Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

Gelders Orchestra & Itamar Zorman(バイオリン)@Vredenburg(ユトレヒト)

2011-10-09 07:12:12 | Concert
日曜日の午後、クラシックコンサートに行ってきました。
今回は、今年度のチャイコフスキー国際コンクールの優勝バイオリニストが、チャイコフスキーのバイオリンコンチェルトを弾くというプログラムだったので、聞きたいなと思い、チケットを買いました。
随分前にチケットを買っていて、最近になって、ところで優勝者は誰になったのかしらと思って調べてみたら、一位はなくて、二位を二人で分け合うという結果でした。そして、このコンサートに登場するのは、イスラエル出身の25歳のバイオリニストItamar Zorman(イタマール・ゾルマン)。
また、Gelders Orchestraは、オランダのオーケストラで、地方に根ざしている楽団ですが、かなり良いレベルです。
指揮は、ロシア出身のNikolai Alexeev(ニコライ・アレクセーエフ)。
演目は、
チャイコフスキー バイオリンコンチェルト D opus35
(休憩)
Glinka Valse-Fantasie
    Zomernacht in Madrid
Rimski-Korsakov Capriccio espagnol opus 34

バイオリニストのイタマール・ゾルマンは、最初ステージに現れたときは、髪が長めでぼさぼさで、痩せ型で、ちょっと冴えない感じだなあと思ったのですが、弾き始めるや否や、正確かつ感情のよく入った音で、ぐいぐいと彼のバイオリンの世界へいざなっていきました。弓の隅々まで使って、よく響く音で、音楽の中に没頭するような恍惚な表情を見せて、一気に弾ききりました。特に第一楽章は、すばらしかったです。これを聞くと、前回どこかできいたバイオリンコンチェルトはいまいちだったことがわかりました。
使用楽器は、グァルネリ。
アンコールでは、バッハのソナタ3 in C major を弾いてくれました。これも、とてもすばらしかった。深みのある響きに吸い込まれていくような感じでした。
休憩の後は、ロシアの作曲家のオーケストラの曲を楽しみました。初めて聞く曲ばかりでした。陽気な感じの曲で、元気が出るタイプのものでした。いろいろな音が聞けて、鮮やかな雰囲気でした。
このコンサート、午後3時に始まり、終わったのは5時前。ホールを出てきてもまだ明るかったのが、夜のコンサートに慣れている私としては、ちょっと不思議な感じがしました。
体調は良好。





映画「トロッコ」

2011-10-08 09:45:43 | Movie
アムステルダムのCAMERA JAPANのイベントで映画「トロッコ」(Rail Truck)を見ました。
この映画は、台湾を舞台にしています。夫を失った女性と8歳と6歳の男の子が、夫の故郷である台湾の両親の家を訪ねます。映画の中で、登場人物は、時には中国語、時には日本語を話します。英語字幕があるので、中国語の部分はその字幕を読みました。
台湾の歴史、戦前の日本の支配などのことは、私は知っていましたが、ヨーロッパから見れば台湾はとても遠い国なので、こういうことを知るのは初めての人も多かったと思います。台湾は電気製品などでヨーロッパでもよく知られていますけれど、中国の一部だと思っている人が多く、民主政権で独立した国としてやっていることなどはあまりきちんと知られていないように思います。日本人が、パレスチナのことを良く知らないのと同じような距離感です。
この映画、私はちょっとスローだなーと思ってみていました。だいたいの話の流れも予測つくし、あまり新鮮さがない気がしました。
でも、夫の感想を聞くととてもよかったそうです。台湾の風景がとても綺麗で、緑が印象に残ったとのこと。また、歴史を含めた複雑な感情がありながら、お互いに優しく、穏やかな人々の姿に、心が洗われた感じがするとのこと。
私にとっては、台湾の風景は日本に似たところがあり、あまり目新しくはなくて、また歴史のことも知っていたので、そうくるだとうと話の中で思うところもあって、素直に受け取ることはできなかったのですが、遠い国の人から見ると興味深く見ることができたのでしょう。
確かに、これがイランやカザフスタンの話だったら、私はその歴史をよく知らないし、風景も見知らぬものだし、もっとわくわくして見れたと思います。
そういう意味でも、こういう映画は、外国で多く上映されて、見られるとよいと思いました。
監督は川口浩史。主演は尾野真千子。子役がとても自然な演技でよかったです。
体調は良好。急に寒くなりました。体調を崩さないように気をつけなくては…。

