Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「Slaap」

2013-08-15 14:51:22 | Book
Lars Kepler(ラーシュ・ケプレル)著「Slaap」を読了。
「Hypnose(邦題「催眠」)」「Contract(邦題「契約」)」「Getuige」と読んできたヨーナ・リンナ刑事シリーズの第4作目です。原語はスエーデン語ですが、私はオランダ語版を読んでいます。
一つの章というか区切りが短く、2、3ページなので、気軽にどんどん読めてしまいます。
前作の「Getuige(目撃者)」は私としてはいまひとつだったのですが、今回の「Slaap」(眠り)はとてもよかったです。原題は「Sandmannen」なので、「砂男」か「サンドマン」ですね。原題のほうが内容と合っているかもと思います。
今回は、主人公ヨーナ・リンナが宿敵として恐れる男Jurek Walterが登場します。Jurekは何人もの人を誘拐し、監禁した末に殺している殺人鬼ですが、何年も前にヨーナが逮捕し、現在厳重監視の刑務所にいます。
十何年か前に著名な小説家の幼い息子と娘が行方不明になります。結局見つからず、近くの湖で溺れたのだろうということになりましたが、ヨーナはひそかにJurekの仕業だと考えていました。そして、突然この息子が十何年かぶりに発見されます。この息子は20代前半の青年に成長しており、彼によると、窓のない暗いカプセルのような部屋の中にずっと妹と一緒に閉じ込められていたといいます。独りそこに残された妹を救うために、危険な作戦が実行に移されます。
このシリーズはヨーナ・リンナの人生の物語としても読めます。
この本を最後まで読むと、大きな展開があり、早く続きを読みたいと思いました。しかし、まだ次作は発売されていないんです。
噂によれば、10作で完結となるような長いシリーズの構想があるとか…。
それにしても、このスエーデンのシリーズと、ノルウェイの刑事ハリー・ホーレのシリーズは読みごたえがあり、いいです。でも時々頭の中で、この二つがこんがらがってしまうこともあります。
今回の作品では、ソ連時代のカザフスタンにあったレーニンスクのことが、私の知らなかった歴史の一片として、とても興味深かったです。Wikiでいろいろ調べてしまいました。
体調は良好です。昨夜は久しぶりにぐっすり眠れました。