット」の導入を発表。
南アにあるロボット企業でこのロボットを開発したディオンは、密かに「人間と同じように感情を持ち成長する、完全なるAI(人工知能)」の開発を進めていたが
AIロボット開発を社長に一蹴されたディオンは廃棄予定の警察ロボットを1体密かに持ち帰り、そのロボットにAIを搭載させようとするが…
「第9地区」の時から思ってたけど、ブロムカンプ監督って何て言うか…どことなく脱力した展開というか、間が抜けてると言うのか
要するに私的には超誉め言葉のつもりなんだけど「大いなるバカバカしいB級臭」が漂う作風なんですよね。
開発者のディオンは完璧なAI開発に成功したものの、いざコソーリ廃棄予定のロボットを盗み出して自宅でAI搭載実験をしようとホクホク帰って来たら
タチの悪いギャング団に誘拐されてAIロボットをギャング達の味方になるように育てろと脅されてしまう。挙句AIロボットに「チャッピー」なんて間抜けな
名前まで勝手に付けられて正に踏んだり蹴ったり(苦笑)
ところで面白い事に、最初AI搭載→起動したばかりの頃は当然だけど何も学習していないので赤ちゃんと同じような状態なんだけど、基本オツムは人間よりも
うーんと出来がいいので学習速度が段違いに早い。ものの数日でそこらのサイエンティスト顔負け状態に覚醒w
話は最初「人間主導」で進んでいるんだけど、チャッピーの成長と共にいつの間にか展開のイニシアチブをチャッピーが握っている。
チャッピーは感情を持ち合わせているのでディオンを自分を生み出してくれた「創造者」として認識してリスペクトはしているものの、
基本的に出来た当初からギャング団達が色々あくどい事をチャッピーに教え込んでるので、「感情的な絆」としてはディオンではなく
ギャング団との繋がりの方が深い、という逆転現象w
本作、ディオンのライバル研究者でどす黒い根性のヒール役に…なんとヒュー・ジャックマンが演じられています!
アナタ程のカリスマ俳優がこんなヒール役をわざわざ演じる必要があるのですかっ!?と小一時間問いたい。問いたいトコロだけど、もしヒューが出演して
なかったら、もしかしたら本作は日本で配給付かなかったかもしんないわな^^;
因みにロボット企業の社長役はシガニー・ウィーバーよ。またムダに大物ぶっ込んで来たわね。ヒューと合わせて客寄せパンダ係か?そーなのか!?
見どころのアクションシーン等もコマメに入れ込んでいたり、なかなか迫力のある絵作りもしています…が、やっぱりB級臭くて味があるんだよねぇ~♪
クライマックスからラストまでの展開も、私かなり好きですよ!この監督さんとはとことん肌が合うんだろうなーと思いましたワ!