創作日記&作品集

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「枕草子」考 1 「をかし」と「あはれ」

2015-10-28 11:04:09 | 枕草子
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―枕草子を現代語訳しながらいろいろ考えたことです―
「枕草子」には約五百の「をかし」の言葉があります。「をかし」の文学と言われる所以でしょう。
「あはれ」は約百三十。これも少なくはありません。
私は、
「をかし」は+の感動→ 面白い 楽しい 素敵だ等。
「あはれ」は-の感動→しみじみとする 哀れ 悲しい等。 
二つの言葉とも現代の「可笑しい」、「哀れ」に通じています。
「あはれ」は「六段 上にさぶらふ御猫(おほむねこ)は」に八回繰り返されています。
翁(おきな)丸(まろ)の心情を推し量っての言葉です。
また、皇后定子の描写に「あはれ」を使った例が一箇所あります。
 二百二十三段「御乳母の大輔の命婦、日向へ下るに」 
 御手にて書かせ給へる、いみじうあはれなり
 二百二十二段~二百二十五段は皇后の悲痛な想いが伝わってきます。「をかし」は「いとをかしき薬玉ども」の一箇所だけです。二百二十五段「駅(むまや)は」には「あはれ」が頻発します。
『山の駅は、あはれなりしことを聞きおきたりしに、またもあはれなることのありしかば、なほ取り集めて、あはれなり』