旅するガーデナー

いつも五感を刺激し、喜怒哀楽、幸も不幸も、哲学も瞑想も、言葉にできない多くが存在する庭は私のパワー・スポット!

庭作り講座  「冬~早春の管理」

2017年01月26日 09時20分40秒 | ガーデニングセミナー

昨日は横浜イングリッシュガーデンのサポーター向け庭作り講座に参加してきました。
講師は河合伸志さん。
テーマは「冬~早春の管理」

「今日も寒いですね。でも、この寒さは植物には必要なんですよ。」
との言葉から始まりました。
「『春化』といって、冬の寒さを潜り抜けるからこそ、花は咲く」のだそうです。
例えばソメイヨシノのような(一般的な)桜は沖縄では咲かず、沖縄で咲くのは台湾系の寒緋桜で、早春に咲く河津桜もその系統なのだとか。
また「冬に寒い方が死滅する虫も多く、春に虫が少なくなる」のだそう。
昨年の暖冬を思い返してみると、春の虫の出もかなり早かったですよね。

草花類では「伸びすぎた枝は今切らずに春先に切るのが良い」とか、「未開花苗はなるべく冬の間に霜よけをして植え付ける」
サポーターさんから「(スーパー)アリッサムが枯れこんできている」との質問がありました。
河合さん曰く「そういったアリッサムは結実しないので長く咲き続けるけれど、短命な宿根草なので2~3年で枯れるのが普通」なのだとか。
挿し芽をして増やしておくのが良いそうです。
まさに我が家も同じような状態。あんなに咲いていたのに・・・
短命な宿根草」かぁ~アルアル

「多くの宿根草の株分けや植え替えは3月上旬が適期」との事。
公園のペンステモンの株分けはもう少し待とうっと
コニファーの葉色が錆びた色から緑に変わるころが適期の目安」だそうです。
なるほど~自然が適期をチャンと知らせてくれていたんですね

バラや他の植物も病害虫対策は早春がかなり大切で、3月上旬が、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニに薬剤散布すると有効とのこと。
中旬はバラゾウムシ対策のための薬剤散布も良いそうです。
「(早春に)一度(薬剤散布)するだけでずいぶん違います」と力説されておりました。
また、一口に農薬と言っても色々なタイプがあって、「虫に寄生するカビ」であるとか、「薬剤を虫が食べると消化不良を起こして死に至る」とか、「葉の表面がアルカリ性になる」など、人体に悪影響の少ない農薬もあれば・・・
忌避剤と称されても人体に悪影響がある物もあるので、散布の際は身づくろいに気を付けるのが賢明だそうです。
どんな毒性で効いているのか知ることで、賢い選択ができる」と仰っていました。
「(薔薇の)無農薬栽培では品種の選別を厳しくしなくてはいけないことを考えると、ポイントポイントを押さえて減農薬で育てるのが、個人庭では良いのではないか
個人で薔薇を栽培するのであれば、あまり神経質にならないように」とも。

そのとおりだよな~
私の進んでいる道は間違っていないんだと納得

今回も個々のバラの特性について、クレマチスとの関係について等々色々教えていただきました。
やっぱり薔薇は「一本一本」個性が違うと考えなくてはいけません。

 

座学の後はガーデンにてブッシュローズの剪定を実演してくれる河合さん。
迷いなく鋏が入ります

大きく育った大輪のブッシュローズ「ローズヨコハマ」の剪定後。
上から三分の二ほど切ったことになったかな


アイコニック・レモネードの剪定後。
コンパクトなバラは丁寧に鋏を入れなくてはいけません。

解説を聴きながら実際の作業を見るのが何よりの勉強です。
何回聴いても見ても、毎回が勉強だわ~私などは

 


 セミナー後にガーデンを散策。
ミニクーパーは春の花販売車みたい

ハッキリした色合いは元気が出ます。


ミツマタはまだ蕾。
来月サポーター活動に来る頃には咲き始めているかしら。


来年度のガーデンサポーターの更新もできて一安心

経験と勉強が続く私のガーデニング。
努力は裏切らない」と信じて、この道を行くんだもんね~

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イングリッシュローズの話を聞きに

2016年11月14日 14時10分42秒 | ガーデニングセミナー

週末は良く晴れて小春日和。
体調イマイチでしたが、横浜イングリッシュガーデンへデビッド・オースチン・ロージズ社のテクニカル・スペシャリスト平岡誠さんのお話を聴きに行きました。
正直いって、イングリッシュローズを自庭に導入する気はないのですが、知識として得ておくことは今後何かの役に立つかもしれません

