卍の城物語

弘前・津軽地方の美味しいお店と素晴らしい温泉を紹介するブログです

川越黄金焼店

2006-12-29 15:01:41 | スイーツ・お菓子店
知り合いの本屋に行こうと思い、まずお菓子を買いに出かける。
前のバイトの同僚だったので、よくお茶とお菓子で店内でくつろいでのおしゃべり。
そのためにお茶請けを毎回買っていくのが習慣になってしまった。おかげで市内のいろんなお菓子屋さんに詳しくなった。
今日は「アンジェリーク」の「パリパリシュー」狙いだったが、向かう途中で気付く。今日はもしかして?やっぱり休業日でした。次はどこに行こうか悩む。
久し振りに「ヴェルジュ」に行こうと向かう。店の前にいったらシャッター閉まってるし。ここも休業らしい。

またも悩んだ挙句、黄金焼でもいいかと向かう。こっちは勿論営業中。東長町の店舗の方です。

数個購入。一個50円。かなり安いですね。
帰り道、土手町通ったら、一番町店が新しくなっていた。こっちが元祖なのだろうか。
明治18年創業とある。

なんか昔に親から聞いた話では、姉妹が仲が悪くてあんな近所で2店もやってるとか。
曖昧な記憶で定かではないし、何せ噂です。
他にも川越黄金焼店は松ヶ枝にもあります。

味は昔から変わらない素朴で甘さ控えめです。白あんがとてもおいしいです。ここだけの味だなあとつくづく思う。
昔の人は「がめこもち」と言います。「亀の甲」からきてるとか「がめる(盗むの津軽弁)」からきてるとか諸説あり。歴史を感じます。

オススメ度(飲食店評価)・☆☆☆

住所・弘前市東長町

※駐車場無し

野獣死すべし

2006-12-28 23:46:30 | 映画
映画100選。第4回。

80年作品。
監督・村川透
原作・大藪春彦
出演・松田優作、加賀丈史、小林麻美、室田日出男

この映画といえば、松田優作が役作りの為に、体重を10kg減らし、奥歯を4本抜き、しかも足を切断しようとした、などの逸話が評価より先を越しているが、それを含め、松田優作の演技にあるとしかいえない。

遊戯シリーズでは、ハードボイルド路線を突き進んでいたが、個人的にはちっとも面白くなかった。役者としてもあまり魅力がなかったように思う。やはりマッチョなアクションスターでしかなかった。
優作本人も真の役者として、更に上を目指し、アクションスターからの脱却を図りたかった。
そして本作では、それに成功した。
主人公の「死人のようなひっそりとした男」を演じた。それだけでもう充分だと思うけど。

最初はまだ人殺しに慣れていなく、動揺のあまりに拳銃を離せなくなってしまうところなど、ただの殺人キチガイではなく、自分でも図り得ないエスカレートする狂気を表している。
音楽を愛する心、同じ趣味を持つ女に好意を持たれて動揺する不器用な面などの人間性は、こちらに共感を持たせてくれる。

リップバンウィンクルのシーンは最大の見所。いつ発射するかのロシアンルーレットのカットでは、優作は一度もまばたきをしていない!鬼気迫る演技がシーンの恐怖を倍増させる。

洞窟での「やっぱりお前も死ね」というセリフは背筋の凍る冷徹さ、残酷さを一言で表現していてとても好きです。

別荘での演説シーンと洞窟の一人芝居シーンは少し過剰に感じました。
ナルシズムさが出て、殺人の正当性を謳っていて苛立ちを覚えました。

銀行強盗シーンは迫力はあるが、もうほんの少しリアリズムが欲しかったなと思いました。

鬼気迫る演技は優作だけではなく、加賀丈史も素晴らしい迫力の演技です。
アフロも似合っていて最高です。

小林麻美も綺麗でいい女です。古さを感じさせない清楚さな美しさがでてますけど、演技は古臭い。

泉谷しげるは脚本変更の為に一瞬しか出れませんでした。

原作とはかなり違うらしいけど、優作の素晴らしい演技を観た後には、小説は読めないと思いました。
前はこんな無差別殺人モノは全く観れなかったけど、観終わった後は感動すら込み上げる。
いかに優作が恐ろしい役者であるか。それが感じれる映画の一つです。