Restaurant:Tante Koosje(Loenen a/d Vecht@オランダ)

2011-10-06 08:30:25 | Restaurant/Cafe
日曜日、6時に予約したレストラン「Tante Koosje」へ。
町の駐車場があって、そこから教会の方角に歩くとすぐでした。徒歩2分くらい。
ミシュランの一つ星ですが、気取った感じではなく、インテリアは田舎の家のリビングルームを想定しているとかで、アットホームな雰囲気です。私たちは、奥のほうの部屋に通されました。すでに、その部屋には2組ほどお客さんがいました。二人席ですが、テーブルは広くゆったり。そして、音量控えめに音楽がかかっていて、会話の声も問題なく聞こえ、他のお客のテーブルとの距離もよく、心地よいです。
最初に、おすすめのアペリティフ(ロゼのスパークリングワイン)をいただきました。
3コースがレストランウィークのメニューなんですが、魚料理を1コース足すこともできるとのことで、折角なので、4コースをいただくことにしました。内容は次の通りです。
オードブル: グリルホタテのBig Green Egg BBQグリル、あぶりマグロ, ポンズババロア、アボカド、グレープフルーツ、セサミクッキー
魚料理(写真): Heilbot(ひらめ)のグリル、オックステールフィレの甘煮、カナダ産ロブスター(poached)、バターナッツパンプキンのチャトニー、シャンパン泡ソース
肉料理: 子牛肉のグリル、セヴェンヌ産タマネギのクーリとマーマレード、バイヨンヌ産ビーコン、グリルソース、カベルネ・ソーヴィニヨン酢
デザート: マフィン生地、ドロップトッフィームース、'Hemel op aarde' (伝統的オランダのリキュール)のケーキ、プラム入りヨーグルトのカネローニ、プラムのソルベ
この他に、アミューズとデザート前のお口直しが出ました。料理に合ったワインアレンジメントもあって、夫はそれを注文しました。
お料理はすべてとても美味しかったです。写真はうまくとれなかったけれど、見た目もどれも美しかったです。特に美味しかったのは、魚料理。ロブスターは、歯ごたえがよく、噛みしめたときの味がとても濃かったです。また、魚料理のお皿なのについていたオックステールフィレの甘煮、日本の牛肉のしぐれ煮のようで、あー白いご飯がほしいと思いました。それぞれ、小さな分量ですが、味にバラエティがあり、楽しく食べることができます。
ただ、肉料理の頃には、私はお腹がいっぱいで、美味しかったのですけれど、半分くらい残してしまいました。
デザートのプラムのソルベ、プラムの味が口の中で広がる感じでした。
デザートのあと、夫はエスプレッソ、私は紅茶をいただきました。すると、プチワッフルやボンボンが入ったレストラン特製の小さなブリキの缶がついてきました。また、別に、焼きたてですと言って、プチマドレーヌももってきてくれました。このマドレーヌ、蜂蜜がかかっていて、美味しかったです。ブリキの缶は、お店の名刺代わりにもらって帰ることができます。
給仕の人は感じがよく、テンポもよく、とても気持ちよく食事をすることができました。また是非行きたいと思います。
会話もはずみ、結局、3時間半もレストランにいました。
体調は良好。
スティーブ・ジョブスの訃報を聞き、少し落ち込む。