イングリッシュローズの作出者のデビッド・オースチン氏や会社の紹介と、最新品種やお勧め品種など、美しいイングリッシュローズのスライドとともに伺いました。
生垣に利用できるイングリッシュローズや、花びらと香りの関係や、作出方法など、興味深かったです。
そしてどんなバラにも、美点と欠点があるのだと感じたし、欠点が美点であるとも感じました。
例えばハラハラ散る花びらをイングリッシュローズの欠点と捉えるか美点と捉えるかは、見る人の価値観の違いであり好みの違いであって、何人も否定できないし強要もできない・・・

大阪の泉南市のローズガーデンの写真から、また一つ素晴らしいローズガーデンが日本にできたのだと感じました。
一度は訪れてみなくては。

帰路の電車中、いただいたイングリッシュローズのカタログを見ながら「どうしたら俯いて咲くバラの味わいを理解してもらえるのか」と、ちょっと悩んだのでした。
まだまだ一般にはあの咲き様が浸透していないと感じるんですよね~


 

横浜イングリッシュガーデンではハンギングバスケットコンテストが20日まで開催されています。


人気投票も行われており、私は2番と27番に投票しました

シックな秋色のハンギングが好きですが、今年は白系の明るいハンギングに目が行きます。
今はそんな気分なのでしょうね。

 

秋バラもまだまだ綺麗に咲いています

今秋のイチオシは「ベルエポック」
花びらの陰影がなんともシック


ときめきガーデンも期間限定公開され、真っ赤なバラ達が美しく咲いていました。

 

シュラブガーデンを散歩すると、十月桜とバラのコラボがや

一本で花色の変化が楽しめる珍しい花型のバラを見つけたり

ガーデン奥のせせらぎに癒されたり

小春日和にホッコリするのも良いですね。

 

珍しいダイヤモンドリリーやブック型コンテナの展示が行われていました。

一昨日はこんなコンテナに、思わず頬が緩んで

 

今日はまたお天気が悪くなり、体もスッキリしませんが、夕方から雨の予報なので、午前中、堆肥や土を買ってきました。
いつ晴れた日にガーデニングできる時間ができても良いように

 

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育てる!味わう!ハーブの愉しみ

2016年07月18日 11時14分31秒 | ガーデニングセミナー

今日も午前6時半より小一時間ガーデニングしました。
あっと言う間に時間が経ちますが、背中が陽射しで暑くなったので早々にリタイア~

昨日は湘南T-SITEで催された、「育てる!味わう!ハーブの愉しみ」と題した、「趣味の園芸 やさいの時間」の講師でもある外山たらさんと奥様のミチコさんご夫妻のセミナーに参加してきました。

ハーブも色々育ててきましたが、だんだんと興味も薄れ、今はローズマリーをお料理にたまに使う程度。
せっかく育てているのに、というか、すでに野良生えのごとし・・・
こんなんじゃいけないな~
と日頃から思っているのですが、なかなか行動に移せません。

そんな時、なんだか美味しそうなセミナーが
せっかく湘南T-SITEの近くに住んでいるので、参加することに。

期待通り、美味しい楽しいセミナーでした

セミナーの準備をするお二人。

基本的なハーブの香りの嗅ぎ方から、栽培方法、お料理や日常での使い方など、「やさいの時間」のテキストに書かれていることを中心に、具体的にお話を伺いました。
ミチコさんのハーブの失敗談も参考になりました。

アップルミント入りの冷たいミントティーやレモン三兄弟(レモンバーム、レモンバーベナ、レモングラス)の暖かいハーブティを頂いたり、自家製バジルペーストの作り方も実演され、パンにつけて試食させていただきました。
市販の瓶詰品は何だったのだろうと思うぐらい、自家製のバジルペーストはとっても美味しかった
お替りしちゃいました

他にもハーブを使ったうがい薬等、作り方はテキストにも書かれていますが、実際に作られたものを見たり、作る様子を見たりすることで、物忘れしがちの私などは、映像などより強く印象に残ります。
そして、一寸は知っているつもりでしたけど、知らないことも多々あることに気づかされますし、ハーブの利用に意欲が湧いてきました。
旧花の空き地にアップルミントを採りに行こうかな・・・などなど。

