ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.10.26 EC2回目投与15日後、心穏やかな週末を迎える

2012-10-26 19:52:38 | 日記
 ようやく金曜日を迎えた。月曜日は夕方通院、火曜日は午後検診と週の頭に電車に乗って移動することが続き、後半はかなりバテ気味ではあったが、何とか今日まで無事5日間出勤することが出来た。フルタイムでの5日勤務はなかなかきつい。それでも恙無くこの週末を自宅で迎えられることが何より嬉しい。
 白血球は昨日で底のはずで、これからは上向きになるわけだから、この週末はこの3週間のうちで一番元気だろう。週明け月曜日にインフルエンザの予防注射をしたら、あっという間に月が変わって、木曜日は第3回投与の日。来週末はおそらくまた撃沈必至だから。

 さて、読売新聞の記事で、嬉しいものを見つけたので、以下転載させて頂く。今日、学会発表だそうだ。

※  ※  ※(転載開始)

がん転移抑制ホルモン 心臓が分泌…国循と阪大(2012年10月24日 読売新聞)

 心臓から分泌されるホルモンに、がんの転移を抑える働きがあることを、国立循環器病研究センターと大阪大のチームが突き止めた。
 副作用の心配がない、がん転移を防ぐ治療法の開発につながると期待される。横浜市で開かれる日本癌(がん)治療学会で26日に発表する。
 同センター研究所の寒川(かんがわ)賢治所長らが発見した「心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)」というホルモン。心臓や血管を保護する役割があり、心不全の治療薬に使われている。
 チームは、肺がんと心疾患を併発した患者に、がん手術後の不整脈などを予防するためANPを投与すると、がんの再発が少ないことに着目。肺がん患者の再発率は通常、術後2年で20%程度だが、ANPを投与した90人では4人にとどまった。
 がん細胞があるマウスを使った実験では、ANPの投与で転移を通常の15~30%に抑えた。一方、ANPが働かないよう遺伝子操作したマウスは、肺や肝臓に転移したがん組織が通常の4~6倍多かった。普通は起こらない心臓への転移もあった。
 がん細胞は血液を通じて移動し、血管内皮に潜り込んで転移する。がん患者は抗がん剤や放射線による治療で血管内皮が傷つき、がん細胞が潜り込みやすい。再発の多くは、手術時に血中にがん細胞が流れ出すことによる転移が原因だ。
 チームはANPが血管内皮を保護してがん細胞をブロックすると見ており、「様々な種類のがんの転移を抑制できる可能性が高い。来年中に臨床研究を始めたい」としている。

(転載終了)※  ※  ※

 なるほど、心臓の癌とか心臓への遠隔転移という話はあまり聞かない。心臓周囲の心膜への転移も珍しいが、2年近く前に旅立たれたペコさんが、癌性心膜炎から心臓と心膜の間に水が溜まって心臓が圧迫されるという心タンポナーゼにより、心のうドレナージの手術を受けておられたのは記憶している。
 遠隔転移さえしなければ、がんは完治する病気になりつつある。2人に1人ががんになる時代だ。そして3人に1人ががんで亡くなるという。その1人にならないように、これから、もしかしたら患者になるかもしれない方たちのために、一日も早く、臨床研究が始まることを祈りたい。

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2012.10.25 EC2回目投与14日後、バリアフリー講習会「車いすとバリアフリーを知ろう」参加

2012-10-25 19:56:20 | 日記
 昨夜は心配した発熱をすることもなく、今日も朝食後抗生剤クラビットを飲んで、ごく普通に出勤することが出来た。日が陰ると本当に体感温度が下がって、寒く感じる。

 午後、学内で表題の講習会があったので、参加した。会場である図書館は、10月にリニューアルオープンしたばかり。それも見ておきたいと思った。バリアフリー講習会は今回が第2回目で、学内のダイバーシティ推進室が主催するもの。車いすを利用する人への支援として、テーマのとおり、車いすの特性や車いすによる移動の問題等を考える講習会だ。「ボランティアに興味がある方、車いすを利用する人を支援したいという方は、ぜひ、ご参加ください」という触れ込みだった。
 現在入院中の義母は月末退院する予定だが、施設に戻っても、今後ずっと車いすを使うことになる。かくいう私だって、今後病状の進行によりいつ車いすのお世話になるかわからない。また、入院をすれば、現実に病院内を車いすに乗せて頂いて移動することも多い。そんなわけで興味をもったのだ。

 初心者歓迎の講習会の講師を務めるのは、一級建築士の資格を持つ作業療法学科准教授。
 「ロンドン・パラリンピックで見た車いすを利用しているアスリートばかりではなく、企業や大学でも車いすを利用している方々が活躍しています。しかし、普段の生活の中では、まだまだバリアが存在しているのではないでしょうか。ただ、何がバリアになって、どのようにそれを解消したり、支援ができるのかは、まだ、わからないことも多いように思えます。社会のなかにあるバリアを解消することで、車いすを利用していない人にとっても生活しやすい社会になるのではないでしょうか。そして、ちょっとしたお手伝いをすることで残っているバリアをこえることができるのかもしれません。」という紹介文どおりの内容だった。