オススメ度(映画評価)・☆☆☆☆

中華そば秋山 (移転)

2006-12-26 23:55:08 | ラーメン屋(弘前市)
暇だったので五所川原へ。
ゲーム倉庫でレコード探し。1時間近く探したが、欲しいの全くない。時間の無駄でした。
「たけ屋」に行ったが、7時半にはもう閉店。ここは閉店するの早すぎる。繁盛してるのはわかるけど。今度行こうと思う。
車を走らせてる途中、最近出来たショッピングモールみたいな所に、「じゃんがら亭」とかいう店を発見。「麺道蘭」のFC店みたいだ。
迷ったけど、お気に入りの「秋山」に行こうと決めた。

店に入る前に、客が一人出て行った。入ると誰もいない。ここはいつもがらんとしている。なぜ?

今日はそんなに空腹でもないので「手もみ中華・こってり」だけを注文。

ラーメンが出てくる。いい香り。ここは全て無化調。すごく繊細な味です。
「こってり」らしく、中華そばの「あっさり」と違ってコク深い。
ほんのり甘いスープ。背油が旨みを出している。

麺はちぢれ太麺。弾力があり、他の細めんと甲乙つけ難い。

具は分厚いチャーシューのコマ切れが何個も入ってる。おもしろい。
他はねぎ、めんま、麩、そして半熟半卵。値段の割りにボリュームの多いトッピングです。

速攻完食。
今日は三度目だけどいつ来ても最高の味。青森トップクラスです。なのに何故か客少ない。
斜向かいの店にはかなり客が入ってるが、数倍こっちがうまい。
場所も悪いと思うけど、初めて来たときは地図見て迷いに迷って、やっとのことで辿り着いたものです。

五所川原はラーメン街道もあるし、「たけ屋」含め人気店も多いけど、ここは超おすすめですね。

オススメ度(ラーメン評価)・☆☆☆☆

住所・五所川原市稲実字米崎123-1
電話・0173-34-8688
営業時間・11:00~21:00
定休日・木曜日

※つがる市柏に移転しました。

時計じかけのオレンジ

2006-12-24 23:32:35 | 映画
映画100選。第3回。

71年作品。
監督・スタンリー・キューブリック
主演・マルコム・マクダウェル

僕がこの作品を最初に観たのは18,9歳頃だったと思うが、意味がわからない。正直な感想だった。
当時は唯の映画好きで、有名な映画は観まくっていた。しかし単純に無知ではあった。
ハリウッド系の分かりやすい映画ばかり観てたので、理解できなかった。
しかし時は経ち、不条理のまかり通った世間に、もみくちゃにされ、改めてもう一度観てみたくなった。やはり、これは名作中の名作であると世間の評価にやっと追いつけた。

ウルトラバイオレンスのはびこる近未来。
少年期の降っては沸いてくる苛立ちを、暴力が支配する堕落した世界が手助けする。
新しもの好きの世代は、新語をつくってはファッションのように消費する。
それでも音楽は、いつの時代を経ても、正当な評価を受けていた。
そして人々は、本質を見ようとせず、一番手っ取り早い方法で物事を解決しようとして、失敗を繰り返す。
そして、本能は決して消え去ることがない。

原作はアンソニー・バージェンスの小説。
脚本は「シャイニング」とは違い、忠実に再現されたようだ。

音楽も素晴らしい。主人公が愛するベートーベンを多く使用することで、視覚効果が増す。クラシックの使用は「2001年宇宙の旅」でもみられた。
「雨に唄えば」を歌いながらのレイプシーンは芸術的だ。

キューブリックはハリウッドの映画作りに嫌気がさし、イギリスで映画を製作するようになる。
独自の世界観を徹底的に表現するために、技術や時間に妥協はしなかった。そのため作品数は多くはない。

近未来の設定とはいえ、単純に描く未来の風景や進化した機械的の物の描写はそんなにはないが、ファッションや言葉遣いで表現。それに退廃した未来ということで、多くは必要としていない。
リンチされるホームレスの老人の言葉から汲み取れる。まさに「21世紀の精神異常者」のような世界だ。