後半はたらさんがハーブの寄せ植えの実演を。
たらさんはお酢を20倍に薄めて、無農薬農薬として使っているそうです。
これは早速試してみなくては


このセミナーは参加費が必要ですが、それはNHKのテキストとハーブの苗のお値段かと。
「やさいの時間 100号」には、ハーブの利用方法が沢山載っているんですよ。

外山たら方式で、一寸可愛らしいハーブの寄せ植えを作ってみようと思います。

とても楽しく、何だか得した気分のセミナー。
学んだことを活かして、生活をより豊かにできたらいいな~

 

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な~んて、いい気分で、帰路のついでに公園に寄ったらローズガーデンが酷いことに
彼是一か月、なんで職員は一本の雑草もとれないんだろう・・・
心が折れそうになりました


しかし、今朝は立ち直り、まずは庭の蕗を収穫。


ハーブじゃないけど、見るだけじゃなくて、味わわなくちゃね

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グレッグ・ラウアリー氏のトークショー

2016年05月26日 14時31分07秒 | ガーデニングセミナー

昨日は、横浜イングリッシュガーデンへバラの歴史のお勉強へ行ってきました。
「中国のバラはアメリカのバラをどのように変貌させたか」と題したグレッグ・ラウアリー氏のトークショー。
「バラの知識でいま彼を超える人はいない」と言われる方だそうだし、国として歴史の浅いアメリカが何故中国のバラと関係するのかしらん
そんな単純な興味本位で出かけました。

しかし、ラウアリー氏のお話は「世界バラ会連合でのセミナーで話した内容とほとんど同じ」との出だしで・・・
アレレそんな権威ある会合での話なの
ムムッ難しいのか

そして、氏は三つの質問を投げかけました

1 Why are the old roses the roses of the wild?
2  Why are the most ancient roses of China the old roses of Europe?
3 Why are the most modern roses of Europe the old roses of China?

「まるで禅問答」とは通訳の御巫さんの言葉。

質問1の答えは、野生で育っているバラの中から、赤い50枚の花弁をもつ「美しい」バラを見つけたのが始まりだから。
そのバラはロサ・ロクズブルギーという中国の野生種(和名 十六夜薔薇)だそうです。
一重咲きの野生種の突然変異ではないか、との事。

バラの魅力は、一に色、そして香り、形、大きさなどあるけれど、より魅力的なのはその歴史です。
と、ラウアリー氏

 

18世紀に中国からヨーロッパへ4つのバラが渡りました。
それをフランス人やイギリス人がアメリカ大陸に持ってきました。
4つのバラは寒さに弱く、アメリカでは南部でバラが良く育ったそうです。
当時は南北戦争前で、南部の大規模農家が庭で薔薇を育てていたのだとか
(もしかしてレッド・バトラーがスカーレット・オハラに送った薔薇はチャイナローズかも・・・

チャールストンで(繰り返し咲きの)最初のバラJohn Champneysが作出されたそう。
つまり四季咲き性を持つモダンローズは今まで「ガリカ(ヨーロッパの野生種)×チャイナ(中国の野生種)」と考えらえていたのですが、実はガリカローズはモダンローズの役割は担っていない、との事。
ダマスクローズもムスクローズもどちらも原産地はヨーロッパだと思われていたけど(それは確立されておらず)実は中国のオールドが起源ではないか
というのが 質問2のザックリとした答え。
(マリーアントワネットが育てていたベルサイユのバラはチャイナローズかも・・・

「バミューダミステリーローズ」や「アメリカで自然交配でできた品種ボルティモアベル」の話など、とても興味深かったです。
そして、そう考えると、チャイナローズの交配が繰り返され、1820年に作出された「ホワイト・ブルボン」こそ最初の現代バラ(HT)になると氏は考えている(というか結論付けている)そうです。
つまりヨーロッパのバラは一つも現代バラに帰依しておらず、中国のバラが独自の発展をしていきただけというわけ。
それが質問3の答えになるのでした。

この今まで信じられていたバラの歴史を覆す考えに至ったのは、中国人の王国良氏が中国の野生種等を絵画や文献から調査したり、[ローズ・ラスラーrustler(バラドロボウ)」と呼ばれるほど多種のバラを採取した結果によるものだそうです。

王国良さんと採取する様子と野生種など紹介するラウアリー氏。


日本人研究者が遺伝子レベルで調査しているそうなので、それも含めて、いつか真実が明らかにされるのではないかしら。
長年ヨーロッパから発信され続けてきたバラの歴史を覆す・・・なんともアメリカン
ヨーロッパからの抵抗はあるかもね。

