昨日、口腔外科からお呼びがかかったのは夕方遅くになってからだった。
車椅子に乗せて頂いて2階までエレベーターで降りる。よたよたとお婆さんのように前屈みで、点滴棒を持ってしか歩けない今の私には、猛スピードで押されているように感じる。
若干の連絡の行き違いがあり、診療椅子に移動して診察が始まり、これまでの治療経過と今回の症状を話してからレントゲン撮影に戻った。
先生は画像を見るなり、免疫抑制による急性歯根膜炎との診断。痛みが酷い歯自体は虫歯の治療済みで、神経が残っていないのでその痛みが出るものではない。歯自体は抜歯する必要があるほど悪い状態のものではない。内側の歯茎が特に腫れているため、ものを飲み込むのが辛くなっている。今後抗生剤が効いてくれば膿みが溜まってくるので、切開して出した方が楽である。月曜日にもう一度来るように、ということになった。
その後、応急処置として噛み合わせが当たらないように上下の奥歯を削った。舌で触ってもズキンと響く位なので、軽く触られるだけで痛み、体が突っ張ってしまう。「麻酔しましょうか?」と言われたが、麻酔もあまり良くないのでは、と何とか我慢した。噛み合わせをチェックしながら何度か微調整してだいぶ当たらなくなった。その後、腫れた歯茎に沿って薬を塗り込まれ、あまりの痛さに震えて涙が出る。
やはり餅は餅やだ。専門の先生に診て頂くことが出来、原因がわかってほっとした。このまま放置しておいたら腫れが喉まで達して息苦しくなるところだったという。いずれにせよ抗生剤が効いて全身状態が良くなれば治ってくるでしょうとのこと。
治療後はさすがにぐったりしてベッドに横たわった。30分は飲食しないように、と言われたが、夕食が届いても、とても手をつける気にならなかった。
いやはや免疫抑制恐るべし、だ。歯の根1本の炎症でこれだけ痛い目に遭うとは。がん患者にとってかくも口腔ケアは大切なのである。
少し疲れたのか夜最後の検温で、また8度近くまで熱が上がってしまった。
日付が変わる頃、35時間近く繋がっていた点滴が一旦終了した。2種類で3本、合計1.6リットル。
寝返りを打つのもチューブを引っ張らないように気遣わなければならなかったし、夜中何度もお手洗いに行く度に重い点滴棒を引きずって行かなければならなかったので、本当に身軽になった。
その後、朝まで少し連続して睡眠が取れれば、と思ったが、あまりの空腹で胃が痛み、頭痛もぶり返してしまった。
それにしても病室にはひっきりなしに人の出入りがあり、なかなかゆっくり眠れない。医師、看護師さんはもとより薬剤師さん、朝はゴミ回収、床清掃、トイレ清掃、清拭用のホットタオルの配布と回収、リネン替え、3度の食事前のお茶のサービス、食事の上げ下げetc.etc.。
さすがに今日は土曜日のせいか、昨日に比べだいぶ静かで有り難い。歯の痛みが少し落ち着いたおかげで、朝食も3分の1位食べることが出来た。
おめでたいことにこの週末、一人の時間を楽しもうと予約していたヨガ、リフレクソロジー、友人宅訪問を全てキャンセルした。
今回の入院に驚き、案じた友人達から「返信不要です」というお見舞いメールを複数頂いた。
4年前のタキソテール初回後の緊急入院時と違って、孤独感と焦燥感に苛まれていない。私は一人ではない、と思える心強さがある。有り難いことだ。幸せ者な私である。
今朝の検温で7度を割ったので、点滴が始まる前の朝の時間、思いがけずシャワーの許可が出た。ポート周りに防水シートを貼って頂き、水曜日夜以来、サッパリすることが出来た。
シャンプーしたらいよいよ髪の毛が抜け出した。枕を見ても、パラパラと付き出している。頭皮が引きつれるように痛い。ブラッシングすればだいぶ抜けるだろう。
いよいよ脱毛開始である。
入院しながら、こんなに毎日ちまちまと携帯から更新するとは、我ながら何とも酔狂だと思う。けれど、今の私にとって、このブログは沢山の方々と繋がっているという心の支え、安定剤なのだと感じている。
コメント下さっている皆様へ
パソコンが使えるようになりましたら、必ずお返事のコメントをさせて頂きます。それまでどうかご容赦ください。