 冒頭、障害を表す3つの言葉-Impairment(機能障害)、Disability(能力障害)、Handicap(社会的不利益)-の意味から入り、日本における「障害」の概念の乏しさを知る。ノーマライゼーションの理念の紹介、バリアフリーとユニバーサルデザインの意味、これまでの建築物とまちづくりの考え方を表した建築基準法やハートビル法の紹介、福祉のまちづくりや平成12年施行の交通バリアフリー法、現在一番新しい法律である、平成18年施行のバリアフリー新法の紹介があった後、車いすの分類の説明があった。手動車いすは自「走」用車いす、電動車いすは自「操」用車いす、というのも初めて知った。まさに同音異義語である。
 会場には、実際に手動自走用車いすが置かれていたが、説明を受けると、なるほど知っていそうで知らないことばかりだ。車いすの寸法と必要通行幅員も国内流通基準とJIS規格・ISO標準(欧米人サイズ)があり、ダブルスタンダードであることを知る。大学や病院では、車いす2台がすれ違える幅員180㎝以上がとられているというが、自宅で車いす仕様の工事をするとなると、本当にハードルが高そうだ。
 スロープ勾配も基準勾配は1/12(4.76度)以下、ハートビル法では1/15(3.81度)以下というが、マニュアル自動車で坂道発進をする最大勾配が1/6、電動車いすで1/8、赤ちゃんを乗せたバギーで1/10というから、手動の車いすでの1/12はかなりきついものだという。
 中でもとても興味深かったのが、車いすトイレや洗面所の手すりのお話。実際に使う人の身になってみれば、手すりの位置も高さも付いていない方がいいようなケースさえある。目から鱗であった。結局「付けてやっている」という姿勢では決していいものは出来ないのだろう。

 高齢者のバリアフリーについては、外出した際の不安として、青信号の時間が短く、荷物の持ち運びが大変であること、まちづくりへの要望では座る場所が少ない、トイレが少ない・・・など、高齢者でなくとも病弱者としては頷ける問題が沢山あった。
 最後に、心のバリアフリーが大切、と講義を締めくくられたが、せっかく整備しても、その意味がきちんと判らずに使えないものにしてしまう無理解、無知の恐ろしさを改めて思った。

 満ち足りて職場に戻ると、ボスの辞職記者会見があったことを知る。任期は2015年4月迄だからまだ2年半を残している。もう飽きてしまったのだろうな、という感じは前々から持っていたけれど、都民も職員も放り出した80歳の高齢者が、この先いったい何をなすのか、とため息をつかざるを得ない思いだ。
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2012.10.24 EC2回目投与13日後、ご訪問者30万人突破御礼

2012-10-24 20:11:13 | 日記
 今日も秋晴れ。すっかり食欲も戻った。相変わらずちょっと頭が重く、投与後、何回かカロナールのお世話にはなったが、今回は微熱も出ていない。あれほど苦しめられた奥歯の痛みもない。既定量の8割に減量したことに加えて、G-CSF(グラン)の注射2回と抗生剤クラビットのおかげだろう。
 けれど、思えば1回目の投与では13日後の夜に、急に悪寒がしたかと思ったら高熱が出て、翌日通院したつもりが即入院となったわけだ。2回目の投与では、それが丁度今夜にあたる。あまり高をくくってはいけないだろう。羹に懲りてなますを吹く・・・ということなら、それはそれでよい。

 さて、カウンターによると、これまでご訪問くださった方は延べ30万人を超え、閲覧して頂いた頁ももうすぐ100万頁に届きそうだ。
 3年前の10月末にブログを開設してもうすぐ3年になる。単純に割り返せば1年で10万人。だが、昨年のブログを見ると、開設1周年で5万人、2年で16万人とあるから、この1年で14万人。単純に割り返せば1カ月で10000人以上、1日400人弱の方たちがコンスタントにこちらに訪れてくださっているのだと思うと、我ながら驚くとともに、感謝の気持ちで一杯だ。
 当初は、治療日記中心に月4~5回程度の更新だった。それがいつの頃からか、ほぼ毎日更新している。最近では、自分の記録といいながらも体調不良で弱音を吐いてばかり。そんな中、おかげさまでアクセス数がコンスタントにアップするようになっている。

 今やこのブログが、治療とともに私の生活の一部となっているのは間違いない。書かないと落ち着かない。読んでくださる方がこんなにたくさんいらっしゃる、ということに感謝しつつ、このまま細く長くしぶとく、次は50万人突破を目指したい、と思う。

 これからもどうか末長くよろしくお願いいたします。

 今日は友人と待ち合わせて、学内のレストランに行ってみた。いいお天気のせいか、外部の来訪者で満員御礼、長蛇の列だった。待合の椅子も一杯で、立ったまま待っている人もちらほら。紅葉も綺麗になってきたし、食欲の秋だし、というところか。待っていたら昼休みが終わってしまうので、早々に諦めてすごすごと踵を返し、学食に出向いた。