何だか、国際薔薇歴史ミステリーを聴いているような氏の説に、頭の中がパンパンになってしまいましたが、とても面白かったです
横浜でこのような学術的な話を聴けるなんて、凄く得した気分
セミナー後、参加者とラウアリー氏とで記念撮影しました。

だいたいこんな印象のお話でしたが、間違いに気が付いた方は、ご連絡ください。


ふう~
その後、ガーデンに出て、疲れた脳をリラックス。
話に出てきたオールドローズの十六夜薔薇

YEG内にて自然交配のマリコ・ローズ(仮)

名残りのバラの花吹雪を浴びながら、大アーチをゆくと、気分がスッキリ
夕方のガーデンは人が少なくて、香りを独り占めした感がありました。

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帰りの電車で、セミナーの内容を復習しながら、ついつい妄想が

研究者 ハリソン・フォード
協力する女性庭園主 シャーロット・ケイト・フォックス
日本人遺伝子研究者 ケン・ワタナベ
原種バラを採取する中国人 ディーン・フジオカ

このキャストで、インディジョーンズ張りの冒険ミステリー活劇なんかどうかしらん

ヒール役のフランス人はね・・・

お後が宜しいようで


 

 


河合伸志さんの出版記念トークショー

2016年03月21日 16時31分41秒 | ガーデニングセミナー

昨日午後、横浜イングリッシュガーデンへ河合さんのトークショーを聴きに行ってきました。
新しい河合さんの本『初めてのバラと草花で作る庭』が発行されたので、その記念のトークショー。
本の主たる舞台がサポーターをしている横浜イングリッシュガーデンなので、それもチョッピリ嬉しくて

トークショーの始まりはガーデン巡りから。
河合さんの説明を伺いながらのガーデン散策。
お天気が良くてとても気持ちが良かったです。

大アーチの下はチューリップとスイセンのディスプレイ。

「ゼロから作るバラと草花の庭」の章のサンプルとなった通常は入れないプライベートガーデン。
本の中ではこの庭の一年を追って、プランニングからバラや草花の植え方、季節季節のガーデンの変化等々紹介しています。

コンセプトガーデンでは、各ガーデンの色合いに似合ったハンギングバスケットが掛けられています。
多くのバラを植えながらも、ゴチャゴチャしない印象にするには、色に統一感を持たせるのが大事なのだとか。
確かに


今月の27日まで、イースター装飾が行われます。
可愛い玉子が一杯で、春のお祭りらしいです。


このガーデンは薔薇だけでなく、珍しい花木もたくさん植えられています。
ベニスモモの花が満開で綺麗でした

日向水木が枝を伸ばして花を咲かせていました。
背景のヘレボルスの丘では、花が満開に

桜も何種類も植えてあり、早咲きの「春月花」は8分咲き。
薄ピンク色が可愛らしく、あまり大きくならない品種で、扱いやすく実が食べられる桜だそうです。

横浜はまだ桜の開花宣言は出されていませんでしたが、ガーデンのソメイヨシノは咲きだしていました。

昨年はユーフォルビアの丘、早春はスノードロップ、そしてスイセンやシラーシベリカの咲く丘では、早咲きのツツジ「吉野」が満開
この桃色のツツジは横浜産だそうで、国際的な花の博覧会「フロリアード」で金賞をとった素晴らしい品種だそうです。

プレミアムビオラもまだモリモリ咲いています。


そんな散策が終わった後、スライドを観ながら河合さんのトークが始まりました。

私、河合さんのお話は、ガーデンサポーター向けセミナー他で、何度も聴いているのですが、毎回何かしら新しい発見があるの
本に書いてあることだけでなく、更に詳しい「行間」のようなお話を聴けるのが、面白くて足を運んでいます。
その「行間」は、本を読んだだけでは得られない興味深い話だったりしますから

