2018年8月23日(木)
偉そうなこと書いていたら、まんまと刺された。
伸びすぎたアジサイをジョキジョキと剪定中、左手甲に例のツンとした痛みがあり、一緒に作業してた三男に「おい、やられた」「まじ?アシナガバチ?」「アシナガバチ」
返事しながら「ん?」と自問、いつもより痛みが軽くないか?長身の三男が蜂の軌跡を目で追っている、その視線の先を飛翔する昆虫をトクと見れば・・・
「脚、長くないな」
「小さくない?」
「小さい」
アシナガバチより一回り小ぶりで脚の長くない蜂種、ただ巣の形状はよく似ている・・・ように素人には見える。庭で出会う蜂で刺すやつといえば「アシナガバチ」と決め込んでるのが浅はかで、アシナガバチにしたって一つじゃないのだ。わが家の庭のは、たぶんセグロアシナガバチ?
ともかく刺された相手がアシナガバチでないことは、その後の経過が裏書きした。アシナガバチなら時間とともに刺し傷の周囲がパンパンに腫れあがり、48時間後には手がミトンみたいになる。今回はわずかに局所が膨隆しただけで、そう言わなければ気づかれない程度。ギ酸がベースなんだろうが、毒の強さがはっきり違う。ハチの種別を同定したいが、なかなかうまく検索できない。
翌朝、今次帰省で初めて湿度が下がり強めの風が吹いた。「待てば海路の日和あり」というが陸上でも変わらない。諺が平凡に響くのは我々が都市生活に慣れているからで、日和を待つ知恵も忍耐も日和のありがたさも、自然の中でこそ痛感される。
GWには手が付けられず、放ってあった3a(アール)地の草刈りにこの時とばかりとりかかったら、たて続けに二つ大きいのが見つかった。
といっても、風にそよぐ柔らかな草に蜂は巣をかけない。砂の上に家を築くようなものである。ただ、イネ科の青草が生い茂る中に、ところどころ固い茎の草や小灌木が屹立していたりすると、これこそ格好の営巣地になる。固い茎の低いところに巣を営めば、覆いかぶさる青草が理想的な掩蔽を提供してくれる。
つまり、こんな具合。
右手に写っているような草原を刈り倒していったら、中央の固い茎の植物が埋もれていたわけだ。その茎に・・・
これは成長途上のアシナガバチの巣。この少し後で見つかったのは、昨日刺されたのと同種のやや小型の蜂の巣。それぞれ茎ごととって来たのを並べて示す。
向かって左がアシナガバチ、右が謎の小型バチの巣である。形状の違いもあるが、アシナガバチのほうが個室のサイズがはっきり大きく、巣をかけた草の茎の径も太い。こうして比べるにつけ、小さいとばかり思っていたアシナガバチの強さ大きさがひしひしと実感される。何より刺された後の痛みと腫れのケタが違う。
アシナガバチの巣の右側に見える3個の黄色いものは、巣から這い出した幼虫である。既に蟻の寄ってきているのが小さく写っている。30分ほどして戻ってきた時には幼虫の姿は影も形もなく、蟻が運び去ったものと思われた。蟻にとっては思いがけない御馳走であったろう。
なお、フマキラーの缶は大きさの目安に置いたもので、アシナガバチの巣を駆除する際に殺虫剤は使わない。高バサミがあれば十分で、むやみに殺虫剤を撒くのは蜂を興奮させて厄介なだけである。巣を失った蜂は母艦を沈められた艦載機と同じく、もはや何の害も為しえないしその力ももたない。キイロスズメバチなどは話が別かもしれないが。
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さて、これは何でしょう?
これ非常な美味、とりわけ汗かいて仕事した夏の日の終わりには最適。色が写真では少しキツいが、実際はもう少し明るい紫、もちろん人工着色料は一切用いず。素材はというと・・・
今年オオバはよく茂るが赤紫蘇が不作であったところ、御近所さんが分けてくれたので父が早速ジュースを作った(向かって右の瓶)。クエン酸がたっぷり入って酸味が利いているところに、ものは試しと南予特産の栗の焼酎を加えてみたら、素晴らしく合うのである。
自家製のカクテル発明とはしゃぎ、さてこれを何と命名しようか。「ピンクレディー」が父の名案ながら、その名をもったカクテルは残念ながら既に存在している。ドライ・ジンをベースに、卵白とグレナデン・シロップをシェイクするのだそうな。なるほどモダンでハイカラだ。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/ピンクレディー(カクテル))
とすると、こちらはやはり和の風雅か、ぴったりの名が見つかるまでさしあたり「紫蘇栗毛」とでも呼んでおこう。
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