近未来を描いたとはいえ、2006年現在、ウルトラバイオレンスはもうそこに存在している現実である。
あまりにも的確に未来を予想した、恐怖の大予言映画である。

オススメ度(映画評価)・☆☆☆☆

BRAIN SARAD SURGERY/EMERSON,LAKE&PALMER

2006-12-22 23:54:34 | ロック
ロック100選。第4回。

73年発表。
ELPの5枚目のアルバム。

今作から自身のレーベル・マンティコア設立。
そして、キングクリムゾンのメンバーだったピート・シンフィールドが作詞家として参加。

当たり前の事だが、やっぱりなんだかんだいっても、ロック=ギターである。
鍵盤は所詮、ギターの引き立て役にしかなり得なかった。ただし、キース・エマーソンを除いては。

クラシックやジャズピアノに飽きたらず、エマーソンはロックというジャンルを選択した。
当時はロックが未知数で、無限の可能性があったからであろう。

鍵盤奏者が主役のロックトリオは全く新しい冒険だったが、ELPは過去の実績も含め、すぐさまシーンに支持された。
そして更に、ムーグシンセサイザーという新しく開発された楽器に、敢然と挑戦し、そして使いこなしてしまった。
ムーグシンセサイザーはプログレを始め、多くのロックアーティストが使っているが、正直なところ、自由自在に使いこなしているのはエマーソン唯一人であろう。

このアルバムでは、エマーソン専用に改造された、カスタムムーグシンセサイザーを始め、ピアノ、オルガン、アコーディオン、ハープシコードと、あらゆる鍵盤を操っている。

そしてカール・パーマーもドラムだけではなく、パーカッションシンセサイザーを使用している。

グレッグ・レイクはベース&ボーカルを難無くこなし、得意のアコースティックギターと、12弦エレキギターでもキーボードプレイに負けないメロディアスなプレイがきける。
もちろんプロデュースは彼である。

イギリスの詩人、ウィリアム・ブレイクの詩集の神話・エルサレムを基に作ったM1「Jerusalem」は、気持ちのいい荘厳な曲で、戦いを連想させ、闘争心が鼓舞される気持ちになれる。

M2「Toccata」はアルゼンチンの作曲家アルベルト・ジナステラの曲をエマーソンがアレンジ。
キーボードが唸りをあげ、シンセサイザーを駆使して描く効果音は、コミカルさは感じさせず、ロックの新しいページを書き上げた秀作。

小品を2曲挟み、このアルバムの主役の大傑作が「Karn Evil #9」だ。
3部構成からなり、特になんといっても第一印象はELPの全てが凝縮された総決算的作品。
鍵盤の音の波がこれでもかと次から次へ襲い掛かり、トリップ状態に陥ること請け合いです。
最高のリズム隊、レイクのギターも効果的で、それにボーカルはエマーソンがとってます。
ロックンロールショウへようこそ!って感じです。

第二印象はELP風ロックジャズ。こちらも楽しい。ミッドナイトな感じ。

第三印象は近未来的サイバーパンクロック。ロックの50年後を先取りした曲。ロボットな感じ。

どれをとっても素晴らしい、ELPにしか作り得ない、到達し得ない、見たこともない世界が音楽から見えます。

ジャケットはエイリアンでお馴染みのH・R・ギーガ-。レコード盤では髑髏をめくるとメデューサが現れる。
メデューサの目を見ると岩(ロック)にされてしまいます。こちらも素晴らしいジャケです。

因みに「KALN EVIL ♯9」は、「カーニバル」をもじったモノです。

さらに、アルバムタイトルの「BRAIN SARAD SURGERY」は、フェラチオの隠語だとか。
それぐらい気持ちよくなれ、音楽的オルガズムを得られるのがこの傑作なのです。

オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆☆

デザートハウス

2006-12-21 17:36:23 | スイーツ・お菓子店
弘前市早稲田第五城東にあるケーキ&カフェ。

弘前市宮川の「デザートショップ」はお気に入りのお店なので、同じ系列のこちらのお店にも是非来てみたかった。

店の外観はログハウスのかなりおしゃれな感じです。
中も吹き抜けになっていて、2階はもちろん、店内でも食事できます。カレーなどの軽食もあるとか。

シュークリーム大好きの私はもちろん「エスカルゴシュー」を数個注文。デザートショップではいつも買ってるので。
ケーキもたくさんありますが、今日は特別な日でもないので、今度買ってみようと思います。
他にも「いもシュー」「弘前濃厚プリン」「アップルパイ」を購入です。
全部100~200円ぐらいのお値打ちです。