河合さん曰く「センスというのは様々で好みだから、さほど気にしない」けれど、「植物の特性はしっかり知って」庭作りすることが大事だとのこと。

そして・・・

「庭は管理する人を映す鏡です。
他人の真似ではなく、自分らしいオリジナリティ―溢れる庭造りこそが、真の庭作りです。」

まさに、我が意を得たり
この先生に学べて良かったと思ったのでした。

勿論、本を買いましたよ
サインも貰っちゃいました。

さて、この本、自分のためだけでなく、長女や、何より公園のボランティア活動でのプレゼンテーションに活用しようと考えています。

私の新し庭作りも3年目に入ろうとしています。
我が家のバラも草花も綺麗に咲きますように

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ペリー・ロドリゲス氏のトークショー

2016年03月03日 15時43分51秒 | ガーデニングセミナー

昨日は午後から横浜イングリッシュガーデンへ、「イギリスの誇る名園 グレートディクスターにみるイングリッシュガーデンとは」と題したトークショーを聴きに行ってきました。
グレートディクスターガーデンは100年以上前に造られたイングリッシュガーデンの名園。
そのガーデンの元ガーデナーで今はビジネスマネージャーのペリー・ロドリゲス氏のトークショーで、通訳は日本人ガーデナーの佐藤麻貴子さんが勤めました。
スライドを観ながら、グレートディクスターガーデンの歴史や造った人々と引きついできた人々の考え方、デザイン、植栽などなどについて伺いました。

1910年、ナサニエル・ロイド氏と妻のデイジーがこの地を屋敷(1460年築)とともに買い取り、庭と建物を改築したのが始まりで、現在イングリッシュガーデンでよく見られるガーデンルーム様式は、当時はとても画期的なデザインだったようです。
ナサニエルが造った堅い構造物を、デイジーが草花で優しい雰囲気にしていったのだそう。

その後、この夫婦の末っ子で、超有名ガーデナーのクリストファー・ロイド氏が、このガーデンを引き継ぎ、植栽を発展させました。
「色彩のパレット」と呼ばれる豊かな色合いのガーデンになったのは、クリストファーの考え方のせいで、常に見ごたえのあるガーデン作りをし、今も続いているそうです。

クリストファー・ロイドという人は、友人に「ピンクと黄色の組み合わせは合わない」と言われると、俄然その色合わせに挑戦したくなる方だったそうで、そのせいでガーデンの植物の色彩がピンクと黄色になったとか、とにかく挑戦のお好きな方だったようです。

そしてクリストファーの亡きあと、ヘッドガーデナーのファーガス・ギャレット氏がその考え方を継承し、現在に至っているとのこと。
ファーガスもクリストファーに劣らないハイ・エナジーな方のようです。

スライドを観ていると、当時のガーデンを率いる人の考え方でガーデンの雰囲気が変わっているのが明らかで、それも面白かったです

私が意外だったのは、一時間半のトークショーの中で、約半分の時間を使い、グレートディクスターガーデンの「ワイルドフラワーメドウ」について話されたこと。
6エーカーのガーデンのうち4エーカー(三分の二)がワイルドフラワーメドウなんだそうで、このメドウを、非常に大切に考えているとのこと。
(写真左側がメドウで右側がボーダーガーデン)



2月にはクロッカスやスイセン、3月はミニアネモネなどの小球根花の咲くガーデンが

その後はワイルドフラワーで覆われます。



クリストファーはワイルドフラワーメドウを作るのに5年ほどかかったそうです。
トピアリー&ワイルドフラワー(=ハード&ソフト)の組み合わせだったり、他のメドウのエリアも含め、グレートディクスターは、ワイルドフラワーメドウをたいへん愛しているそう。
そこでは植物や虫などの生態系の保存&学習、かの地に自生する希少種植物の保全などにも力を入れているそうです。
メンテナンスにおいては、あまり作りすぎないよう配慮し、種が熟しこぼれたのを見計らって刈り込んだり、メドウで必要でない植物は人の手で排除しながら、植物が風に吹かれてソヨソヨとなびく自然な風景を維持しているのだそうです。

やはり人の手が入ってこその、美しいワイルドフラワーメドウなんだと確信しました

他にもナーセリーについてやロングボーダーの移り変わり等々、スライドを観ながらトークは続きました。
トークショーの一時間半、無駄な話は一切なしの、充実した内容でした

聴き終わった後は、グレートディクスターガーデンへミニトリップした気分とまではいかないけれど、これで「予習は完璧」
そして昨年イギリスのガーデン旅でも感じた「イギリスの人々のガーデンに対する燃えるような情熱」を思い出しました。

ワイルドフラワーメドウ・・・イギリスのガーデンも含めていくつかの場所で見たことがあるけれど、今までで一番素敵なメドウは「宝塚ガーデンフィールズ」だったな~
風に吹かれてソヨソヨとワイルドフラワーと風がハーモニーを作っているみたいな・・・