 帰路は予報の通り随分冷え込んだ。朝起きてパジャマのままリビングでうろうろしていると、風邪をひく季節になった。
 今年の秋はとても暖かかったが、いよいよ秋が深まり、気温も本格的に秋らしくなってきたということだろう。
 
 残すところ今月も後1週間。そして2か月続きのカレンダーは残り1枚である。そろそろ年賀状やら来年の手帳を準備する季節である。
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2012.10.23 EC2回目投与12日後、職場婦人科検診

2012-10-23 20:51:03 | 日記
 今日は、午後から都心で行われる婦人科検診の日だ。
 朝にはまだ晴れ間が出ていたというのに、出かける前には本当に予報通り強い雨が降り出した。去年は検診機関が変わって、いろいろ勝手が違い戸惑ったが、今年は一昨年までの機関に戻って、ほっとした。ここは検診といいつつ、とても丁寧に診て頂けるので有難い。5年前、初発のホルモン治療の副作用ともいえる、卵巣嚢腫を見つけてもらったのもこの検診機関だった。

 今回、入院騒ぎで1週間遅れてしまった2回目のEC治療後、白血球が下がっているタイミングであり、予定通り受診していいものやら心配であった。が、主治医に相談したところ、抗生剤クラビットを服用しており、グランの注射も2回打ったので、子宮頸部細胞診等による感染症等も大丈夫だろう、とのことであえて変更しなかった。
 実際、この機会を逃してしまうとまたいつ予約が取れるかわからないし、こちらの体調もどうなるかわからない。
 今日は問診の後、乳腺の超音波と視・触診、子宮頸がんの細胞診、超音波、内診だった。とりあえず両方とも目に見えて異常な部分はなし、と言って頂けてほっとする。正式な結果の通知は1ヶ月後になる。

 そして夕方は、インフルエンザの予防注射を予約していた息子の付き添いのため、最寄駅からかかりつけクリニックへ直行。相変わらず雨傘が手放せない。
 この年になっても(予防注射は20歳未満)いまだに母子手帳を持参のうえ、母(もちろん父でもOK)の付き添いが必要だというのがやけに新鮮である。母子手帳の表紙に貼ってある生後半年、お座りが上手になった頃の藍色の甚平さん姿の写真を見ると実に和む(相変わらず親馬鹿です。)のだが、実際に隣にいる180㎝を超えて喉仏が出た息子は、一体どこのどちら様、と言った感じだ。
 先生にも「大きくなったなあ。来年は受験生だから2回受けてね。」と声をかけて頂く。息子は生後2か月から、保育園の隣のこのクリニックでお世話になっているので、先生はもう何もかもご存知であり、全く頭が上がらない。

 とりあえず我が家の男衆は、先んじてインフルエンザ予防注射のミッションを無事終了。あとは私が来週明けに、予定通り接種出来ればコンプリートだ。
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2012.10.22 EC2回目投与11日後、G-CSF注射2回目

2012-10-22 19:34:26 | 治療日記
 昨日はさすがに草臥れて、早々にベッドに入ったのだが、体が疲れ切っている割には興奮して頭が冴えてしまい、なかなか眠れなかった。結局、1時半過ぎまで時計と睨めっこ。うとうとしたかな、というところで目覚ましが鳴った。

 朝食とお弁当を用意し、洗濯物を干して2人を送り出し、いつもの1週間が始まった。食欲が旺盛になると、現金かつ単純なもので、次回の治療もまた頑張らないとな、と思う。
 金曜日にも早退したし、今日もまた早退して注射を打ちにいかなければならないので、仕事は結構タイトだ。午前中も会議の時間が長引いて、なかなか落ち着けなかった。

 金曜日と同じ時間に職場を飛び出し、病院へ向かう。この後4クール、これ(EC投与、翌週金曜日と翌々週月曜日にG-CSFの注射を受ける)を繰り返せばこの治療が終わるのだな、と思う。
 普段は電車の中で舟を漕ぐことはないのだが、さすがに寝不足のため、本も開けずにこっくりしてしまう。
 
 腫瘍内科受付後、金曜日と同様、ほどなくして処置室に案内され、氏名確認後、すぐに2回目のグラン75を打って頂く。会計の待ち時間も合わせて病院滞在時間は僅か30分。薬局にも寄らないので、病院最寄駅に降り立ってから、帰りの電車をホームで待つまで合わせて1時間だ。抗がん剤の点滴もこれほど短ければ1日仕事ではないのに・・・と思うが、残念ながらそうはなかなかうまくいかないものだ。

 週明け早々、夕方の往復3時間はやはり疲れる。病院を後にしたのはいつも仕事が終わる時間だったが、そこから普段は徒歩だけの通勤だけれど、それにJRと私鉄の乗り継ぎが加わるのだから、当然か。
 今日は夫が午後休暇を取って、かかりつけのクリニックでインフルエンザの予防注射を受けてきた。息子は明日の夕方に予約してある。
 一方、私はEC治療中で白血球の低下が進んでいるうちは打てないし、ちょうど白血球が回復してくる頃を狙ってこの病院で来週早々予約を入れてある。

 今年はインフルエンザの流行が早いという。家族全員で予防しておかないと、治療中にインフルエンザにでも罹ったら大変だ。
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