ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.6.8 ナベルビン14クール2回目、ゾメタ54回目

2011-06-08 20:17:09 | 治療日記
 今朝、自宅にモーニングコールをしてから窓の外を見ると、すっかり雨模様。午後からは晴れてくるという天気予報だったが、昨日の日傘が雨傘に早変わりだな、と朝食をとりながら思った。

 その後、ホテルをチェックアウトして病院へ向かう時には、もうぱらぱらとした小降りになっていてほっとした。病院までは徒歩で10分もかからず、いつもより20分ほど早く着いた。
 内科受付後、ほどなくして中待合に入り、診察室へ呼ばれた。「前回のハーセプチン3倍投与後はどうでしたか。」の質問に、「とにかく気持ちが悪かったです。久しぶりにナウゼリンを2回ほど飲みました。」とお答えする。「ナベルビンよりハーセプチンで気持ちが悪い、というのはあまりないけれど、人さまざまですね。(ハーセプチンは心毒性があるので)夏までに1度心臓の超音波をしましょう。次週はお休みで、再来週はマーカーを含む採血とレントゲンで。」と、無事診察が終了した。

 化学療法室に移動し、看護師さんから声がかかるの待つ。15分ほどでいつもの窓際の端の点滴椅子を確保した。
 30分も待たないで針刺。針刺の痛みについて看護師さんから聞かれる。抵抗感があってとても痛かったことが続いた当時よりは、大分痛みが減っていることをお話しした。今日もそれほどでもなかった。看護師Oさんも「いやな汗をかいちゃうんですよ。ちょっとしたことのようなのだけれど。」とのこと。刺し手にも抵抗感がかなりあるようだ。その後まもなくして薬が到着。
 「今日はハーセプチンがないけれど、ゾメタがあるからそれほど時間短縮でもないですね。ナベルビンだけだと早いのですが。」と言われたが、「ハーセプチンの2時間弱がなくなったのはとても大きいですよ。」とお答えする。診察結果がパソコン入力されていて、看護師さんがチェックして、“気持ち悪さ”も話題になった。次回も続くようなら、またご相談、とのこと。

 そんなわけで今日はデキサート、ナベルビン、生理食塩水、ゾメタ、生理食塩水の5本。順調に進み、2時間ほど。なんとお昼前に終了した。
 会計を済ませて薬局に寄り、ここで小一時間待つことになったので、病院と薬局で滞在時間は合計4時間ほどだったけれど、疲れ方が全く違った。
 すでに雨もやみ、日が差してきてちょっと蒸し暑かった。

 今日は3冊読んだ。
 1,2冊目は重松清さんの「希望ヶ丘の人びと」(上・下)(小学館文庫)。
 中3の娘と小5の息子がいて、40歳前の妻を2年前に末期がんで亡くした主人公が、その妻のふるさとに引っ越してきて、塾を開いてからのお話。もう設定だけで重松節全開なのだ。が、わかっていてもいつものようにしっかり泣かされて、今回はオジサンやオバサンの切なさと哀しさにうんと泣き笑いさせてもらった。裏表紙のとおり、確かに「薄れゆく人と人との絆を見つめ直す“希望の街”の物語」だった。

 3冊目は新潮社ファンタジーセラー編集部編の「Fantasy Seller」(新潮文庫)。
 帯の「大好評アンソロジー「Story Seller」番外編の登場です」ということで手に取った。普段ファンタジーものはあまり読まないのだが、今回はアンソロジーということでちょっと味見をしてみた感じ。おなじみ畠中恵さんの「太郎君、東へ」など8編が収録されていた。初めて読む方ばかりだったが、なかでも堀川アサコさんの「暗いバス」にはラストシーンにぞっとし、遠田潤子さんの「水鏡の虜」では山椒大夫の安寿と厨子王を彷彿とさせつつ、淡々とではありながら執拗に書かれた拷問の書きぶりに背筋が冷たくなりつつも引き込まれ、石野晶さんの「スミス氏の箱庭」では、スミス氏と主人公の心の交流にとても温かな気持ちになるなど、印象に残った。

 すっかり日が長くなり、病院帰りでも寄り道したい気分になる。とはいえ、だんだんお腹の気持ち悪さが出てきた。

 帰宅すると今日のお花が届いていた。ローズ色の芍薬が8本。とても豪華だ。花言葉は「はにかみ」だそうだ。“立てば芍薬、座れば牡丹、・・・”の芍薬の花言葉としてはちょっと意外だ。この時期だけのお花、是非楽しんで下さい、とのコメントがあった。
 今夜も食べ過ぎず、早めに休まなくては。

コメント (2)
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