あんな風景にまた出会いたい。
一層グレートディクスターを訪れたくなりました。
とはいえ・・・いつ行けることやら

水曜日、横浜駅からの無料バスが無いなか集まった方々は、関係者マニアックフアンそしてサポーター
聴きたい人はちゃんと来るんだね~

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バラのプロが教える特別講座

2016年01月16日 22時07分40秒 | ガーデニングセミナー

今日は再び横浜イングリッシュガーデンへ出向いて、河合伸志先生の「誰にでもわかりやすい冬のバラのお手入れ講座」を聴いてきました。
何度か講座は聴いたことがあるのですが、一度ですべてを覚えきれないので、繰り返し聴いて身に付けたいと思って。
無料なので気軽に参加できますしね

バラの冬の作業について「鉢替え」「蔓バラの剪定・誘引」「ブッシュ樹形とシュラブ樹形の剪定」「施肥」などの説明と実技がありました。
特に冬剪定は、株の状態を観察して、その株に合った剪定をしなければならないこと。
その枝の見極め方を実際の作業で見せてくれたので、特にわかりやすかったです。

シュートが出やすいバラと出にくいバラでは、剪定の仕方が違うこと。
鉢植えのマルチングはお勧めしないこと。
剪定に迷ったら切らない方を選ぶこと(これは気を付けなくては私)
肥料は有機肥料を使う事・・・etc.

基本を押さえながらも、バラの状態に合わせて作業することが大切だと再確認しました。

話が明快なのも河合先生ならでは。
実際の冬のバラの鉢植えを使って、剪定する枝しない枝の選び方を教える河合先生。

講座の参加者の数々の質問にも丁寧に答えてくれました。

バラの冬の作業の後は、大型コンテナにバラと宿根草を植える方法。
コンテナにバラを2本植える場合、同じような性質のバラを植えないと両方が上手く成長しないので、同じ品種か、その枝変わりを選ぶのが成功の秘訣だそうです。
コンテナのバラは「うらら」とその枝がわりのバラ。
下草に植える宿根草は、バラが咲いていない時期でも花を咲かせる品種がお勧めとか。
この度は宿根ネメシア(栄養系)とエリゲロン、ブラキカム、ヘデラ、ヒューケラなど。
ヘデラなど数株植える場合は、同じ葉模様にしてしまうと、公園のような印象になるので、違った葉模様を植えるのがお勧めのようです。

後はセンス~


このコンテナは横浜くらし館横のスペースに置くそうですので、ガーデンに行く度に、観察しようと思います。

近年、本で読んだだけでは頭に入らないことが多いので、テレビや実技など、目から耳から覚えないとね~
近くでこうした「バラのプロフェッショナル」の講座があるのは、本当にラッキー

今回学んだバラのお手入れを、自宅でも、ボランティアをしている公園でも、実践しなくっちゃ
こうしてブログに書くことで、さらなる記憶の定着が図れるはずだよね

 

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ポール・スミザー氏のセミナーへ

2015年11月10日 10時36分23秒 | ガーデニングセミナー

8日(日)

滅多に有料のガーデニング講座には出向かない私ですが、この度は珍しくスケジュールが合ったので、京王フローラルガーデンアンジェでのポール・スミザー氏のセミナーへ。
以前、講演や、偶然お会いして話を伺ったり、何度かメディアで拝見し、スミザー氏の考え方に共感していたので、一度ガーデニングの講座も受けてみたいと思っていたの。
午前中は座学、午後は実技で、お弁当付き。

午前の講座では、初めにガーデニングで使う道具の紹介と、その使い方、メンテナンス方法など教えていただきました。
特に細身の山菜掘りナイフと尖端が平らになっている株分け用のスコップは初めて見ました。
プロにはプロの道具があるのですね~

秋の庭仕事として、まずは庭木の剪定について。
ユキヤナギを例にして、説明がありました。
「地上〇〇センチで角刈りになってるのを見るけれど、それはダメで~」と、続く話は、スミザー氏の面白口調が絶好調
ユキヤナギなどの旧枝咲き(前年の枝に花が咲くタイプ)は、古太枝を強剪定し、今年出た新枝を残すと、翌年沢山の花が本来の雪柳の姿で咲くとの事。
透かし剪定とでも言うのでしょうか
強剪定と弱剪定を使い分け、2年越しで剪定を考えると良いみたい。

