ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.4.24 第九最後のオケとの合同練習 

2010-04-24 20:22:09 | 合唱
 今日はいよいよ前日のゲネプロを除く最後の練習日となった。
 簡単な発声練習の後、オケあわせ。間に10分ほど休憩をはさみ、本当にあっという間の2時間半。ようやく声が出てきたかな、というくらいで「お疲れ様でした。」になった。当日、合唱団は横1列32人が縦10列のひな壇を作るそうだ。緊張し過ぎなどで体調が悪くなったら絶対我慢しないで袖に下がるか、下の段に、という注意があった。確かに10段目はかなり怖いかもしれない。
 指揮者氏から「それでは体調管理をしっかりと、よろしくお願いします。」とお言葉があり、拍手で合唱団は解散。オケの方たちは残っての練習となった。
 休憩時間に先日ご挨拶したオケの先輩が声をかけてくださった。当日は同級生であった奥様も聞きに来てくださるそうだ。

 今日は往復で1冊読んだ。
 山田昌弘さんの「新平等社会 『希望格差』を超えて」(文春文庫)。前著「希望格差社会」の続編とのことだったが、「ワーキング・プア化する若者、『中流』の崩壊と貧困母子家庭の急増、貧困高齢者の『底抜け』などの具体例を挙げつつ、その処方箋を示す。混迷する現代社会に希望を与える刮目の書」と裏表紙にはあったけれど、努力しても報われない絶望感が随所にちりばめられ、やはりとてつもなく重い内容で何度も何度もため息をついた。「人はプライドで生きる存在であり、単に『食べていけること』ではない。」という筆者の考えには実に同感だ。努力しても小さな希望すら持って生活ができない社会はやはりおかしいと思う。解説は雨宮処凛さん。彼女の実体験に基づく文章には本当に迫力がある。

 書くことが好きだし、自分の治療経験なりその時々のいろいろな思いを伝えておきたいということでブログを始めたけれど、当然のことながら中味がないのにアウトプットだけをし続けることは出来ないので、自然とインプットに力を注ぐことになった。

 今では私の生活の上で大きな柱となっている病気の治療のこと、仕事のこと、子育てのこと、それ以外にもなるべくいろいろなことに興味を持ち、偏らないようにいろいろな分野の気になる本を読む、気になった映画を観るなど、日々わくわくしながら柔らかい心で過ごすこと。その結果、前向きに病気と対峙していける・・・上に書いたそうしたこと全てがそういう生き方の助っ人だ。

 今更のように文章は「読まない」と「書けない」な、と思う。
 こんなことは文章を書く他の方々はとっくにご存知なことなのだろうけれど、恥ずかしながら仕事で書く事務連絡等の文章以外、人様に読んで頂くことを意識した文章をずっと書いてこなかった私は、遅まきながらようやく実感している。

 当然ながら自分の中できちんと課題が整理されていないと、文章がのた打ち回ってしまう。自分では十分わかっていたつもりになっていたことを書いた文章なのに、後から日をおいて読むと、てんでわからない。だから、特にこうして数日に一度アップしている日記で事実を羅列する以外の部分-自分の言いたいことや想いなど-はその時に書きたいと思ったことをそのまま書きなぐってアップすることはしないで、なるべく自分の中で何日か寝かせて熟成するのを待ち、もう一度読み直して、少しでも推敲して書くように努めている。このことが分かってはいても「・・・どうしても書きたい!」と思ったことを勢いで書いてしまって、あとから後悔することもたびたびだ。

 いずれにせよ、書くことは、やはり冷静になって気持ちを整理することだ。書くことで問題が全て解決しなくとも、一度“解放”されるような気がしている。少し客観的になれる、ということだろうか。そう思えるだけでとても幸せなことだと思う。

 「読まない」と「書けない」というのは、人の話をよく「聞けない」と本当の意味で納得いくように「話せない」ということとも通じるのだろうか。

 人前できちんと話すのは子どもの頃から本当に苦手で、あがると天性の早口に拍車がかかってしまう。ゆっくり、ゆっくり、と言い聞かせながら話しても知らず知らずに速くなる。自分で一番話しやすい速さというものが 誰しもあるのではないかと思う。だからあまりに自分にとっての適正速度からかけ離れてしまうと、思考が停止して何を話していたかわからなくなる、という経験を幾度もした。

 そうはいっても毎回あせって前のめりにまくし立てて話すのは絶対良くない、と反省する。これもきちんと自分の中で熟成されていないからだろう。病気になってからはなるべくゆっくり話すことを心がけるように意識しているつもりだ。一日一日、一瞬一瞬を大切に、丁寧に。やはりせっかちの私に病気が贈ってくれたものはつくづく大きいなあ、と思う。
コメント
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