
作品の一言一言が深い意味を持っている。
そしてリズミカルである。
ひらがながおどっている。
小説だから語り得た世界。
タブーを扱いながら、底には人間への深い信頼がある。
きーちゃんの人物紹介
園の入所者。ベッド上のひとつの“かたまり”として存在しつづける。
(略)しかし、かなり自由闊達に(おもう)ことが出来る。
『こころ』がある。(おもう)ことが出来ないものにも、『こころ』がある。
殺人者は『ない』と言う。そして、殺人者はこう言うのだろう。
<きーちゃん、こんばんは! きーちゃんも、こころ、ないよね、おこころ……だれにもないよね>
『人間とは何か?』を真正面から問う傑作。
