Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「銃・病原菌・鉄(上)」

2012-10-02 11:18:39 | Book
ジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄(上)」を読了。
新刊として発売された頃にも読みたいなあと思ったのですが、ハードカバーでかなり値段もしたので、買わずじまいでした。
最近、朝日新聞の「ゼロ年代の50冊」の第一位になったという記事を読んで、文庫化されていることを知り、購入しました。
アメリカ大陸の原住民はヨーロッパの人々に征服されてしまいましたが、なぜ逆にアメリカ大陸の先住民がヨーロッパの住民を征服するということが起こらなかったのかという謎について、事細かに論ぜられています。
謎解きは、よく考えればわかるようなことを積み上げていく感じで、データも細かく出てきて、先の結論を早く知りたがる傾向にある私としては、細かいことはどうせ読んでも忘れちゃうから、もっと要点だけ書いてくれればいいのにと思う部分もあります。
でも、知らなかったこともいろいろあり、例えば、たった168人のスペイン軍を率いるピサロが4万人ものインカ帝国軍と戦い、皇帝アタワルパを捕らえたカハマルカの戦いの詳細が書かれており、とても興味深いものでした。
また、馬は代表的な家畜ですが、どうして外見が良く似ているシマウマは家畜になれなかったのかとか、多くの古代生物が絶滅しているが、氷河期で全滅したという説もあるけれど、人間たちが狩りをして食べ尽くしてしまったという説も有力な候補として語られています。
また、知らなかったこととしては、伝染病の病原菌が自らその攻撃性を弱めるという話です。あまりにも致死率が高いものだと、病原菌自体が感染によって増殖する前に人間が死んでしまうので、病原菌が変異して、その毒性が弱まった形のものが出現するというのです。例えば、1495年にヨーロッパで初めて記録された梅毒の例では、頭からひざまでが膿庖でおおわれ、たった数ヶ月で死亡しているのですが、1546年の記録では現在私たちが知っている症状を引き起こす病気に変化しているそうです。このような変化がたった50年くらいで行われていることに、少し驚きを感じました。
ちょっと読みにくい部分もあるのですが、いくつか新しい発見があるので、下巻も読んでみようと思っています。
ただ、ほかにも読みたい本がいろいろあるので、実際読むのはかなりあとのことになりそうです。
体調は良好です。10月になりました。今年もあと3ヶ月。やりたいこと、やるべきことをしっかりやって、無駄に過ごさないようにしたいと思います。