散日拾遺

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夏雲二景

2019-08-14 07:24:24 | 日記
2019年8月7日(水)
 日頃、夏の暑さが大嫌いと思い込んでいるのが、とんだ錯覚だったと悟るのも毎年のこと。嫌いなのは、コンクリートの鬱熱とアスファルトの照り返しの中をワイシャツ・長ズボンに仕事鞄もって電車に乗り込み、人いきれの中で絞り出される汗に吸い込むエアコンの空気、都会という特定条件下の暑さである。一方、田舎では炎天の日差しを麦わら帽子で避けつつ、虫除けのため古ワイシャツと作業ズボンに長靴まで都会以上の完全装備、それで草なんか刈っていると30分も経たずに全身汗だくで水を浴びたようになるが、これは不思議と苦にもならない。そこへ一陣のそよ風が野を渡って吹き抜ける蘇生の涼味と言ったらなく、「存命の喜び」とはこのことに違いないと思われる。サリバン先生がヘレンに「愛」を教えるのに、雨上がりの陽光を例に示したと言うが、これに近いものが暑中の緑風にある。
 慕わしい田舎へ向け一路西行を開始した、ちょうど一週間前の雲二景。もちろん「ながら撮影」ではない、助手席の協力に依る。



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