家に帰って試食。
お馴染みの味の「エスカルゴシュー」はカスタードたっぷり。ふわふわの皮です。
ナイロンで包装されてるので、結構日持ちすると思います。
以前から食べたかった「弘前濃厚プリン」。これはおいしい。
甘さは控えめだけどとてもコクがあって、表面には生クリームがのってます。まさに濃厚。

弘前駅ビルのアプリ-ズ一階の「ぺリゴール」も同じ系列なので、エスカルゴやプリンもそちらでも買えます。

オススメ度(飲食店評価)・☆☆☆

住所・弘前市早稲田3-10-3
電話・0172-29-2261
営業時間・10:30~20:30
定休日・無し

戸田うちわ餅店

2006-12-20 23:38:17 | スイーツ・お菓子店
弘前市銅屋町にある餅屋さんです。
五重塔の近くですね。

名物のうちわ餅は一本、四角い名刺サイズの餅に、注文を受けてからたっぷりと黒胡麻だれをかけてくれます。

御餅は柔らくて、これでもかとふんだんに使用された黒胡麻の香りが後引くおいしさです。

一本100円。他に団子や大福もあります。

日持ちはしません。生ものです。すぐ硬くなるのでお早めに召し上がりましょう。
お昼頃には売り切れすることもあるそうです。

戦前に桶屋町で、製麺と餅屋を両方してたらしく、餅屋だけが銅屋町に移って今に至るとの事。
それを聞いて思ったが、麺と餅と云えば、青森市の合哺公園入り口にある「辻井餅店」です。
ここのラーメンはとても美味いです。津軽の味です。もちろん餅もあるけど、ほとんどの客はラーメンを食べに来てます。餅と麺の意外な関係でした。

オススメ度(飲食店評価)・☆☆☆

住所・弘前市銅屋町21
電話・0172-32-7698
営業時間・10:00~18:00
定休日・月曜日

青森のみんな~

2006-12-19 13:40:37 | どうでもいい雑記など
新生チーム青森が、来年の世界選手権の出場権を手にしました。

主力の小野寺・新婚・歩と、林・おサルさん・弓枝が抜けての初めての大会のパシフィック選手権は3位と不本意な成績に終わった。

若いに若い大学生チームだが、他の多くのスポーツと違って、カーリングでは若さはあまり武器とはならない。
オリンピックでは40歳代も多く活躍している。経験こそが何よりの力になる。

余りに大きかった2人の脱退。
カーリングブームの火付け役になったし、前々回のソルトレイクオリンピックに出場した実力があった。何より27,8歳なのに可愛かった。
この2トップなしで、正直、代表選考会には勝てないと思っていた。

平均年齢はぐっと下がったが、平均体重は増えたであろう新生チーム青森。
新メンバーの山浦マヨは長野のチームのスキップをしてたが、やはり経験不足は否めない。
他の3人はトリノオリンピックに出場したが、それは小野寺・林の力だったといっても過言ではない。
しかし、ことメンタル面においては、前のチームより強くなったと思われる。

主力が抜けた危機感、周りからの期待感を飲み込んで、プラスに変える精神力がある。そして若さ故のストイックさは経験をカバーする要素になる。

世界選手権代表選考会の相手は、宿敵チーム長野。
チーム青森とは常にライバルにあった実力チーム。去年の世界選手権にも出場した。
ビジュアル的にスーパーヒール軍団。ほとんど「チーム2000」か「邪悪なお姉さん」か、そんな感じ。

今年の日本選手権ではチーム青森と決勝で戦って敗れた。しかし、小野寺・林はもういない。
全5試合。先に3勝したチームの勝ち。
意外と接戦に渡る接戦。まさに五分。均衡したゲーム。
スキップ目黒萌え~のスーパーショットで勝負は決まった。
よくぞ勝ってくれました。このプレッシャーをよくぞ打ち破ってくれました。
世界選手権は青森市での開催が決まっていたので、地元のチーム青森が勝つことが期待された中での勝利は、チームを更に成長したことでしょう。

