ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.4.18 500色の色鉛筆と友のこと

2010-04-18 10:05:39 | 日記
 通販で、毎月25色ずつ20回コースの色鉛筆を予約購入している。
 ちょうど去年の春スタートして、現在11回分手元にそろった。275色だ。毎月25色のグラデーションがとても綺麗。そして色のネーミングも洒落ている。今月はピンク主体の25色だったが、たとえば「岩陰のユキワリソウ」とか「南アフリカのフラミンゴ」とか「杏の里の花便り」とか・・・。色ごとに簡単な「この色を好む人は・・・・」という占いの文章がおまけでついている。少女趣味と言われれば確かにそうなのだが。

 500色揃って棚にセットされた壮観なカタログの写真を見たとたん、久しぶりに小さかった頃の塗り絵好きの血が騒いで「欲しい・・・」と思った。一人で買い揃えても良かったのだが、2人で頼むともっと幸せ(殆ど半額近くになる割引適用)ということで、思い切って友人を誘ってみた。

 友人には息子より3ヶ月後に生まれた(学年は1つ下)、やはり一粒種の男の子がいる。
 彼女とは大学入学以来のつきあいなのでもう30年になる。我が家の鉄ちゃん息子が初めて新幹線に乗ったのは、その友人が出産で里帰りしていた彼女の故郷に会いに行った時。まだ生後7ヶ月だった。その時は車窓を見ることもなく、電車を見て喜ぶわけでもなく、乗ったとたん私のひざの上でずっと寝てしまったが。
 本人たちはもちろん覚えていないだろうけれど、当時の写真を見ると、二人ともこんなにちっちゃかったのに、でもしっかり面影が、というか、今の顔がしっかり縮小されている感じで実にほほえましい。
 赤ちゃんのときはベビーカーで一緒にディズニーランドに行ったり、小学校に上がってからは大阪に出かけてユニバーサルスタジオジャパンに行ったりもした。
 色鉛筆の購入は、去年の春、彼女の息子さんが中学に合格したお祝いをするため、息子の入学祝いをしてもらって以来久しぶりに会った時(職場復帰直前だった。)に持ちかけた。

 今、彼女も息子さんもとても辛い状況にあるので、詳しくは書けないけれど、この毎月配達される色鉛筆を息子さんも気に入っている様子だ。ひと月に一度届いた時に、お互いにお互いのことを考えられる、というのがとてもいい距離感、という感じ。もちろん電話をしたりメールをしたり、という直接のやりとりもあるけれど、「ああ、彼女の所にも着いたんだな、今月の色はどうかな、気に入っているかな、どうしてるかな、元気にしてるかな。」と思いをめぐらす時間が良い。

 占いの紙には各々の色を塗る場所もあって、届いた日にはゆったりと心穏やかな気持ちでその円を25個分塗っている。最終的に500色揃ったら、リビングの壁一面に飾りたいと思って、専用の飾り棚も用意した。
 夫には最初「一体どこに置くんだ!?」と難色を示されたが、「壁に飾るなら今の絵をはずせばいいか・・・」ということで許可された。

 20ヶ月というと注文してから1年8ヶ月。
 始めたときは、まだ体調が本調子ではなかったので結構弱気になっており、(元気に1年8ヵ月後を迎えられるかな・・・? それでもこれを励みにしてきちんと500色揃ったのを心ゆくまで見て楽しんだら、「大人の塗り絵」を始めるんだ!)と思っていた。

 開始して1ヶ月、2ヶ月のときはまだまだ当分先だ・・・、と遠い道のりであるような気がしていたが、気づけば早くももう折り返し地点になった。
 あと9ヶ月、友と息子さんの幸せを祈りつつ、月に一度のささやかな楽しみを待ちながら暮らしていきたいと思っている。
コメント
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