血液内科定期受診

2011-10-04 11:14:27 | 医療・病気
今日は、血液内科の定期受診の日でした。前回は、3ヶ月前でした。
約3週間前に血液検査のための血液採取をしてあります。フリーライトチェーンの検査に時間がかかるので、余裕をもって3週間前に行なうようにしています。
いつもは予約の時間通りに名前を呼ばれるのですが、今日はK医師の診察室はドアが開けっぱなしで無人。結局、時間より10分くらい待ったところで、あわてた様子でK医師が現れ、「ごめんなさい、遅くなって」と言われて、一緒に部屋に入り、コンピュータを立ち上げて、私のデータを引き出します。
「どうですか?」とK医師。「良好です」と私。そして、データを見て、フリーライトのラムダの値をクリックしてグラフを見せてくれ、「いいですね」と一言。グラフは、ほとんど平行線で、ちょっと下がり気味。ラムダの値は、41.6でした。前回より少し少ないです。ということは、悪化しておらず、問題なしということ。
「良い結果ですね。この結果には、ぼくは…」と言いかけるK医師。
さえぎって私が「満足?」と問いかけると、「いや、満足というより、それ以上。Impressiveだね」。
K医師とはもう3年以上の付き合いなので、緊張することもなく、話せます。
今回は、7月の血液検査で気になっていた肝臓関係の値について尋ねました。
「7月の検査で、肝臓関連の血液検査の結果が正常値じゃなかったんですけど…」と言うと、データのALPの値のところをクリックし、グラフを出し、「正常値の上と下を行ったり来たりしてますね。でも、どんどん悪くなっているわけじゃないから、大丈夫。いろいろ薬を使っているから、しようがないところもあるし。折を見て、もっと詳しい検査をしてもいいけど」とのこと。グラフは、2009年からのもので、確かに正常値の線から下へ行ったり、上へ行ったりジグザグしていました。K医師が大丈夫と言うのなら、気にしないことにします。
それから、「レナリドミドとデキサメタゾンを服用する日の夜、足の裏にしびれを感じるんですが…」と言うと、「その痺れは、翌日には消えますか?」と聞かれ、「はい、消えます」と答えました。K医師いわく、「消えるならいいけど、長く続くようだと、レナリドミドの量を減らす必要があるので、言ってください」とのことでした。
あと、「最近、どんどん太ってきているんです。食欲があって、よく食べるし、ほとんど運動しないので、太るのは当たり前ですけど…」と私。「デキサメタゾンの副作用で太るっていうのはありますしね」とK医師。
でも、そのまま、次の診察日の話へ。それで、私は思い切って、
「デキサメタゾンをこのまま飲み続けなくてはいけませんか?」と尋ねると、
「えっ、減らしたい? うーん、そうですね、減らすのも悪いアイデアじゃないなー。今、フリーライトの値はプラトーだし、維持療法だと考えて、デキサメタゾンを減らして様子を見てみるというのもいいかもね。じゃあ、とりあえず半分にして、2週間たって良かったら、またその半分にして…」とK医師。
「良かったらって、どういうことですか?」と私。
「気分が悪くなったり、変なことが起こらなかったらということです」とK医師。
というわけで、デキサメタゾン2mgを週3回服用でしたが、これを1mgに減らし、2週間後には0.5mgにすることになりました。今は、4mgの錠剤を半分に割って飲んでいます。これを更に半分に割るのは面倒なので、「新しい処方箋をください」と言って、処方箋を書いてもらいました。
「次の診察は3ヵ月後ですか?」と尋ねると、「薬を減らしたから、様子を見たいので、2ヵ月後で」とのこと。
12月の初めに、次の診察日の予約をとりました。
今まで良好で来ていただけに、薬の分量を変えるのはちょっと不安もありますが、あまり太りすぎるのは嫌だし、デキサメタゾンを飲んだ日は夜あまりよく眠れないので、これらが改善するのではないかという期待があります。
ちょっとした実験ですね。