個人的に望むこと。
本橋マリリンのスキップ、常呂中・吉田チナミちゃんの加入、小野寺・林のどちらか復帰、目黒・萌え~・萌絵の歯の矯正が早く終る事、寺田・純情きらり・桜子の鬼キャプテン振り、コーチの阿部優男晋也とのチーム内恋愛、小野寺・林・チナミがチーム常呂を結成してチーム青森をボロ負けさせ、恩を仇で返すなど。

一気にメジャースポーツになったカーリング。ブランド化したチーム青森。
熱は冷めたけど、来年の世界選手権は時間あったら行きたいと思う。
まだまだ期待できるね。

IN THE COURT OF THE CRIMSON KING/KING CRIMSON

2006-12-16 00:01:52 | ロック
ロック100選。第3回。

69年発表。1stアルバム。

前身バンドの「ジャイルズ・ジャイルズ&フリップ」はセールス的に全く振るわなかったが、新たにマルチプレーヤーのイアン・マクドナルドと、作詞家で何でも屋のピート・シンフィールドを迎えたことで、バンドは確かな手ごたえを感じ、レコーディングに入った。
その後、ピーター・ジャイルズが抜け、グレッグ・レイクが加入。
バンドを「キング・クリムゾン」としてプロデューサーを迎えてレコーディングしたが、納得がいかなかった為にセルフプロデュースで再レコーディング。
そして遂に「クリムゾンキングの宮殿」はリリースされた。

無名のバンドは数ヵ月後、最後の大傑作、ビートルズの「アビーロード」をチャートの首位から蹴落とした(実際は真偽は疑わしいのだが)のはロックの大転換期になった。

狂気の演奏、文学的歌詞。ポピュラーミュージックを全否定した完全無敵の名作「21世紀の精神異常者」。
21世紀は絶望しか存在せず、人々はキチガイになるしかないと説いた作詞メンバーのシンフィールドの詩。
超実力派たちの演奏力と作曲は、60年代ロックを完全に古典にした新時代前衛ロック。即ちプログレッシブロックを創造した。

狂気の爆発に間髪入れずに次の曲「風に語りて」のフルートの音色とのギャップには強靭な精神力を持たないと耐え切れない。

「エピタフ」の全体的に流れる新しくも懐かしい音を奏でるメロトロンは、プログレの代名詞となったし、後のメンバーチェンジを繰り返して尚、クリムゾンの絶頂期を支えた楽器となった。

「ムーンチャイルド」の後半部はフリージャズだが、ちょっとダルイ。

タイトルトラックの「クリムゾンキングの宮殿」は荘厳でドラマチックな大作だ。
メロトロン一台がオーケストレーションを奏で、活躍する。
コーラスも多重録音なのか、極めて実験的なサウンドだが、完成されているから不思議である。

おどろおどろしいジャケットは、アルバム全体を表し、アートとしても完成されている。
ちなみに、このジャケットを手掛けたデザイナーは若くして急死したとか。

これほど素晴らしい大傑作デビューアルバムを作ってしまったバンドは、すぐさま空中分解。
ジャイルズとマクドナルドは脱退発表。
フリップは自分が辞めるからバンドに残ってくれとマクドナルドに懇願するが「キングクリムゾンはあなたのバンドだ」と言って断り、バンドを去る。
レイクはキース・エマーソンと意気投合。「E,L&P」を結成して新たな伝説を作りはじめる。

そんな中作った2枚目の「ポセイドンの目覚め」は、大失敗の駄作になった。
「宮殿」の焼き直し的な内容には肩を落とすよりない。

何より感心するのは、当時のイギリス人である。
メロディメーカー集団のビートルズより、このポップの欠けらもない小難しい新次元ロックをチャート1位に押し上げたのだ。なんという芸術感受性に長けた国民なのかと思う。
今の時代にこの宮殿をリリースしても、今の日本人の多くは理解不能だと思うが。

