太宰治生誕百周年記念企画「津軽」の旅・完全版。
第一回は太宰治記念館「斜陽館」です。
今年は太宰治生誕百周年として、各種メディアで様々な特集が組まれていました。
今更太宰治について語るのもナンセンスでしょうし、そもそもそんなに読書を好むほうではない自分にとって、太宰治も代表作を数作しか読んでないので語るほどの知識もないわけですが。
それでもとりわけ太宰作品で一番好んでいるのは「津軽」です。
「津軽」は基本的に風土記ですが、小説、歴史書、日記、エッセイなど色んな側面を見せており、太宰治の郷土愛や生い立ちを知ることも出来る異彩を放った作品となっております。
舞台はもちろん津軽地方であり、生家のある金木を始め、蟹田、今別、三厩、木造、鯵ヶ沢、深浦、五所川原、小泊と、津軽半島一周を旅し、思慮深くドラマチックでユーモラスに描かれています。
去年の冬に数日掛けて「津軽」の旅を敢行した事があり(当ブログ参照)、津軽の新しい魅力を垣間見る事が出来ましたが、しかしながら旅するに当たり、「津軽」を読み返す事もなく、旅先の目的地について何ら調べることなく場当たり的に見切り発車で出発したもんだから、「津軽」で紹介されていた重要な寺院などに訪れるのを忘れていたので、今回太宰治生誕百周年も手伝い、リベンジを兼ねて改めて「津軽」に登場する観光地巡りをしたいと思います。それも1日で!!
朝7:00起床し、8:00に友人を迎えに行き、金木に向けて出発。
今回は前回と違い、友人と一緒に観光します。
この友人は太宰治の熱烈な愛読家であり、ほぼマニアの域にまで達しており、太宰治検定で99点を採ったほどの太宰についての豊富な知識を持ち合わせているので、一緒に巡ったら数倍楽しいだろうとの事で誘いました。
天気はあいにくの小雨でしたが、これ以上悪天にならぬことを祈りつつ、なんだかんだで金木の斜陽館へ到着。
斜陽館は太宰治の生家であり、その後旅館に変わりましたが、現在、太宰治の記念館として金木の一大観光地になっております。
「斜陽館」という名はもちろん太宰の代表作「斜陽」から採られています。
2004年に国指定重要文化財に指定されました。
過去2回ほど入った事がありますが、外観からして豪華絢爛。金木町に全く似合わない、この建物だけ町から浮いている感覚すら覚えるほどの大豪邸です。
開館時間すぐに入館したので他の観光客は誰もおりませぬ。
厳冬期以外のシーズンであったら観光客が溢れるこの斜陽館は、太宰治生誕百周年もあって、特にねぶたシーズンは行列が出来るほどに賑わってたみたいだが、さすがにこの時期の開館時間すぐだったから貸切状態でした。
まず長い土間を歩き、座敷に上がってから、蔵の展示室へ。蔵の2階にも展示室あり。
展示室には着物、書簡、太宰の小説本が多く展示しております。
和室を通り、2階へ。2階もだだっ広く、部屋数多し。
中には洋室もあり、格式の高さを窺えます。
一階へ下り、仏間、茶の間を通り、また土間へ。
期間限定で、離れた蔵でも様々な太宰関連の展示をしてました。
休憩室では太宰についてのビデオが流れてます。
建築物自体が豪華で格式がありますが、個人的には装飾の壷や、書画が気になりました。
中島誠之助や安河内眞美に一軒まるごと鑑定して欲しかったもんです。
こんな大豪邸で太宰治は幼少期に過ごし、如何に人格形成が偏屈になってしまったかを推測出来るかと思います。
太宰は蟹田、今別、三厩を旅した後でこの生家に帰ってきます。
心中騒動や薬物中毒で、太宰は家族に迷惑千万をかけているので、兄弟、特に長兄との関係は良かったはずもありません。
それでも兄2人と、姪っ子のお婿さんと酒を交わすシーンがあり、ここがまた笑えますので、最後にその中でもこの生家について語った一文を紹介してこの記事を締めたいと思います。
~金木の生家では、気疲れがする。また、私は後で、こうして書くからいけないのだ。肉親を書いて、そうしてその原稿を売らなければ生きて行けないという悪い宿業を背負っている男は、神様から、そのふるさとを取りあげられる。所詮、私は、東京のあばらやで仮寝して、生家のなつかしい夢を見て慕い、あちこちうろつき、そうして死ぬのかも知れない。~
続く。
入館料・500円
住所・五所川原市金木町朝日山412-1
電話・0172-53-2020
開館時間・9:00~17:00(5月~10月は8:30~18:00)