映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう」

2011-10-03 11:07:02 | Movie
ロッテルダムのCMERA JAPANのイベントで見た最後の映画は、「酔いがさめたら、うちに帰ろう」(Wandering Home)でした。見たいと思っていた映画で、見れてよかったです。
鴨志田穣の原作であること、彼が病気ですでに亡くなっていること、彼の(元)妻が西原理恵子さんで二人の小さな子どもがいたことなどは、映画を見る前に知っていました。
彼がアルコール依存症になって、西原さんと離婚して、入院して、腎臓ガンに冒される頃を、この映画は描いてます。実名ではないので、脚色はあるとは思いますが、かなり現実を反映していると思います。
かなり過酷な悲劇的状態でありながら、映画はユーモラスさでいっぱいです。
また、奥さんが夫を思う気持ちがひしひしとあって、「悲しさ」と「嬉しさ」の区別がつかなくなるような目いっぱいの状況に置かれてしまったとき、それでも淡々と日々を過ごしていかなくてはいけない、人間のしんとした強さに、レスペクトを感じます。
ひとことで言って、良い映画でした。
主人公がカレーが食べたくてしようがないシーンが出てきますが、カレーライスって、日本人のソウルフードですようね。私もときどき、むしょうに食べたくなるので、気持ちがよくわかりました。
監督は、東陽一。出演は、浅野忠信、永作博美など。キャスティングもよいなと思いました。クリニックの医師の役を利重剛がやっていて、なんかぴったりと思ってしまいました。
体調は良好。




CAMERA JAPAN@アムステルダムへ

2011-10-02 09:59:22 | Wblog:お出かけ
夏が舞い戻ってきたような晴天で気温も高い日曜日、またまた日本映画が見られるということで、アムステルダムのKriterionという映画館へ出かけました。CAMERA JAPANというイベントです。
Kriterionという映画館には初めて行ったのですが、かなり年季の入った映画館です。つまり、建物が古い。でも言い方を変えると、風情のある映画館です。
ロッテルダムで、他の人がCAMERA JAPANの出し物のブランチを食べていて、夫が食べたいといったので、アムステルダムではブランチを予約していました。それで、11時頃に映画館に到着。ブランチの列に並んだのですが、出てきたのは、一種類の巻き寿司と、ナスの天ぷらとエビの天ぷらのみ。係の人は、後でいろいろ出てきますからと言ったのですが、待てども待てども出てきません。まあ、お腹はあまりすいていなかったので別に問題はないのですが、ロッテルダムで6種類の手の込んだ料理が載ったプレートを見ているだけに、その落差にちょっとびっくり。そのうち、係の人が「キッチンに問題があって、お料理が出せなくてすいません。コーヒーや紅茶を無料にしますから、どうぞバーで注文してください」とのこと。それで、私は紅茶をいただきました。
12時から映画が始まるので、移動。そこで、係の人がアナウンス「映画が終わったあと、お料理を用意しておきます。その際のコーヒーや紅茶もご自由にお飲みください」とのこと。見た映画は、「トロッコ」(Rail Track)でした。
映画が終わって、すぐにカフェへ。プレートに、さっきと同じ巻き寿司が4個。大根の天ぷら、ナスの天ぷらなどと、生野菜のサラダ。大根の天ぷらとサラダは前回なかったけど、これといって珍しいものはなく、がっかり。巻き寿司もあまり美味しくなかったし…。でも、まあブランチ+映画で12ユーロというのは破格だから、あまり文句も言えません。
2時半からは、「海炭市叙景」(Sketches of Kaitan City)を見ました。映画の感想は、改めて書きたいと思います。
5時に終わって、6時の予約のレストランへ。今回は、ミシュランスター1個を冠するTante Koosjeというレストランです。美味しい食事を3時間半堪能して、帰路に着きました。
晴天の夏のような日を映画館で過ごして、ちょっともったいなかったですが、日本映画とレストランというとても充実した日曜日でした。
体調は良好です。