昨日は文庫が2冊読めた。
1冊目は、よしもとばななさんの「すばらしい日々」(幻冬舎文庫)。
「父はなぜ最後まで手帳に記録し続けたのか? 『生きること』の喜びに心が震える癒しのエッセイ」という帯が目に飛び込んできて、迷わず手に取った。ばななさんの本を読むのも久しぶり。裏表紙には「“父が入院している病院の階段をのぼるときいつも逃げ出したかった。死にゆこうとしている父に会うのがこわかった”。父の足をさすれば一瞬温かくなった感触、ぼけた母が最期まで孫と話したがったこと。老いや死に向かう流れの中にも笑顔と喜びがあった。愛する父母との最後を過ごした“すばらしい日々”が胸に迫る。発見と癒しに満ちたエッセイ」とある。
1時間足らずで一気に読み終えたが、ばななさんの率直な、そしていつもながらとても大切に言葉を選んで書いているまっすぐな文章が胸を揺さぶり、何度も涙ぐんでしまって、困った。
ご両親とのせつない思い出の数々はもちろんのこと、最初のエッセイ=散歩中の子犬が何を見ても嬉しくてたまらないといったきらきらした目でばななさんを見上げるという「きらきら」した時間=にいきなりノックアウトされた。
それは、もう20年も前、指差しが出来るようになったばかりの1歳の息子をベビーカーに乗せて保育園に行く道すがらのこと。お花を見ても「いやっ!」(あれとあれは同じ、という意味だった)、犬を見ても猫を見ても「いやっ!」と指を差しながら私の顔を見上げて「きらきら」の顔で笑いかけて確認を求める息子との幸せな時間を思い出して胸が一杯になったからだ。
“私も嬉しいです。今日も生きていて、きれいなものをたくさん見ることが出来てほんとうにうれしいです!”と声を出して言いたくなった。
そして、どんどん成長して一人の時間が増えていく坊ちゃんとの時間、近所のおばあちゃんとの時間、がんと闘って逝ったお友達との時間、家族旅行でのかけがえのない思い出の時間を大切に読ませて頂いた。私の人生にある沢山の宝物にも思いを馳せながら、素敵な時間を過ごさせて頂いた。感謝。
2冊目は澁川祐子さんの「オムライスの秘密 メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり」(新潮文庫)。
抗がん剤投与で食欲がなくなるだろう中、あえてこんな美味しそうな題名のものを手に取ってみた。
「オムライスは店主の『やさしさ』から生まれた!」、「メロンが入っていないのになぜ『メロンパン』?」(これは私もそう思ったっけ)など、定番料理のルーツに迫るコラムが全部で28本掲載されている。帯に例として載っているのは「とんかつ…肉食文化がなかった日本を席巻!その画期的な進化とは。」、「シベリア…映画『風立ちぬ』に登場した妙な菓子パンの正体は。」、「ちゃんぽん…中華?和食?その由来もミステリー。」、「ショートケーキ…英米仏のいいとこどりスイーツは日本独自のもの。」、「生姜焼き…生みの親は、解剖学の権威だった東大教授?」などなど。へ~、とかふーん、とか思いっぱなし。
裏表紙には「食卓の定番、コロッケやナポリタンのルーツは本当はどこの国、カレーはなぜ国民食になったのか。肉じゃがは海軍発祥というけれど。からあげは「唐揚げ」か「空揚げ」か。ハヤシライス誕生をめぐる尽きせぬ不思議。あなたが大好きな料理はいったいどうして定番になりえたのだろう。埋もれた真実に迫りつつ、好奇心と食欲を刺激するコラム集」とある。
なるほど澁川さんが「はじめに」で書いておられる通り、文献によって出来るだけ事実を明らかにしようと努めたというだけあって、食欲をそそるというだけでなく雑学欲も満たされる一粒で二度美味しい1冊だった。
昨夜は早めにベッドに入り、夜中にお手洗いにも起きることなく眠ることが出来た。朝は洗濯を干し、様子を見ながら朝食は少なめに。アロキシのおかげで強力に吐き気が抑えられているので、前回のようにドンペリドンを飲まなければ食事が摂れないというわけではない。けれど、こうして吐き気を止める、というのは同時に身体に貯めこむということで、早くも便秘である。お腹がもたもたし、早速体重はすっかり戻っている。
出勤して昨日のメール等諸々こなして、昼前から出張に。昼食もゆっくり頂いたので空腹でフラフラしたりはしないけれど、だるさはあり、なんとなく熱っぽくて顔がほてっている。この体調で往復7時間。天気予報通り暖かく穏やかな日和だったが、ちょっぴりこわごわドキドキの一日だった。夕飯も曲がりなりにも支度をして夫と一緒に摂ることが出来た。
とにもかくにも明日を乗り切ればなんとか土日に突入である。
