ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.5.18 新緑の名所でエネルギーチャージ後、帰京

2015-05-18 23:02:34 | 
 昨日の疲れを持越さないように、今日も無理せずゆっくり起床。せっかく大浴場があったのだが、朝風呂に出かける元気はなく、浴槽足湯だけに留める。
 息子は寝坊せずに無事、一限授業に行った模様。今日は西から天気が崩れる予報で、午後からの降水確率は60%という。早々に荷物をまとめて、チェックアウト。駅のコンコースで簡単な朝食を摂り、雨が降らないうちにお友達から薦められたお寺を参拝することに。

 最初に目指したのは緑が美しく、訪れる人が比較的少なく静かに散策できるという泉涌寺。東山三十六峰の一嶺、月輪山の麓に佇み、広く「御寺(みてら)」として親しまれている。春の新緑、秋の紅葉に一段とその美しい姿を映えさせるという。そう、紅葉の名所は新緑の名所でもあるのだ。
 昨日訪れた“喧騒の嵐山”と打って変わって、何より人が少なく、静かなのが魅力だ。緑のグラデーションを仰ぎ見ながら玉砂利の道を進むにつれて、次第に心が洗われていく思いだ。木々と一緒に光合成をしている気分で、思いっきり酸素を吸い込んでみる。
 まずは重要文化財・大門を入ってすぐの楊貴妃観音像を拝む。絶世の美女として知られる楊貴妃を偲んで、等身坐像にかたどった聖観音菩薩像を彫らせたというが、その像容の美しさにうっとり。境内には仏殿・舎利殿を始め、天智天皇以降の歴代天皇の御尊牌を祀る霊明殿等の伽藍が連なっている。御座所の庭園が素晴らしく、鶯の可愛らしい声とつくばいの水の音に癒される。秋の紅葉の頃にまた来られればな、とついつい欲張った気持ちが芽生えてしまう。

 ゆるゆると帰りの坂道を下りながら、塔頭・戒光寺の本尊釈迦如来立像、総丈約10mの身代わり大仏様も拝む。蝋燭と線香をお供えしてお茶湯をご馳走になる。
 今日の最後の目的地は臨済宗大本山東福寺。摂政関白藤原(九條)道家が、奈良の寺院・「東」大寺と「興」福寺からその二文字をとり、19年もの歳月をかけてその菩提寺として都最大の大伽藍を建立。国宝・三門の大きさにまずは圧倒される。広大な境内には三つの渓谷が巧みに取り入れられており、三つの歩廊橋を三名橋というそうだ。今日は下流の臥雲橋から入り、中流の名勝・通天橋から出てきた。ここは言わずと知れた京都を代表する紅葉の名所だが、この季節は本当にどこを向いても一面の青紅葉。その美しさに溜息が漏れ、しばし目を閉じれば秋の燃えるような赤を想うことが出来る。残念ながら上流の重要文化財の偃月橋までは足を延ばせずじまいだったが、国名勝指定の本坊庭園~近代庭園の傑作だという昭和の名作庭家・重森三玲の代表作「八相の庭」~を鑑賞してきた。方丈の東西南北に四庭を持ち、それぞれが独自の世界。歩き疲れて縁側に足を延ばして風に吹かれていると、なんとも涼やかで心地よい。

 と、半日しかないのにすっかり欲張ったため、疲労困憊。水分補給のタイミングも逃がし、空腹でフラフラしてくる始末。お友達から教えてもらった、東福寺駅近くにある町屋の隠れ家風甘味カフェへ逃げ込む。名物の丹波鶏のひつまぶしや“とろーりわらび餅”、綿菓子を被ったあんみつに舌鼓を打ってすっかりリフレッシュ。うまくタクシーを捕まえることが出来、ホテルで荷物をピックアップしながら駅まで戻る。

 予定通りの新幹線に乗車、ちょうど1冊文庫本を読み終わって2時間の旅が終わる。私鉄乗換駅で早めの夕食を摂り、雨がぱらつき始めたのでそのままタクシーで帰宅した。
 荷物を片付け、洗濯機を2度回し、明日からまたお仕事、である。今日はもう休まなくては。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする