以前に取り上げた小笠原空港への就航機「小笠原にATR42は就航できる・・・とは思えません」の件、東京都から新しい提案があったようです。垂直離着陸が可能なティルトローター機の採用案を示し、滑走路を500mほどまで短くすることが可能だとしています。
空港整備に伴う自然環境への影響を少なくする目的だそうですが、これ実現するのでしょうか?
[まずは前提から]
・羽田-小笠原父島間は直線距離で約970kmです。
・途中には八丈島空港がありますが小笠原までは約700kmあります。
・八丈島空港は気流の変化が激しく霧も出やすい国内では名うての離着陸が難しい空港です。就航率も高くありません。
・悪天候や機材故障のため途中で引き返す可能性があり、十分な航続距離がないと燃料切れで墜落してしまいます。
[ティルトローター機とは?]
回転翼を傾けて飛行できる機種です。アメリカ軍のV-22オスプレイがこれであり、この技術を民間機に転用したイタリア・レオナルド社のAW609を候補に挙げているようです。旅客定員は9名で、羽田との間を2時間ほどで結ぶ構想だそうです。
調べてみると巡航速度は460km/h前後、航続距離は1,400km弱となっています。
[これじゃ無理です]
以前にも触れた通り800mほどの滑走路で離着陸可能なATR42-600Sでも航続距離は1,560km。これより短いAW609では安全な就航は望めないことになります。羽田を出た時点では父島は微風晴天だったのに途中でスコールになり着陸できない、となったときに引き返すことができないのです。最悪の事態は燃料切れで海に墜落してしまうことになります。
緊急避難できるはずの八丈島空港も就航率が低く、万一の際には悪条件で事故リスクを覚悟の上で着陸を強行ってことになりかねません。まさに命がけになります。というかAW609では八丈島との単純往復すらできず燃料切れとなるので、何かあれば海中にドボンとなります。
しかも乗客はたった9名。急患輸送ならこれで問題ありませんが、旅客輸送であれば非常に高額な運賃になります(一部では20万円という話もあります)。しかも片道2時間ならトイレも必要で客席をトイレに割くならさらに乗客数が減ります。採算面でも到底就航は困難です。
さらにAW609は依然として開発中であり、試験飛行中に墜落事故も起きています。左派の連中が「オスプレイ=危険な飛行機」とのレッテル貼りをしようとしていますがならば基本的な部分が同じAW609も危険な飛行機になってしまいます。そういった部分以前に開発完了のメドも立っていないようです。
[都は何を考えているのか]
どう見ても実現困難なAW609の就航計画をなぜ都が出してきたのでしょうか?
恐らく豊かな自然を求めて小笠原に移住した住民の空港建設への反対が根強いからではないかと考えられます。とりあえず500mでも滑走路を作り「安全が確保できずやっぱ無理でした」という理由で延長して本来の1,500m~2,000m前後に延長するのではないかと考えられます。
空港整備に伴う自然環境への影響を少なくする目的だそうですが、これ実現するのでしょうか?
[まずは前提から]
・羽田-小笠原父島間は直線距離で約970kmです。
・途中には八丈島空港がありますが小笠原までは約700kmあります。
・八丈島空港は気流の変化が激しく霧も出やすい国内では名うての離着陸が難しい空港です。就航率も高くありません。
・悪天候や機材故障のため途中で引き返す可能性があり、十分な航続距離がないと燃料切れで墜落してしまいます。
[ティルトローター機とは?]
回転翼を傾けて飛行できる機種です。アメリカ軍のV-22オスプレイがこれであり、この技術を民間機に転用したイタリア・レオナルド社のAW609を候補に挙げているようです。旅客定員は9名で、羽田との間を2時間ほどで結ぶ構想だそうです。
調べてみると巡航速度は460km/h前後、航続距離は1,400km弱となっています。
[これじゃ無理です]
以前にも触れた通り800mほどの滑走路で離着陸可能なATR42-600Sでも航続距離は1,560km。これより短いAW609では安全な就航は望めないことになります。羽田を出た時点では父島は微風晴天だったのに途中でスコールになり着陸できない、となったときに引き返すことができないのです。最悪の事態は燃料切れで海に墜落してしまうことになります。
緊急避難できるはずの八丈島空港も就航率が低く、万一の際には悪条件で事故リスクを覚悟の上で着陸を強行ってことになりかねません。まさに命がけになります。というかAW609では八丈島との単純往復すらできず燃料切れとなるので、何かあれば海中にドボンとなります。
しかも乗客はたった9名。急患輸送ならこれで問題ありませんが、旅客輸送であれば非常に高額な運賃になります(一部では20万円という話もあります)。しかも片道2時間ならトイレも必要で客席をトイレに割くならさらに乗客数が減ります。採算面でも到底就航は困難です。
さらにAW609は依然として開発中であり、試験飛行中に墜落事故も起きています。左派の連中が「オスプレイ=危険な飛行機」とのレッテル貼りをしようとしていますがならば基本的な部分が同じAW609も危険な飛行機になってしまいます。そういった部分以前に開発完了のメドも立っていないようです。
[都は何を考えているのか]
どう見ても実現困難なAW609の就航計画をなぜ都が出してきたのでしょうか?
恐らく豊かな自然を求めて小笠原に移住した住民の空港建設への反対が根強いからではないかと考えられます。とりあえず500mでも滑走路を作り「安全が確保できずやっぱ無理でした」という理由で延長して本来の1,500m~2,000m前後に延長するのではないかと考えられます。