バラに関しては、現在は使えない農薬が増えている事もあり、耐病性のある品種、例えばハマナスを植えると良いとか。
アブラムシがついても少しの間我慢するとテントウムシがやってきて、アブラムシを食べてくれるので、農薬を使わずに済むとか。
その後の話では、シジュウガラの子育てではものすごい数の虫が必要なので、庭で沢山虫を食べてくれると、農薬は必要ない云々。
スミザー氏の持論でしょうね。
「オールドローズについては、皆に愛されているから今も残っているだけの弱い品種もあり、オールドローズすべてが強いわけではない」と言われ、至極納得
木に絡まっているバラは、その棘が樹皮に刺さって、そして階段を上がるように登って行く・・・という話も興味深かったです。

他に、多年草の株分けや切り戻し、スギナの駆除の方法や、雑草よけのマルチング等々、氏の絶口調は続きましたが、細かく記載すると長くなるのでこの辺で

テキストとしてスミザー氏の「ナチュラルガーデンをつくろう!」が必要で、購入したらサインしてくださいました。
丁寧で可愛いイラスト付き

「ナチュラルガーデン」とは、単に自然風に見える庭ではない・・・と、この本を読めば彼の考え方が良くわかると思います
講座ではあまり使わなかったんですけどね


午後からは実技でしたが、雨のためもう少し座学をしてから始まりました。

アンジェの庭に出て、樹木の状態の見方、剪定の仕方等の説明と、実際に剪定してみせるスミザー氏


かたまりになった球根を掘り上げて、分球し、植え方の説明している様子。
山菜掘りナイフが大活躍で、一つ買おうかと思いました。


カレックスを株分けする様子。
株分け用スコップも役立っていました。


小一時間の実技でしたが、結構寒かった~
でも有意義な時間でした。
なにより彼の自然と植物に対する愛情を感じたし
セミナールームに戻り、更に質問を受け、終了

今回は、庭仕事の講座でしたが、いつか彼のガーデンについての考え方もじっくり聴いてみたいものです。
清里の庭にも行ってみたいわ~
とっとりは遠いわ~

アンジェの講座は春にもあるそうなので、興味のある方は是非チェックしてみてね

それにしてもアンジェは、相変わらず雑然とした部分が目立ちました。
花壇内のスギナぐらいちゃんと駆除したらどうなのだろう
有料ガーデンの基本じゃないのだろうか・・・


今朝、我が庭でシジュウガラを一匹見かけました
旧庭では毎日のように見ていたのにな~
これからは番で、そしていつか家族で来てくれますように~ 旧庭のように。

 

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英国フェア開催中 ~ in 横浜イングリッシュガーデン

2015年11月09日 11時30分41秒 | ガーデニングセミナー

週末はアッチとコッチにガーデニング関係のお話を聞きに出向き、大忙しでした
流石に疲れました~が、とても楽しい時間でした

7日(土)

只今「英国フェア」開催中の横浜イングリッシュガーデンにて、元駐日英国大使館大使公邸専属庭師濱野義弘氏のトークショーを聞きに出かけました。

濱野氏は25歳の時求人広告で知って申し込み、英国大使公邸の庭師となられたそうです。
その当時は100坪の日本庭園が在ったのだとか。

大使や大使夫人の要望に応えるために、アチコチに桜の木を探しに出向いたり、大使が替わると庭の好みも変わるので、それまで植えていた木々を抜いて草花を植えたり・・・苦労も多々あったみたい。
英国の国旗であるユニオンジャックを意識して、植栽のカラーイメージを考えられたりしたそうです。

また、濱野氏がヘッドガーデナーをされていた間には、チャールズ皇太子やダイアナ皇太子妃(当時)がお見えになったり、浩宮(現皇太子)さまもご一緒だったりしたそうで、当時の写真が紹介されました。

スライドショーで紹介される英国大使公邸の庭には沢山の桜が咲いていて、ちょっと意外でしたが、皆さん桜は大好きなのだとか。
英国=薔薇というイメージが先行していましたが、大使公邸の庭はそれだけではないのだ、と感じました。

その大使公邸の庭が公開される機会もあるらしいので、一度濱野氏が丹精した庭を見てみたいです。

 

和やかなトークショーの後、ガーデンを散策。

この度はミニチュアスモールガーデンハウス制作でも知られている「Piece of Mind」の作品が展示されています。
このコニファーとミニチュアハウスの壁掛け(額縁)ハンギング、とっても素敵
絵画のよう


YEGのガーデナーN氏デザインのステンドグラス。
この写真だけ見ると、英国っぽい風景では





イベントの植栽ではいつも大活躍のミニクーパー。
ニシキギとスズランの木の紅葉が、秋の風情を醸し出してる


ガーデン奥の池では「Piece of Mind」のミニチュアスモールガーデンハウスで作られた英国コッツウォルズの街並みが再現されています。
良くできています
6月に訪れたコッツウォルズの風景を思い出しました


