創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

池窪弘務作品集5 一九九八年(五十二歳)

2021-12-08 14:04:47 | 戯曲
池窪弘務作品集5 一九九八年(五十二歳)
『トランプの家の迷子たち(戯曲) 』
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松竹新喜劇の酒井光子さんをイメージしながら書いた戯曲です。
シナリオ学校の合評会で「吉本だ!」と言われましたが、「松竹新喜劇」です。
お腹がよじれるぐらい笑えます。
自分の書いたもので大笑いする。
幸せな男です。

池窪弘務作品集4

2021-12-07 13:56:26 | 戯曲
池窪弘務作品集4 一九九七年(五十一歳)
『バスが行く(戯曲)』
大阪・劇団コーロ
1997(劇団コーロ)
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戯曲の公募で採用されました。
ラジオドラマより原作に近いです。
と言うより違う作品みたいです。
「おゆうさん」、「六目さん」が登場します。
この頃が私の最盛期かなあ。
と、今から考えると……。

池窪弘務作品集3 一九九五年(四十九歳)

2021-12-05 14:33:32 | ラジオドラマ
池窪弘務作品集3 一九九五年(四十九歳)
『バスが行く(ラジオドラマ)』
1995-09-30(FMシアター)
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入選すればシナリオ依頼が来ると思っていたのは甘かった。
『一人で跳べる』の演出家のS氏を頼ってシナリオを持ち込む日が続いた。
やっと興味を示されたのが『バスが行く』だった。
だけどそれからが長かった。
何度も書き直しが続いた。
「もうやめます」という言葉が何度もでかけた。
シナリオは原形をとどめないぐらいになった。
私は迷路に落ちた鼠みたいだった。
そんなある日言葉が落ちてきた。
初登場する風(ふう)やんの科白である。

音吉「風やんどこ行くんや」
風やん「めばちこできたよって、鶴橋の目医者行くねん」
音吉「お前も白髪が目立ってきたなあ」
風やん「アホは年とらへんのに、言いたいやろ」
平三郎「せやけど、風やんはほんま男前やなあ」
音吉「千代の富士みたいや」
風やん「おおきに」
音吉「それで、しゃべらへんだら、ほんま、ようもてるで」
風やん「こんなとこで、いちびってんと、目医者いこ。あるときは、片目の運転手、そして、その実体は、正義と真実の人、藤村泰造、ばーん、ばーん。はいよシルバー、ローレン、ローレン、ローレン」
うた「気つけていきやあ」
風やん「おおきに、ローレン、ローレン、ローレン(次第に遠ざかっていく)」
ゆめ「えらいこっちゃ、鶴橋行くて言うてたなあ。風やん止めて」
うた「ゆめちゃんどうしたん」
ゆめ「鶴橋で、車にぶっかって、ほんで風やんは」
(ローレン、ローレン、ローレンの小さい声)
音吉「風やん」
うた「自転車が、空を駆け上がっていく」
ゆめ「消えた」
(ローレン、ローレン、ローレンの小さな、小さな声。一拍おいて、大きく、ローハイド)

『バスが行く(ラジオドラマ)』は関西演劇界の四人の重鎮の出演でラジオドラマ化された。





池窪弘務作品集2一九九四年(四十八歳)

2021-12-03 10:36:02 | ラジオドラマ
池窪弘務作品集2一九九四年(四十八歳)
『一人で跳べる(ラジオドラマ)』
1994-01-08(FMシアター)
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全て音のみで書いた。
科白と音のみのドラマである。
すなわちモノローグがない。
不思議にすらすらと書けた。
手応えがあった。
入選した。

前年に友達が亡くなった。
大学の卓球部で四年間一緒だった。
私が部長で彼女が副部長だった。
市民サークルの卓球で、彼女は頭をラケットでこんこんと叩いたと言う。
彼女のよくやる癖だった。
その後倒れたと聞いた。
一度も意識は戻らなかった。
今でも細かい仕種まで思い出す。
男の先輩の烈しいラリーに耐える。
汗が飛ぶ。
病院に駆けつけた時は死の直後だった。
私は卓球に対する興味を失った。

