ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.5.20 採血・レントゲン後診察、カドサイラ(T-DM1) 5回目

2015-05-20 19:58:17 | 治療日記
 GW明け神経内科初診以来、2週間ぶりの通院日である。今日はお天気が回復するとのこと、大物もベランダに干して出かける。
 最寄駅、乗換駅とも電車は順調で、予定通り始発電車の席を確保して読書タイム。
 今日のお伴は、水村美苗さんの「母の遺産―新聞小説(上)・(下)」(中公文庫)。大佛次郎賞受賞のベストセラーだが、帯には「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?」というショッキングな台詞が。親の介護、夫の浮気、忍び寄る更年期、老後資金の計算…実体験を交えて赤裸々に描く話題作だ。これも文庫になるのを待ち侘びており、頁を繰るのももどかしく先へ先へと読み進めながら、一昨日新幹線を降りたばかりの病院最寄駅に到着する。
 
 駅を出ると、地面からムッと蒸し暑さが上がってくる感じ。日傘を差して病院へと急ぐ。前回まで工事中で幌を被っていた橋がすっかり綺麗になって、白さが眩しいほどだ。両脇にある花壇の薔薇やパンジーの花も美しい。

 自動再来受付機前では待つことなくIDカードを通す。今日は診察前採血とレントゲン。採血では7分待ちとあったが、荷物を整えて電光掲示板を見ると、もう自分の番号が表示されている。今日も初めての男性技師さん。いつもはガラス管を見せつつ「○本です。お名前を確認してください」と言われるのだが、それもなく、なんとなく開始。見ると、3本でなく4本だったので、どうしたのだろうと思う。腕前はやはりそれなり。
 止血しながらエスカレーターで2階のレントゲン受付へ移動する。人が溢れていて、珍しく混乱している。採血はすんなり行ったのだが、どこかで帳尻はあうものだと思う。それでも受付後、中廊下に移ると、それほどの待ち人はいない。10分ほどで名前を呼ばれ、スムーズに撮影終了。
 再び1階へ降りて腫瘍内科へ移動する。待合椅子は混んでいる。手前に大きく足を広げて延ばし、荷物を置いて2席使って座っている年配の女性の隣しか空いていなかった。ずっと立っている元気はないし、と「すみません」と奥に座ったのだが、いきなり胸の辺りを抑えたかと思うと、顔をしかめて「ああ痛い!もっと静かに座りなさいよ」と舌打ちされた。
 ぶつかった訳でもなく、普通に腰を下ろしたつもりだったが、具合が悪くイライラしているのだろう。とはいえ、皆病人なんだけれどなぁと思いながら、「失礼しました」と詫びて読書を続ける。ほどなくして白衣の医師が彼女に声を掛けに来た時には、別人のように優しい声を出していた。本当にいろいろな人がいるものである。

 今日も読書にのめり込んで、ふと見上げると「中待合へどうぞ」の番号が点滅している。1時間ほどの待ち時間だ。慌てて自動血圧測定機で計測。109-73、脈拍は78。今朝も110-68、70だったので、まあ、安定しているのではないかと思う。中待合に入ってからは40分ほどで、先生がお顔を出された。
 ご挨拶の後、いつものように「さて、3週間どうでしたか。」と問われ、「おかげさまで特に大きなことはなく、人間ドックの結果が届き、網膜前膜の疑いということで眼科を受診し、異常なしでした。また、眼瞼炎が酷く抗生剤と眼軟膏を出して頂き、良くなりました」と報告する。カドサイラ(T-DM1)の副作用で流涙症があるようで、と言うと先生も頷いておられた。カドサイラだけでなく、タキサン系抗がん剤でも流涙症の副作用はあったし、粘膜がやられて目の周りも鼻の周りも過敏になっているのは否めない。
 「それでも、胸痛が治まっており、朝1度のロキソニンで済んでいます。」とお話しする。診察室での検温は6度5分。
 来週、神経内科でMRIを撮影する情報もご存知で、「やはり餅は餅屋で診てもらった方がいいですね」とのこと。
 採血結果は、人間ドックで糖代謝等の数値に*がついていたことが気になって、今回はそれも測定してくださったようだが、「どれも正常です」とのこと。ほっとする。それで4本採血だったのですね、と納得。
 腫瘍マーカーは前回に比べ約2割減。「効いているということですよね」と言うと、レントゲンの画像も見ながら「4月と比べて左の影は少し薄くなっています。右は不変ですが」とおっしゃる。「地味に効いていますね」とのことである。「急激に効くより、地味に効いてくれてずっと不変であれば有難いです。」と応えると、「本当にそうですね」とおっしゃる。
 「(効果測定の)CTをそろそろ撮影したいと思いますが」とのこと。次回もしくは次々回の診察前に、ということで1か月後に予約を入れて頂いた。

 今日は「漢方、整腸剤はもう飲まずに大丈夫です」ということで、ロキソニン、3週間分のバイアスピリン、デノタスチュアブルを処方して頂く。次回3週間後には、来月CT撮影があるので、レントゲンなしで採血のみ予約して頂き、化学療法室へ移動する。いつものように待ち時間に夫やお友達に報告LINEやメール。

 15分程待って、窓側で針刺しがやり易い向きのリクライニング椅子に案内される。お手洗を済ませ、体勢を整えてポートの針刺しを待つ。今日はKrさんが刺してくださったが、痛みがあり、ちょっと凹む。逆血は問題なく、30分程待って薬が届く。Kbさんが「今日は私が担当します」ということで挨拶に見える。
 体調が落ち着いていることを喜んでくださる。点滴パックを持ってきてくださったのはOkさん。最初に生食を落とした後、1時間10分ほどでカドサイラ(T-DM1)を投与し、再び15分の生食で流して終了。終了後の血圧は114-64、脈拍は64。
 途中、中待合で忙しそうにしていらしたのでお声をかけづらかった針刺名人Oさんがご挨拶にきてくださる。「体調はいかがですか」と問われ、おかげさまで・・・とちょっと近況報告。有難いことである。抜針してくださったのは点滴を持ってきてくださったOkさん。やはり衝撃があったが、今日はランマーク注射もなく、針刺しも抜針も1回ずつ少なかったので、まあ我慢である。

 会計が出来るまで待ち、採血・レントゲン、点滴の3割負担で約15万円のお支払い。
 外に出ると、相変わらず湿度が高くムワッと暑い。薬局へ移動すると珍しくそれほど混雑していない。ここでもしぶとく本を読んでいると、30分程で名前を呼ばれた。すっかり薬の量が減ったので、大きなエコバックは次回からは要らないかな、と思う。1,000円ちょっとのお支払で申し訳ない感じだ。

 本日の病院と薬局の滞在時間は合わせて5時間半弱。そのまま食事を後回しにしてJRに乗り、読書を続ける。さすがに空腹になって乗換駅で遅いランチタイムに滑り込み、読みかけの本を読み続けた。

 すっかり日が長くなったので、まだ日が高いうちに帰宅出来た。
 カドサイラ(T-DM1)も5回目になり、随分身体が慣れてきた感じだ。熱っぽくもないし、頭痛もなし。胸痛も今のところ落ち着いている。疲れていないと言えば嘘になるが、すっかり乾いた大量の洗濯物を取り込んで畳み、普通に夕食の支度も出来た。
 明日と明後日を頑張れば、また土日が待っている。
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