このロック史上最も重要なアルバムを全て理解出来るのはまだ遠い未来なのかもしれない・・・。

オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆☆

カサブランカ

2006-12-13 21:03:54 | 映画
映画100選。第2回。

42年作品。アカデミー作品賞、監督賞、脚色賞受賞作。

監督・マイケル・カーティス
主演・ハンフリー・ボガード、イングリット・バーグマン

あんまりクラシック映画は好まないのですが、有名な映画なので観ました。
予想に反してとても楽しめました。

まさに戦時中の42年。刻一刻と戦況が変わり、そのため脚本すら変わってしまった。
そもそも脚本がほとんど出来てない時点での撮影入り。

渡航ビザを求めてカサブランカに留まる人々がカジノに興じる姿や、ドイツが進行を開始したパリでの呑気に愛を語るシーンが戦争の悲惨さを微塵も感じさせないのが反感を買いそうなものだが、何故か全く気にならず、映画というエンターテインメントが戦争という現実を忘れさせてくれるひと時の安らぎや楽しさを与えるという点があったと思う。

劇中のボギー演じるリックが呟く憎らしいセリフが痛快で、特にシャンパンカクテルを傾け言う「君の瞳に乾杯」は世界一有名な映画のセリフ。
リックのバーでのサムが奏でるピアノの「アズタイムゴーズバイ」が印象的。
何故かフランス国家さえ感動を与えてくれる演出もいい。

とにかくイングリット・バーグマンが美しく、この作品で脚光を浴び、美貌だけでなく演技派女優への道を進む。

ハードボイルドでラブロマンスな映画であり、決してハッピーエンドではないが、気持ちのいいラストで、これぞエンターテインメントという素晴らしい映画。

オススメ度(映画評価)・☆☆☆☆

ABBEY ROAD/THE BEATLES

2006-12-11 22:35:32 | ロック
ロック100選。第2回。

69年発表。
実質的ラストアルバム。

ホワイトアルバムというバンド名義のソロ作品集を出した時点で、解散は決定的だった。
しかし、もう一度昔の様にやろう!とゲットバックセッションを行ったが、失敗に終わる。
4人の方向性は全く違っていたのだから。

偉大なバンドが終止符を打つ事は、世間的にもバンドとしても望んでいなかったが、それは避けられない運命だった。
解散原因を不仲説やオノ・ヨ-コの陰謀説に理由付けしても仕方ない。
月並みの理由の方向性の違いに他ならない。
ポールが解散を一番避けようとしてたのに、自らバンド脱退を発表したのは、愛するバンドだからこそ自ら悪者になったという説があるが、個人的には嘘くさい説だと思う。
バンドでのレコーディングに嫌気をさしていたジョージも一度脱退すると言ったし(ギターが抜けた為ジョンは激怒しながらも、変わりにエリック・クラプトンを入れればいいと漏らした。結局はすぐレコーディングに戻り、脱退はなくなった)、誰かが一番始めに抜けたかったし、悪者にはなりたくなかったと思う。
キリストより有名なビートルズも所詮いち人間たちだという事です。

危うい人間関係の中にありながら、正反対に曲は素晴らしい。
サイケミュージックを卒業し、ヘビーなロックンロールナンバー2つを歌うジョン。
遂にジョンとポールを出し抜き、後世に残るメロディアスなギターサウンドの名曲を2つも作ってしまったジョージ。
バンドメンバーとしての評価は低いが、アルバム全曲を彩り、3人の天才たちの曲を臨機応変に、そして独自性もだしたドラムを叩いたリンゴ。
そしてアルバム全体の構成を作り、ポップでロックな曲たちをメドレーで一気に畳み掛ける奇跡のB面を作りあげたポール。

ビートルズ名義の曲は、短めの曲や未完成の曲しか無く、アルバム1枚をを完成するだけの曲数は無かったのだが、メドレー方式という発想の転換で見事に解決したどころか、むしろ逆に功を奏し、メロディーメーカービートルズの底力を感じさせ、以降次々と現れるロックバンドに全く引けを取らない神秘的なアルバムになった。

M9のメロディをM14,15にもう一度使う手法も、曲不足を逆手にとり、B面メドレーをさらにドラマティックに盛り上げる。M16のドラムソロからのギターバトルは感動のフィナーレ、ビートルズのフィナーレとして涙を誘う。オマケのようなM17の演出もニクイ(レコード盤はシークレットラックとしてクレジットされてない)。

