保津川下りの船頭さん

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ナイチン主宰の「I.P.P.P(イッピー)」上映会を観てきました。

2010-02-16 09:13:19 | 映画・芸能界
自主制作映画の振興と提供を行う「I.P.P.P(イッピー)」の第二回上映会が14日、
京都市西京区にある「京都西文化会館・ウエスティ」で開催され、鑑賞して参りました。

「I.P.P.P(イッピー)」とはインディペンデント・プログラム・ピクチャー・プロジェクト
(independent program picture project)の略で、このブログでもよく登場している
ナイチンこと俳優の内藤和也さん(浜省の会・会員)が代表を務める上映企画団体です。

大作だけが日の目をみる今の映画界の中で、埋もれていく自主映画に、発表の機会を
提供し、撮影技術や演技表現の継承と育成を目的に組織されました。

一回の上映会で発表されるのは3作品。
ぴあのフイルムフェスティバルで入賞経験のある横田丈実監督作品
「天使のゆげ」。

マジシャンでもあるアカツキサトシプロデュース作
「magick]

東映京都の俳優でもある入江毅監督作の時代劇
「遠犬山」

どの作品も低予算にものかかわらず、構成やカメラワーク、挿入されているBGMの
併せ方もしっかりしており、ストーリも制作者の主張がさり気なく反映されているため、
観終わってから、ボディブローの様に心がざわめく感覚は昔の映画に感じたもの。
完成度の高さは、自主制作映画に持っていた既成概念を覆すに十分な出来ばえでした。


閉会の挨拶で代表の内藤和也さんは
「大作ばかりが上映される今の映画環境の中、低予算でも情熱と工夫で内容のある
『いい映画』はたくさんあるもの。そんな映画作品を一本でも、多くの映画ファンの
目に触れる機会を提供することが、映画人としての自分の使命」と熱く思いを語り、
今後の支援を来客に強く訴えられました。映画にこだわり、人生を賭け演じる
ナイチンらしい熱いスピーチでした。

ナイチンもそうですが、僕らが映画に初めて触れた少年時代、まちの『映画館』では、
通常値段で3本立て映画が観られたり、上映後の入れ替えもなく何度でも繰り返し
映画が観れた時代でした。少ない小遣いの中、なんとも得した気分になり、一日中
映画館にいたものです。

レンタル産業のDVD化に伴い鑑賞者の劇場離れから昔ながらの映画館は姿を消し、
映画は、複合集約施設型のシネマ・コンプレックスへと上映スタイルを変えました。
最新映像技術を駆使した高予算の大作などが次から次へとタイトスケジュールの中、
消費されていくだけの現在の映画界。

昔の「映画館」。あの足を縮めながらお尻の座りの悪い椅子で観た、
素朴だけど生涯忘れることができない、心に残る作品との出会いを知る
一映画ファンには、なにか淋しい思いがするものです。

そんな映画ファンの思いを大切にし、熱い思いで映画つくりに賭ける制作者とを
繋ぐ「I.P.P.P(イッピー)」にはこれからも頑張ってほしい。

映画が商業主義だけやマネージメントの視点のみで評価されるのではなく、
映像芸術・文化としての価値を高められる様、今後も「I.P.P.P(イッピー)」
とナイチンの活動に注目し応援していきたいです。