ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.4.20 旅行好き、その後

2010-04-20 20:26:35 | 日記
 アイスランドの火山噴火による火山灰の影響で欧州の数多くの空港が閉鎖され、依然として各路線の運航が出来ないでいる。噴火から5日目になってもいまだ空港で足止めを食っている人が大勢だ。さぞや疲労がたまり焦りがこみ上げていることだろう。それでも無理をして飛んで大惨事・・・となってはとんでもないから、やはり安全第一でゴーサインが出るまで待つしかないだろう。
 いざ海外で航空機の遅延なり欠航に遭遇すると、実にストレスフルだ。
実際、私も機体の不良で一度離陸してから空港に引き返し、1泊したことがあったし、暴風雨のため、延々と空港で過ごしたこともあった。霧のため予定外の空港に着陸して半日かけてバスで目的地まで行ったこともあった。特に短い日程での旅行や仕事は、その目的自体を果たすことがまったく不可能になってしまう。

 これまで趣味は「旅行、読書」と書いてきた。旅行が好きで、これまで夏休みや年末に家族でいわゆる安近短の海外旅行を続けていた。息子も0歳からパスポートを所持し、今では3冊目になる。

 最後に行った海外旅行からそろそろ4年が経ってしまう。息子が小5の夏休みに実家の両親も連れてオーストラリアのゴールドコーストの高層コンドミニアムに泊まった。その旅行以降、中学に合格するまではお預け、としていたけれど、実際は入試直前に私の再発・転移が判明し、第一志望校受験当日に転院して治療開始。海外旅行に行くどころではなくなった。
 さらに息子の鉄道研究会入部とともに「旅はなんと言っても飛行機より電車!」と電車のプライオリティが実に高くなってしまったので、飛行機に乗ること自体とても珍しくなってしまった。しかも彼の主催(?)する鉄道旅行は朝から晩までひたすら電車に乗りっぱなしなので、今の私はとても体力的に付き合えない。中学入学以来長期の旅行といえば、もっぱら夫と息子の“鉄道・弥次喜多道中”である。

 再発治療の開始以来、特に一昨年7月からハーセプチン投与開始とともに通院が毎週になって以来、旅行らしい旅行には行っていない。一番最近の長い旅といえば、一昨年、息子の秋休みに3泊で九州のハウステンボスに行ったのが最後になる。その翌々月からは今思い出しても辛いタキソテールの上乗せ治療が始まった。
 それ以外はせいぜい1泊の温泉旅行か日帰りバス旅行か。旅行好きと名乗るにしては淋しい限りである。

 それでもちょっと体調が落ち着いているなら、近場でいいから気分転換で海外旅行に行ければ、と思っていた。
 パスポートももうすぐ切れてしまいそう。申請に行くことから始めると、さらに敷居が高くなってしまう。夫と3泊で台湾ならどうか、2泊で韓国で美味しいものを食べるのはどうか、などと話していた。

 しかし、今回の火山灰による空港閉鎖、運航中止を見て「やはり、海外旅行は厳しいな・・・」と思った。やはり自然にはどうしたってかなわない。人間はもう平伏すしかない。
 いったん海外に出て、やむなく帰って来られない状況に巻き込まれたら、週1の治療が続けられない。「薬を多めに持ってきましたが、もうあと1日分しかなくて・・・。」と不安そうにインタビューに答えている年配の女性を見て、痛感した。
 もちろん薬を飲むだけなら先生にお願いして旅行前に多めに処方して頂き、1か月分でも持って行けるかもしれないけれど、毎週オーダーメイドの点滴治療をしている身には長旅はやはり贅沢というものか。

 と、考えると、やはりシュンとしてしまうが、そうなったらますます読書で好きな時に好きな所へ思いっきり旅する気分を味わうしかないな、と思う。
 たとえ実際にはどこにも行けなくても、自分の想像力さえあれば世界各国どこにでも羽ばたける。ちょっぴり負け惜しみかもしれないけれど・・・。

 そんなわけで旅行を意識した本を買って帰ってきた。
 気を取り直して読書で旅行を楽しみつつ、明日も治療日だ。
コメント
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