「多甚古駐在記」井伏鱒二。「皮膚と心」太宰治。「朝霧」永井龍男。「愛玩」安岡章太郎。「男と九官鳥」遠藤周作。「不意の出来事」吉行淳之介。珠玉の短篇小説が一挙に読める。
読者冥利である。
存命の作家が一人もいないのが淋しくもあるが……。「どうなるのだろう」という興味が最後のページまで私を引っ張っていく。そして読後の充足感。どれも素晴らしいが敢えてあげれば、「朝霧」と「男と九官鳥」が私の心に強く残った。「男と九官鳥」の最後の言葉「マ・ヌ・ケ」が何日も頭の中から消えなかった。
もう一つ最後まで読んだ小説があった。「ナナフシ」・島田奈穗子著である。ー2013年同人雑誌優秀作ーというタグがついている。登場人物の中で「恋人」に興味を持った。女に優しく、こまめで、中身がない。こんなのいるよなあ。
終わりの部分は作者が少し怖くなった。


もう一つ最後まで読んだ小説があった。「ナナフシ」・島田奈穗子著である。ー2013年同人雑誌優秀作ーというタグがついている。登場人物の中で「恋人」に興味を持った。女に優しく、こまめで、中身がない。こんなのいるよなあ。