ドラマの主役は長塚京三さん。
オーラがすごかった。
最後の科白がピタッと決まった。
それまで姦しかったスタッフルームも水を打ったように黙った。
「ピアスがキラリと光った」
長塚京三さんはさらっと言った。
私は最初に考えたタイトルが「ピアス」であったことを思い出していた。

池窪弘務作品集1 一九九一年(四十五歳)

2021-12-02 09:53:09 | 戯曲
池窪弘務作品集1 一九九一年(四十五歳)
『胡蝶』
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劇団りゃんめんにゅーろん上演(森ノ宮プラネットステーションホール)

45才
悩んでいた。
文学賞に応募しても一次予選も通らない。
才能が無い。
諦めろ。
仕事も面白くない。
往復三時間の通勤時間。
俺は何をしているのだろう。
虚しく一日一日が通り過ぎていく。
もう45才だ。
選考委員は、年令を見たとたん没。
帰りはパチンコ→立ち飲みで生中(生ビールの中)+土手焼き1本。
また一時間かけて帰る。
ふと夕刊の「大阪シナリオ学校」の記事が目に留まった。
シナリオ?
書いたことがない。小説一辺倒だった。
人見知りの烈しい私は無理だと思った。
だが八方塞がり。
ドアを押した。

『りゃんめんにゅーろん』は大阪シナリオ学校の卒業生が立ち上げた、劇作家たちのプロデュース集団です。
その旗揚げ公演は、公募でした。
選ばれた三作品の中の一つが胡蝶です。
私のデビュー作です。
『大阪シナリオ学校』と『りゃんめんにゅーろん』は今もあります。



駆込み訴え(2)

2021-12-01 10:12:32 | エッセイ
昨日の続きです。
医師への駆込み訴え。*太宰治の『駆込み訴え』は傑作です。
【主訴】
二ヶ月ほど前から体調不良が続いています。
熱や咳などありません。
ただただしんどいのです。
体重も1kg減りました。47.5kgてす。
足の指が痛いです。
非常に疲れやすい。
不眠→朝2時に目が覚める。
一番疑っているのは高血糖です。
定年後15 年間続けていた30分程のウォーキングもテレビ体操も途絶えました。
まず高血糖を疑いました。
*「ものすごく「気にしい」なので主治医と相談して血糖を計るのを止めました。「気にしい」とは、関西弁で「何かと気にしすぎる人」とか「神経質な人」という意味です。
【心配事】
体重減少の原因。尿が濃い。食後がしんどい→高血糖のためではないか。
ビクトーザの効き目が低下(慣れ)しているのではないか。→処方の再考?。
【気になる症状】
瀕尿
足の指が痛い
疲れやすい→高血糖と関係がありますか?
体調がすぐれない→高血糖と体調不良は関係がありますか?
不定愁訴→元気な日が少ない,ほとんどない。
小さくて可愛い主治医は、テキパキと診察を進めました。結論は出ない。
でも、少し心が軽くなる。
帰りに妻と町議の期日前投票を済ませました。
家に帰るとどっと疲れが。
横にならないでじっと耐えている。
風呂に入って寝れば少しは楽になると。
なんの保証もないけれど。
「不定愁訴」だなあ。なんか知らんけど辛い。
*「なんか知らんけど」関西弁です。なんか知らんけど。
こんな状態の果てに、「作品集」を残さなくてはと思いました。75才。何があっても不思議ではない。
CD一枚にまとめるつもりです。
ハードディスクは収拾がつかない状態ですので、CD一枚が僕の作品ですとすれば分かりやすいです。
1991年から30年。
精選した作品を執筆年度順に並べたものです。
ブログにアップロードしようと思ったのは、一人でも、読んでいただけたらと思ったからです。
自画自賛ですけれど、作品はどれも面白いと思います。
作品5の『トランプの家の迷子たち(戯曲)』は今読んでも笑い転げてます。あほですねえ。
近日一作品ずつアップロードします。
乞うご期待。
誰も期待してへんやろけど。
今は体調はかなり戻りました。
ウォーキングとテレビ体操を再開しました。