芝生広場ではワンダーデコールの置物も多数展示されています。
お気に入りのオブジェが見つかるかも


ガーデンでは秋バラとともに十月桜が咲いていました。




桜を楽しめるのは春だけじゃないのよね~


もちろん秋バラと紅葉も


コスモスもダイヤモンドリリーもまだ楽しめそう。


世の中はハロウィーンが終わったらいきなりクリスマスムードになって、あまりの季節の先行&売らんかなムードに正直ゲンナリしていたのですが、こうした落ち着いたイベントは、大歓迎かな
恒例にしてもらいたいわ。

いつもはボランティアのついでに一巡りするガーデンも、お客さんで巡ると違った印象に見えるから面白いわ

 

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ローズガーデンの魅力とデザイン~白砂伸夫氏のトークショー

2015年05月04日 10時02分39秒 | ガーデニングセミナー

昨日の午後は、長女と横浜イングリッシュガーデンへ。
ランドスケープアーキテクトの白砂伸夫氏のトークショーを聞いてきました。

大学の先生という事で、堅いお話なのかと想像していましたが、ユーモアを交えたトークは親しみやすく、そして勉強になりました。

その中から私の印象に残ったことを少し書きだすと・・・

素敵なローズガーデンを作るためには、品種選びが大事。
今までのローズガーデンはHTやFLが主として植えられてきたけれど、バラには様々な系統があり、色々なタイプのバラを使う事で、今までにない色々な表現が可能になる。
バラの品種では丈夫でよく茂るタイプ(小輪、一期咲きなど)が7割&大輪四季咲き系は3割で。
そしてガーデン全体ではバラを5割、他の植物を5割にすると、120%の素晴らしいローズガーデンができる。
特に、バラと宿根草などの混植デザインは生態学的にも理にかなっており、色彩の可能性は無限に広がる、とのことです。

氏のデザインされた有名なローズガーデンをオーケストラのイメージで例えられていたのも興味深かったです。
アカオハーブ&ローズガーデンは<バラの協奏曲>
ハウステンボスローズガーデンは<バラの交響曲>などなど
この中でアカオのローズガーデンの園路の狭さを取り上げ、「園路が狭いとバラとの親近感が強くなり、広いと親近感が無くなる」とか「狭いスペースでは高さがある演出がカッコ良い」など、一般の庭にも応用できるお話が多々ありました。

「10各国大使と大使夫人のガーデニング」の際は、各大使夫人との一時間余りのお話の中から、イメージを色鉛筆で描きそれを元にガーデンをデザインするそうです。
それを何年にもわたって続けてこられたのです・・・素晴らしいわ

他に無農薬栽培のローズガーデンについてのお話も面白かったし、氏が学生の頃、建築学で学んだ「作庭記」「三冊子」から応用した言葉も興味深かったです。

他にも様々な有意義なお話がありました。
もう少しお話を聞きたかったかな

将来、白砂氏のデザインしたローズガーデンを訪れる際は「ここは、オーケストラなら何曲だったけ~」などと思い出しながらガーデンを味わおうと思います。

2017年の横浜での都市緑化フェアの一部会場の監修もされるみたい
それもとっても楽しみです

 

           

 

トークショーの前後に横浜イングリッシュガーデン内を散策

もうつるバラが沢山咲き始めていました

 


シュラブガーデンのハクロニシキの新芽が木漏れ日の中輝いて


ガゼボの屋根を赤い蔓バラが覆っています。
白砂氏の言うように、花だけでなくガーデンの他の要素との組み合わせも大切
柳の新芽とのコラボレーションも素敵だったのね


黄色い芍薬とエルサレムセージなどの黄色系のコーナー。
同色系のコーナーも、色合いの違いや形や咲き様の違いなどを組み合わせて豊かな雰囲気に。


つるバラを樹木に誘引し枝垂れるように咲かせています。
これも「バラの特性を生かした演出」ですね。


トークショーの後ガーデンを歩くと、白砂氏のお話がリアルに体験できて、更に勉強になりました

 

ガーデンでは珍しい八重咲きの藤も咲いていました。

昨年の今頃は新家の引越しにかかりっきりで、ガーデンに足を向けていないので、変化を見ることができなかったんだと実感。

 

ガーデンは生き物.
だから同じ時期でも少しずつちがう。

いや~ガーデンって本当にオモシロイですね。
また来週~   

 

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