車椅子に乗せて頂いて2階までエレベーターで降りる。よたよたとお婆さんのように前屈みで、点滴棒を持ってしか歩けない今の私には、猛スピードで押されているように感じる。
若干の連絡の行き違いがあり、診療椅子に移動して診察が始まり、これまでの治療経過と今回の症状を話してからレントゲン撮影に戻った。
先生は画像を見るなり、免疫抑制による急性歯根膜炎との診断。痛みが酷い歯自体は虫歯の治療済みで、神経が残っていないのでその痛みが出るものではない。歯自体は抜歯する必要があるほど悪い状態のものではない。内側の歯茎が特に腫れているため、ものを飲み込むのが辛くなっている。今後抗生剤が効いてくれば膿みが溜まってくるので、切開して出した方が楽である。月曜日にもう一度来るように、ということになった。
その後、応急処置として噛み合わせが当たらないように上下の奥歯を削った。舌で触ってもズキンと響く位なので、軽く触られるだけで痛み、体が突っ張ってしまう。「麻酔しましょうか?」と言われたが、麻酔もあまり良くないのでは、と何とか我慢した。噛み合わせをチェックしながら何度か微調整してだいぶ当たらなくなった。その後、腫れた歯茎に沿って薬を塗り込まれ、あまりの痛さに震えて涙が出る。
やはり餅は餅やだ。専門の先生に診て頂くことが出来、原因がわかってほっとした。このまま放置しておいたら腫れが喉まで達して息苦しくなるところだったという。いずれにせよ抗生剤が効いて全身状態が良くなれば治ってくるでしょうとのこと。
治療後はさすがにぐったりしてベッドに横たわった。30分は飲食しないように、と言われたが、夕食が届いても、とても手をつける気にならなかった。
いやはや免疫抑制恐るべし、だ。歯の根1本の炎症でこれだけ痛い目に遭うとは。がん患者にとってかくも口腔ケアは大切なのである。
少し疲れたのか夜最後の検温で、また8度近くまで熱が上がってしまった。
日付が変わる頃、35時間近く繋がっていた点滴が一旦終了した。2種類で3本、合計1.6リットル。
寝返りを打つのもチューブを引っ張らないように気遣わなければならなかったし、夜中何度もお手洗いに行く度に重い点滴棒を引きずって行かなければならなかったので、本当に身軽になった。
その後、朝まで少し連続して睡眠が取れれば、と思ったが、あまりの空腹で胃が痛み、頭痛もぶり返してしまった。
それにしても病室にはひっきりなしに人の出入りがあり、なかなかゆっくり眠れない。医師、看護師さんはもとより薬剤師さん、朝はゴミ回収、床清掃、トイレ清掃、清拭用のホットタオルの配布と回収、リネン替え、3度の食事前のお茶のサービス、食事の上げ下げetc.etc.。
さすがに今日は土曜日のせいか、昨日に比べだいぶ静かで有り難い。歯の痛みが少し落ち着いたおかげで、朝食も3分の1位食べることが出来た。
おめでたいことにこの週末、一人の時間を楽しもうと予約していたヨガ、リフレクソロジー、友人宅訪問を全てキャンセルした。
今回の入院に驚き、案じた友人達から「返信不要です」というお見舞いメールを複数頂いた。
4年前のタキソテール初回後の緊急入院時と違って、孤独感と焦燥感に苛まれていない。私は一人ではない、と思える心強さがある。有り難いことだ。幸せ者な私である。
今朝の検温で7度を割ったので、点滴が始まる前の朝の時間、思いがけずシャワーの許可が出た。ポート周りに防水シートを貼って頂き、水曜日夜以来、サッパリすることが出来た。
シャンプーしたらいよいよ髪の毛が抜け出した。枕を見ても、パラパラと付き出している。頭皮が引きつれるように痛い。ブラッシングすればだいぶ抜けるだろう。
いよいよ脱毛開始である。
入院しながら、こんなに毎日ちまちまと携帯から更新するとは、我ながら何とも酔狂だと思う。けれど、今の私にとって、このブログは沢山の方々と繋がっているという心の支え、安定剤なのだと感じている。
コメント下さっている皆様へ
パソコンが使えるようになりましたら、必ずお返事のコメントをさせて頂きます。それまでどうかご容赦ください。