こだわりの農業

土作りから栽培・収穫まで無農薬・無化学肥料(自然農法)で露地草生栽培を実践するわが家を紹介します。

食育についての考え方

2006-10-18 21:36:59 | きょうのひと言
「食育」という言葉をよく耳にするようになりました。
でも内容は、栄養学的なもの、地産地消、農業体験など実にさまざま。

ただ言えることは、その取り組みの内容に差異がないということ。
全国の自治体や食育に取り組むと標榜している各団体のホームページを見てみると、まるで金太郎飴みたいに感じます。
なんか「右にならえ」しているみたいに違和感を感じます。

もっとオリジナルな発想はないの?なんて言ったら、叱られてしまうかも知れませんが、もう一工夫が必要なのではないでしょうか。

例えば小・中学校。農業体験と称して「農家や農業団体」におんぶに抱っこ。先生は何をするのですか?ただの引率だけですか?収穫をさせたり苗を植えたり、まるで観光農園ツアーみたいだとは思わないのでしょうか?

例えば栄養士の皆さん。”みのもんた”みたいに、○○は○○に良いみたいなことを羅列して、一般の人を脅かしてどうする気なのですか?

例えば農業団体さん。地産地消と称して、直売所を開き学校給食へ食材を提供して「食育」ですか?単に経済効果を期待しているだけなんてことないですよね?

別に私はどこかに噛みついたり、喧嘩をしようと言うのではありません。
私の考えている「食育」は、「土作り~種まき(植え付け)~管理~収穫~調理~食卓」という直線です。つまみ食いではなく、はじめから終わりまでを体験することが遠回りかもしれませんが実は一番効果的な食育ではないかと思います。

ですから食育に関しては、「時間内で」みたいな考え方は当てはまらないと思うのです。少なくとも半年、出来れば1年くらいかけないと食育にはならないのではないでしょうか。

「つまみ食いをさせて、関心をひく」という手法は、学校がよくやりたがる手法です。でもその先への発展がない。単元学習みたいなことでは「食育」にはならないと思います。

「食」が本当に大切だと思っているなら、体験も限りなく「本物」に近いものである必要があります。どんな分野でも”うわべ”は楽しく見えます。でも本気で取り組むと、共通して”キツイ”。要するに、何をしてもそんなに甘くはない訳です。

わが家で行う農業体験は、うちの作業に「加わってもらう」というスタイルを採っています。体験希望の方がいらっしゃるからと、作業計画を変更することはありません。
説明はしますが、作業中は”うけとり”(ノルマ)を決めて体験をして頂いています。
休憩時間に、作業の意味や栽培時の苦労、収穫の喜びなどを話します。
そして最後にその作物の食べ方をお知らせします。

結構作業がキツイとおっしゃる方が多いものの、皆さんすがすがしい顔をしています。本物に本気で触れてみる。そんな気持ちがなければ、食育(教育)は成り立たないと思います。

今後もわが家はわが家なりのやり方で「食育」を進めて行こうと思っています。
ですから「食育」に関係する団体の皆様、ぜひ組織の力を発揮され、それぞれのメンツなど捨てて本気で情報交換をし、頭を使って効果のある「食育」を展開なさってください。私も負けずに頑張りますので。

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