ある退職教師のつれづれなるままに

38年間の教職26.3.31退職
4月1日再任用。自分の目でみたこと感じた事など
つれづれなるままに記します。

2023-10 沢木耕太郎「天路の旅人」

2023年01月15日 | 日記
沢木耕太郎氏が25年かけて書き上げたという、「天路の旅人」を読んだ。
沢木といえば代表作が「深夜特急」だ。
26歳でアジアからヨーロッパにその地域の路線バスや列車に乗って旅する、旅行記。
当時、多くの若者が影響を受けた本だ。ドラマ化もされた。

自分もその一人で、若い頃、インドに旅した。
バスでの移動は時間通りではなかった。途中、牛が車道を歩くと通り過ぎるまで待ったりして
宿泊する場所には数時間遅れて到着。ガンジス川での葬儀は強烈な思い出として記憶に残っている。
ガンジス川の流域で死者を弔うのに、高くたきぎが組まれ、そこで亡くなった人を火葬にしていた。
また、水葬で亡くなったかたが流されていたり、
また、ある場所では体を清める意味で、沐浴していたり、混沌としていた。
とにかく、ガンジス川は聖なる川なのであった。
旅行中、お腹をこわしてこともあった。しばらく休んで事なきを得たのだが。
旧ニューデールのバザールが人が多くて活気があった。
パック旅行とは違った魅力ある旅だった。

それで「天路の旅人」を読んだのだ。主人公は西川一三。戦時中に中国でスパイ活動を行い、終戦直後の逃避行。
そこから25歳でチベットではラマ僧になったりヒマラヤを6回越えアジアへ8年の旅をして日本に帰国した実在する人の旅行記である。
今でいうと登山家のアスリートや冒険家という方かもしれない。
その西川さんが日本に帰国して盛岡市内で卸しの化粧品店をしながら89歳で亡くなるまで住んでいたというのだ。
こんな近くにそんな稀有な方がいたとは。・・
十分旅を満喫した彼は、日々の質素な暮らしを楽しんでいたという。
何か達観したような生き方に感銘受けたものだ。


コメント
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