1冊目は、よしもとばななさんの「すばらしい日々」(幻冬舎文庫)。
「父はなぜ最後まで手帳に記録し続けたのか? 『生きること』の喜びに心が震える癒しのエッセイ」という帯が目に飛び込んできて、迷わず手に取った。ばななさんの本を読むのも久しぶり。裏表紙には「“父が入院している病院の階段をのぼるときいつも逃げ出したかった。死にゆこうとしている父に会うのがこわかった”。父の足をさすれば一瞬温かくなった感触、ぼけた母が最期まで孫と話したがったこと。老いや死に向かう流れの中にも笑顔と喜びがあった。愛する父母との最後を過ごした“すばらしい日々”が胸に迫る。発見と癒しに満ちたエッセイ」とある。
1時間足らずで一気に読み終えたが、ばななさんの率直な、そしていつもながらとても大切に言葉を選んで書いているまっすぐな文章が胸を揺さぶり、何度も涙ぐんでしまって、困った。
ご両親とのせつない思い出の数々はもちろんのこと、最初のエッセイ=散歩中の子犬が何を見ても嬉しくてたまらないといったきらきらした目でばななさんを見上げるという「きらきら」した時間=にいきなりノックアウトされた。
それは、もう20年も前、指差しが出来るようになったばかりの1歳の息子をベビーカーに乗せて保育園に行く道すがらのこと。お花を見ても「いやっ!」(あれとあれは同じ、という意味だった)、犬を見ても猫を見ても「いやっ!」と指を差しながら私の顔を見上げて「きらきら」の顔で笑いかけて確認を求める息子との幸せな時間を思い出して胸が一杯になったからだ。
“私も嬉しいです。今日も生きていて、きれいなものをたくさん見ることが出来てほんとうにうれしいです!”と声を出して言いたくなった。
そして、どんどん成長して一人の時間が増えていく坊ちゃんとの時間、近所のおばあちゃんとの時間、がんと闘って逝ったお友達との時間、家族旅行でのかけがえのない思い出の時間を大切に読ませて頂いた。私の人生にある沢山の宝物にも思いを馳せながら、素敵な時間を過ごさせて頂いた。感謝。
2冊目は澁川祐子さんの「オムライスの秘密 メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり」(新潮文庫)。
抗がん剤投与で食欲がなくなるだろう中、あえてこんな美味しそうな題名のものを手に取ってみた。
「オムライスは店主の『やさしさ』から生まれた!」、「メロンが入っていないのになぜ『メロンパン』?」(これは私もそう思ったっけ)など、定番料理のルーツに迫るコラムが全部で28本掲載されている。帯に例として載っているのは「とんかつ…肉食文化がなかった日本を席巻!その画期的な進化とは。」、「シベリア…映画『風立ちぬ』に登場した妙な菓子パンの正体は。」、「ちゃんぽん…中華?和食?その由来もミステリー。」、「ショートケーキ…英米仏のいいとこどりスイーツは日本独自のもの。」、「生姜焼き…生みの親は、解剖学の権威だった東大教授?」などなど。へ~、とかふーん、とか思いっぱなし。
裏表紙には「食卓の定番、コロッケやナポリタンのルーツは本当はどこの国、カレーはなぜ国民食になったのか。肉じゃがは海軍発祥というけれど。からあげは「唐揚げ」か「空揚げ」か。ハヤシライス誕生をめぐる尽きせぬ不思議。あなたが大好きな料理はいったいどうして定番になりえたのだろう。埋もれた真実に迫りつつ、好奇心と食欲を刺激するコラム集」とある。
なるほど澁川さんが「はじめに」で書いておられる通り、文献によって出来るだけ事実を明らかにしようと努めたというだけあって、食欲をそそるというだけでなく雑学欲も満たされる一粒で二度美味しい1冊だった。
昨夜は早めにベッドに入り、夜中にお手洗いにも起きることなく眠ることが出来た。朝は洗濯を干し、様子を見ながら朝食は少なめに。アロキシのおかげで強力に吐き気が抑えられているので、前回のようにドンペリドンを飲まなければ食事が摂れないというわけではない。けれど、こうして吐き気を止める、というのは同時に身体に貯めこむということで、早くも便秘である。お腹がもたもたし、早速体重はすっかり戻っている。
出勤して昨日のメール等諸々こなして、昼前から出張に。昼食もゆっくり頂いたので空腹でフラフラしたりはしないけれど、だるさはあり、なんとなく熱っぽくて顔がほてっている。この体調で往復7時間。天気予報通り暖かく穏やかな日和だったが、ちょっぴりこわごわドキドキの一日だった。夕飯も曲がりなりにも支度をして夫と一緒に摂ることが出来た。
とにもかくにも明日を乗り切ればなんとか土日に突入である。