散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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ゲコゲコ・・・

2017-08-08 09:23:12 | 日記

2017年8月8日(火)

 「なんで桃蛙(とうあ)なの?」

 「前は青蛙(せいあ)にしてたんだけどね、青ざめた蛙じゃアオダイショウに睨まれてるみたいだろ。ほろ酔いでほっぺたほんのりの感じで。それに桃が好きだから、霊力があるというので、イザナギも桃に助けられただろ」

 「桃は福島」

 「世代だなあ、桃といえば山梨・岡山、今は福島を外せないよね。でも愛媛も桃は美味しいんだぜ」

 「松野町とか」

 「昔は興居島(ごごしま)が有名だったらしい。松山沖の正面に見える島ね。ジジババとか若い時は舟遊びに行ったみたいだよ。」

 「蛙も好きなの?」

 「まあ何となく、小さい頃に勉強とかバイオリンとか、始めると熱中するけど、腰が重くてなかなか始めないもんだから、『おんびき跳んでも休みが長い』ってオフクロにからかわれてさ、田舎の言い回しだって」

 「おんびき・・・」

 「びき(蛙)の丁寧表現だよね、『おんびきさん』などとも云って、身近な生き物にも敬意を払ったんだな。そうそう『蛙鳴蝉噪』って読める?」

 「知ってる。オヤジが昔やってた同人誌のタイトルでしょ、『あめいせんそう』」

 「『せんそう』か『ぜんそう』か、そっちは端折って『蛙鳴』でやってたのね、どちらも『訳の分からないものがガアガアやってる』ってことだから」

 「ふうん・・・時にね、蛙のほろ酔いって楽しそうだけど、実際には蛙はアルコールに弱くて、すぐにひっくり返っちゃうんだってさ」

 「へえ、ほんとかい?」

 「うん、何しろ蛙はゲコゲコゲコ・・・」

   ・・・国語の先生に一本取られた。

(http://mikihito.waraidama.jp/search.php?search=トノサマガエル より拝借、「ハウリンウルフ」とても良い)

Ω

 


雲とはんのき(宮沢賢治)/それでも花のつもりかな(一茶)

2017-08-08 05:31:13 | 日記

2017年8月7日(月)

 雲とはんのき

  雲は羊毛とちぢれ

  黒緑赤楊(はん)のモザイック

  またなかぞらには氷片の雲がうかび

  すすきはきらつと光つて過ぎる

     《北ぞらのちぢれ羊から

     おれの崇敬は照り返され

     天の海と窓の日おほひ

     おれの崇敬は照り返され》

  沼はきれいに鉋をかけられ

  朧ろな秋の水ゾルと

  つめたくぬるぬるした蓴(じゅん)菜とから組成され

  ゆふべ一晩の雨でできた

  陶庵だか東庵だかの蒔絵の

  精製された水銀の川です

  アマルガムにさへならなかつたら

  銀の水車でもまはしていい

  無細工な銀の水車でもまはしていい

     (赤紙をはられた火薬車だ

     あたまの奥ではもうまつ白に爆発してゐる)

  無細工の銀の水車でもまはすがいい

  カフカズ風に帽子を折つてかぶるもの

  感官のさびしい盈虚のなかで

  貨物車輪の裏の秋の明るさ

     (ひのきのひらめく六月に

     おまへが刻んだその線は

     やがてどんな重荷になつて

     おまへに男らしい償ひを強ひるかわからない)

   手宮文字です 手宮文字です

  こんなにそらがくもつて来て

  山も大へん尖つて青くくらくなり

  豆畑だつてほんたうにかなしいのに

  わづかにその山稜と雲との間には

  あやしい光の微塵にみちた

  幻惑の天がのぞき

  またそのなかにはかがやきまばゆい積雲の一列が

  こころも遠くならんでゐる

  これら葬送行進曲の層雲の底

  鳥もわたらない清澄(せいたう)な空間を

  わたくしはたつたひとり

  つぎからつぎと冷たいあやしい幻想を抱きながら

  一挺のかなづちを持つて

  南の方へ石灰岩のいい層を

  さがしに行かなければなりません

   ハンノキ(Alnus japonica) カバノキ科 ハンノキ属

    ハンノキのそれでも花のつもりかな  一茶

http://arakawasaitama.com/hanaindex/subhannoki.html

 Ω