2014年11月16日(日)
博士課程入試があって礼拝に行けない。
出る間での時間、「みだりに」の件に取り組んでみる。ヘブル語はほとんど分からないが、あるだけの資料を床に広げて考える。ヘブル語の旧約聖書、これが原典だが、何でこんなに分厚いのかな。その隣に、英語で書かれた旧約ヘブル語辞典、これがまた分厚いのだ。その横に『旧約聖書ヘブライ語入門』(片山徹)、これは昭和51年刊行の小さな本で、もともと手書き・ガリ版刷りだったものを書籍の体裁にしたらしい。昭和53年度の前期に、文学部の「旧約聖書ヘブライ語」を履修しようとして、3~4回で挫折した時のものだ。一般書店では手に入りにくいので、受講生の一人がわざわざ人数分をどこかから仕入れてきた。あの時もう少し頑張っておけば良かった。これに新共同訳聖書をぐるりと並べ、亀のように這いつくばって、亀が首を回すように見回し見比べる。焦点は出エジプト記20章7節。
知らない言葉を初めて勉強する時、それはもどかしいのだが楽しみがある。同じ顔をした無意味な図柄に見えていた文字列が、ある時ある部分で、ある意味をもつまとまりとして浮かび上がってくる。するとその光に照らされて、隣の単語がまたひとつ浮かび上がる。この連鎖が始まると、それまでの苦労が一度に報われた気がして、さらに一歩を進められるようになる。
小一時間ほどで、それが起きてきた。「神」「主」「名」・・・それがこれで、これがそれだ、すると「みだりに」はどれだ?違う、「みだりに」という副詞として置かれているのではない、「みだりにとなえる」という意味の動詞一語が・・・これだ!何と読むのだろう?
לשך
左端の字は違っているかもしれない。似た顔のいくつかの字がまだ弁別できないが、顔立ちを頼りに辞書で引くことはできる。英語が示すその意味は・・・ use the toungue, only specif., slander
slander?
これは「誹謗する、中傷する、名誉を棄損する、辱める」、要するに、はなはだしく貶めることだ。
「みだりにとなえる」だって?
違うよ、そんなヤワなことじゃない!