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ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.6.14 「私に帰る旅」

2011-06-14 18:53:03 | 読書
 先日、リフレクソロジーサロンのオーナーが一冊の本を貸してくださった。
 「○○さんは本をたくさん読んでおられるから、こういうのは嫌いかも知れないけれど、(病気のこともあるので)是非読んで頂きたいな、と思って・・・、何度も(癌が)転移して、それでも消えている人のお話も出ているので・・・」とのこと。その日、ちょうど車内で読む本も持っていなかったので、喜んでお借りして、早速読んだ。

 筆者は岡部明美さん。角川学芸出版から2008年に発行されたのが標題の本だ。
 ブログのプロフィールには、「独身時代は、シンクタンクにてマーケティングプロデューサーとして活躍。30代半ばで結婚。長男出産直後に脳腫瘍と水頭症を発病し生死を彷徨う。自分の死に直面するという体験を通して、いのちの根源からの問いの答を求めて自己探求の道に歩みだす。著書に「もどっておいで私の元気!」(善文社)「私に帰る旅」(角川学芸出版)」とある。

 表紙帯には「死の病からの奇跡的生還──。再び与えられたいのちに向きあう日々の中で、本当の私への旅が始まる。脳腫瘍と水頭症からの生還を機に人生を見つめ直し、魂の願いに寄り添って生きようとする著者。真摯なる自己探求の道程に光を放つ幾つもの気づきを杖に、いのちの根源からの“再生”へと向かう、魂の航跡。」とある。

 そして裏表紙帯には「いのちの痛みと、いのちの輝きと。人生の不条理と無慈悲を心底味わう闇の季節。しかし、この最もつらかった日々が「光の世界」への扉を開けてくれたことに気づき、感謝できた時に、人生は真の意味で輝きはじめる。「魂の暗夜」、その彼方にいのちの暁を求めて、私は、私へと帰ってゆく──。」とある。

 以下、プロローグ-私を呼ぶ声―より、一部抜粋させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

 自立と自己実現を目指し、ひたすら前と上だけを見て走り続けてきた20代、30代の日々。しかし「死へと至る病い」をきっかけに、私は生まれて初めて自分の内面に向き合うことになった。その中で生まれた幾つもの“気づき”を詩や散文の形で書き留めたのが、拙著『もどっておいで 私の元気!』(善文社)だった。この自己の内面への気づきは、私の生き方を大きく変えてくれた。そして本書『私に帰る旅』では、前著には全く書かなった、その具体的な内なる旅のプロセスを書こうと思う。前著から約12年もの歳月が流れたのは、私自身の体験をきちんと消化できるまでに、それだけの時間が必要だったからだ。それほどに一つひとつの体験や出会いが意味深く、不可思議で、ある大いなるものの導きを感じさせるものだった。
 心の深い海に漕ぎ出した私の内なる旅──。
 何度も暴風雨に見舞われ、右往左往、七転八倒だらけの、とてもぎこちない探求と気づき、そして変容の航海記録。私のそんな体験が、本書を手にとってくださった方々の「心の小さな灯台」と「内なる自由の翼」になってくれたらとてもうれしい。

(転載終了)※  ※  ※

 そして、あとがきより、さらに一部抜粋させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

 本書を書き終えた今、私が思うのは、人はみなこの世にはるばるやってきた時に、目には見えないけれど、自分が自分の人生の主人公として生きていくための“人生の杖”も、幸せになるための“魔法の羽根”も共に携えて生まれてくるのだということ。そして、人生の試練の時に、自分の内側に問いを立てた人、自分を超えた大いなるものに眼差しを向けた人たちというのは、理屈では説明し切れない何かによって、遅かれ早かれ、ある“ひとつの道”へと呼び込まれていくのだということです。この“ひとつの道”は、この世に自分が生まれてきた目的を思い出させ、人生を輝かせ、心の内側に平和とやすらぎをもたらし、人と人とが存在の深いレベルでつながってゆく道です。この旅の途上で出会ったすべての人に、ありがとう。

(転載終了)※  ※  ※

 それはそれはサラリと書いてあるのだけれど、とてつもない大変な病をの体験をされ、克服されたサバイバーである。そして、かつての私とちょっぴり似ているところがある。そう思ってオーナーは貸してくださったのだろう、と勝手に解釈している。いつも施術に行くと、「頑張りすぎないで、身体の悲鳴をちゃんと聞いて」とよく言ってくださるので。

 そして、中でも私が心動かされた部分は「私が、自分を大切にしていないのに、どうやって人を大切にできるだろう。私が、自分の気持ちを分かってあげないのに、どうやって人の気持ちをわかってあげることができるだろう。私が自分を愛していないのに、どうやって人を愛せるだろう。私は、自分にやさしくすることを、自分を甘やかすことだとずっと思っていたのだ。自分を愛するなんて、ナルシシズム、エゴイズムで、恥ずべきものだと思っていた。」である。

 自分を大切にすることでひいては人を大切にしながら、これからの人生、毎日を大切に送って行きたいと改めて思わせてくれる1冊だった。

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