落胆の日
釣りに関してボクには一つのパターンが出来ている。
もう、10年以上通いっている川があり、そこは川幅が結構あるのでフライに打って付けの流れだと思っている。いつも釣り人は多いので釣れない事の方が多いが、たまに人がはいっていないと、イワナが良く釣れる事もあり良い思い出もある。集落を過ぎ林道に入ると人家もなく、鹿や狐、タヌキ、猪にも出会った事があるが、幸いな事に熊にはまだ出会っていない。草、花、木、森、山、そして空、その下の流れに、渓にひかれて通っている。良く利用するビジネスホテルの大浴場、レストランの食事もビールも気に入っている。お土産に買う饅頭も好きだし、蕎麦も旨いし、直売所の野菜も新鮮で旨い。ボクにはもう、すっかりなじみの場所になっている。
今年もGWに出かけてみたが、釣り仲間に聞いていた通り、集落の先の林道入り口には立派な門ができ、カギがかかり林道に入る事はできなかった。そこには、5月25日まで工事のため「通行止」と書いてあった。
そんな訳で、6月25日にもう一度出かけた。
前夜はそわそわして眠れないので、夜のうちに家を出た。
途中、仮眠して明るくなったので、林道入り口に向かうと、工事の看板はなくなっていたが、門にはカギがかかっていて、林道には入れなかった。
こんな立派な門ができてカギまで掛かっていると言う事は、この林道の中に車で入る事はもうできないのかもしれないと思うと、ボクはどうしたら良いかわからなくなった。
折角、遠出して来たんだから、別の川に向かおうと思い移動したが、あまり考えもせず、分杭峠にきていた。
(はじめて分杭峠に来た時は静かだったが、今はいつも大勢の人がいる)
今まで行った事が無い中央アルプス側の川に向かってみる事にしたが、急に眠くなり、途中で公園の駐車場に車を止め眠ってしまった。暑くて1時間ほどで目が覚め、川を見に行ったが、中央アルプス側の川は雨で増水、濁りでとても釣りは無理そうだった。
(中央アルプスの川は濁流)
途中、ちょっとぶらぶらしながら、また南アルプス側の川に戻った。
アマゴの川、ひとまず釣りをしたが、集中力もなく、2匹ばらして、遅いお昼のおむすびを食べた。時々雨がサーッと降るが濡れる事は無かったが、なんだか妙に蒸し暑くて、疲れたなと感じる。
今日はもう早めにあがり、いつもの様に大好きな饅頭を買って、いつものビジネスホテルにチェックイン。部屋に入ると眠くてそのまま眠ってしまい、目が覚めてから、ホテルのレストランへ行った。今日はどうした事か、他に客は無かった。もしかして、休日の高速道路の割引が無くなったから、客が減ったのかな。食事と一緒に頼んだビールがやけに旨かった。大浴場、他に人も居ないので、のんびりとして気持ちが良かった。
翌朝は遅く起きて、直売所で野菜を買って来たが、キャベツが新鮮で旨かった。
もしかして、しばらく、この饅頭も、食べられないかもしれないと思った時、ふと寂しくなった。
神様、お願いです、ボクの楽しみを返してください。誰でも良いから、お願いします。
って言うか、頼むから林道の門、開けて、お願い。
(通行止、但し、許可車両は除く、、ってちょっと納得いかない。)