『月』・辺見庸著 2 2018-12-10 14:50:58 | 読書 主人公は、のたうちながら生きる「きーちゃん」である。 他の登場人物も存在感がある。 殺人者の「さとくん」は脇役の脇役に過ぎない。 彼の理屈と行為の間には空白がある。 つながらない。 作者は敢えて「さとくん」の影を書こうとしたのだろうか? 犯罪者には、自分もその予備軍かもしれないと、ハッとすることがある。 「さとくん」にはそれがない。 他の登場人物の方がはるかに存在感がある。 『人間とは何か?』に迫っている。 私は、まだこの小説の霧の中にいるようだ。