休館日・12月28日
第一回は太宰治記念館「斜陽館」です。
今年は太宰治生誕百周年として、各種メディアで様々な特集が組まれていました。
今更太宰治について語るのもナンセンスでしょうし、そもそもそんなに読書を好むほうではない自分にとって、太宰治も代表作を数作しか読んでないので語るほどの知識もないわけですが。
それでもとりわけ太宰作品で一番好んでいるのは「津軽」です。
「津軽」は基本的に風土記ですが、小説、歴史書、日記、エッセイなど色んな側面を見せており、太宰治の郷土愛や生い立ちを知ることも出来る異彩を放った作品となっております。
舞台はもちろん津軽地方であり、生家のある金木を始め、蟹田、今別、三厩、木造、鯵ヶ沢、深浦、五所川原、小泊と、津軽半島一周を旅し、思慮深くドラマチックでユーモラスに描かれています。
去年の冬に数日掛けて「津軽」の旅を敢行した事があり(当ブログ参照)、津軽の新しい魅力を垣間見る事が出来ましたが、しかしながら旅するに当たり、「津軽」を読み返す事もなく、旅先の目的地について何ら調べることなく場当たり的に見切り発車で出発したもんだから、「津軽」で紹介されていた重要な寺院などに訪れるのを忘れていたので、今回太宰治生誕百周年も手伝い、リベンジを兼ねて改めて「津軽」に登場する観光地巡りをしたいと思います。それも1日で!!
朝7:00起床し、8:00に友人を迎えに行き、金木に向けて出発。
今回は前回と違い、友人と一緒に観光します。
この友人は太宰治の熱烈な愛読家であり、ほぼマニアの域にまで達しており、太宰治検定で99点を採ったほどの太宰についての豊富な知識を持ち合わせているので、一緒に巡ったら数倍楽しいだろうとの事で誘いました。
天気はあいにくの小雨でしたが、これ以上悪天にならぬことを祈りつつ、なんだかんだで金木の斜陽館へ到着。
斜陽館は太宰治の生家であり、その後旅館に変わりましたが、現在、太宰治の記念館として金木の一大観光地になっております。
「斜陽館」という名はもちろん太宰の代表作「斜陽」から採られています。
2004年に国指定重要文化財に指定されました。
過去2回ほど入った事がありますが、外観からして豪華絢爛。金木町に全く似合わない、この建物だけ町から浮いている感覚すら覚えるほどの大豪邸です。
開館時間すぐに入館したので他の観光客は誰もおりませぬ。
厳冬期以外のシーズンであったら観光客が溢れるこの斜陽館は、太宰治生誕百周年もあって、特にねぶたシーズンは行列が出来るほどに賑わってたみたいだが、さすがにこの時期の開館時間すぐだったから貸切状態でした。
まず長い土間を歩き、座敷に上がってから、蔵の展示室へ。蔵の2階にも展示室あり。
展示室には着物、書簡、太宰の小説本が多く展示しております。
和室を通り、2階へ。2階もだだっ広く、部屋数多し。
中には洋室もあり、格式の高さを窺えます。
一階へ下り、仏間、茶の間を通り、また土間へ。
期間限定で、離れた蔵でも様々な太宰関連の展示をしてました。
休憩室では太宰についてのビデオが流れてます。
建築物自体が豪華で格式がありますが、個人的には装飾の壷や、書画が気になりました。
中島誠之助や安河内眞美に一軒まるごと鑑定して欲しかったもんです。
こんな大豪邸で太宰治は幼少期に過ごし、如何に人格形成が偏屈になってしまったかを推測出来るかと思います。
太宰は蟹田、今別、三厩を旅した後でこの生家に帰ってきます。
心中騒動や薬物中毒で、太宰は家族に迷惑千万をかけているので、兄弟、特に長兄との関係は良かったはずもありません。
それでも兄2人と、姪っ子のお婿さんと酒を交わすシーンがあり、ここがまた笑えますので、最後にその中でもこの生家について語った一文を紹介してこの記事を締めたいと思います。
~金木の生家では、気疲れがする。また、私は後で、こうして書くからいけないのだ。肉親を書いて、そうしてその原稿を売らなければ生きて行けないという悪い宿業を背負っている男は、神様から、そのふるさとを取りあげられる。所詮、私は、東京のあばらやで仮寝して、生家のなつかしい夢を見て慕い、あちこちうろつき、そうして死ぬのかも知れない。~
続く。
入館料・500円
住所・五所川原市金木町朝日山412-1
電話・0172-53-2020
開館時間・9:00~17:00(5月~10月は8:30~18:00)
休館日・12月28日