2015年6月23日(火)
自分が大切にしているもの、たとえば置き物があったりする。それを大切に思えば思うほど、いつかそれが壊れ砕ける時の来るのが恐ろしくてならない。愛おしさと恐れがこもごも入り混じった気持ちで眺めるうち、いっそ自分の手でそれを壊してしまおうかと、そんな衝動が湧いてくる。そういったアンビバレンスも、人の心にはあるような気がする。
1972年の3月頃、僕としては後にも先にも一度だけ、美術の先生からも級友からも絶賛を博した粘土像 ~ たまたま隣に座っていた友人の頭部 ~ をベランダに持ち出して砕いたとき、あるいはそんな気持ちが働いていただろうか。
今なら、そうは考えない。砕けるなら、僕がいなくなった後にしてくれ。壊すものか、逃げきってやる・・・そんな感じかな。
あれ、壊すんじゃなかった。ほんとに上手くできてたんだ。それに・・・
違うな、あれは。壊したのはまた別の事情があったのだ。