140頁にわたる長い総角(あげまき)の巻を読み終えました。薫と姉姫の壮絶(よく使うなあ……)な恋が語られます。それも最後まで二人は男女の仲になっていません。姉姫はそれを拒み続けます。濃密な死の匂いさえする恋愛です。これまでの物語とかけ離れた世界です。宇治十帖の作者別人説が出るのももっともだと思います。でも、紫式部が書いたと私は思います。物語の天才が同時代に二人も出るとは思えないのです。清少納言みたいな才女はいたかもしれませんが。各巻の前に至極簡単なあらすじがついていますが、これからは読まないようにしようと思いました。物語を楽しもうと思います。