貸本マンガ誌に掲載された作品群である。画風はまだ定まっていないが絵は上手い。アイディアで一気に描いたような作品が多い。それなりに面白い。腹話術師は覚えているが、他の作品は覚えていない。多分忘れたのだろう。後のつげ義春の作品からはかなり遠い。生活のために描いているのも伝わってくる。後年、生計をアシスタントで立て寡作になっていく原点がここにあるのかもしれない。作品群にあまり価値はない。だけど、つげ義春を知るためには通らなければならない通路である。私もこの頃から、貸本マンガ誌から離れだしている。江戸川乱歩に耽溺していった頃だ。貸本屋の乱歩は全て読んだ。1966年「沼」で画風も世界も落ち着く。[沼]は鮮明に覚えている。