ポール死亡説さえ噂された世界一有名なアルバムジャケットも最高で、ビートルズという世界最高のバンドが作った最高傑作。天才たちの最後のプレゼントに酔いしれたい。

因みにカラオケのサイバーダムにB面メドレーがあるので、周りの白い目を気にせず、長々とマイクを独り占めしましょう。

オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆☆

クラッシュ

2006-12-09 23:58:49 | 映画
映画100選。第1回。

2005年作品。アカデミー賞作品賞、脚本賞、編集賞受賞作。

監督・ポール・ハギス
出演・サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、サンディ・ニュートン、ライアン・フィリップ、ジェニファー・エスポジト、リュダクリス

監督のポール・ハギスは映画初監督で、テレビドラマの脚本・製作などで鍛えただけあって、デビュー作とは思えない完成度。

主役が何人も存在する多面的視点はよく使われる手法で、個人的に好きだが、主としたテーマの人種問題を扱う上で必要不可欠。
ストーリー上の、銃を突きつけられて車を強奪され、恐怖のあまり、家の鍵を全部変えた話は、監督の実体験らしい。

ロサンゼルスを舞台に、アメリカの実社会、人種問題をメインに、銃問題、治安問題などをリアルに表現。

未だに存在する人種差別。特に黒人差別は一般のメディアを見るだけでは知ることは出来ないし、アメリカが国として隠したい問題である。
表面上の平等な社会を作っても、黒人はハンディキャップを背負って生まれるため、スタートラインすら全く違う白人とは勝負すら出来ない。
黒人が大金を手に入れるためには、バスケット選手になるか、ラップスターになるかしかないとまで言われている。
劇中の車泥棒役には、本物のラップスターのリュダクリスが好演している。
貧困家庭に生まれ、保険にも入れず、ハイスクールにも行けない、就職すら出来ない若者は、ギャングの一員になったり、コソ泥になったりと、ダークなスパイラルに陥って、結果的に黒人の犯罪率が上がる。
劇中では黒人が歩いてるだけで、ビクビクしている態度に腹を立て、車を盗むシーンが印象的に描かれている。

素晴らしい作品だとは思うが、気になった点は、悲劇を敢えて避けようとしている場面が多く、爆破寸前の車に一人だけ残されてるのではと思わせるシーンと、子供が撃たれるシーン。
どちらも重要なシーンだが、現実的不条理性から、ホッとしたようで、物足りない安堵感を憶える。

あとどうでもいいけど、サンドラ・ブロックは登場シーンが少なすぎるのに、何故一番上にクレジットされてんの?ギャラ順?せめてドン・チードルの下と思うが。

黒人だけではなく、中国・アジア系、メキシコ・カリブ系、ヒスパニック系、ネイティブアメリカンと、人種モザイク国家のアメリカ合衆国は、そもそも国家として成立しているのか?疑問さえ感じる。
実験国家アメリカの現実を露わにし、それに困惑し、それでも立ち向かい、衝突しながらも生きる人々を見事に表した作品です。

オススメ度(映画評価)・☆☆☆

美少女戦士セーラームーン

2006-12-08 23:56:59 | どうでもいい雑記など
昨日今日と暇だったので実写版美少女戦士セーラームーンをビデオで見直し、HDDに名場面をセレクトして保存作業してたら、あまりに面白かったので今回紹介します。

2003~2004年にTBS系で放送。
漫画の美少女戦士セーラームーンの実写化。

キャスト
セーラームーン(月野うさぎ):沢井美優、セーラーマーキュリー(水野亜美):梨華(改名前・浜千咲)、セーラーマーズ(火野レイ):北川景子、セーラージュピター(木野まこと):安座間美憂、セーラービーナス(愛野美奈子):小松彩夏、他。

気になる見所は、みんなかわいい(特に景子c)、猫(ルナとアルテミス)がぬいぐるみ(稀にCG)、ベリル様が杉本彩、マスターと四天王がそこそこ男前、頑張ってるなと思えるアクション、たまに泣かせる展開(特に浜ちゃん)、小松の鼻声、景子cの過剰演技、ミュウの脚の細さ、前にも出てたよね?と思わせる作りが甘い妖魔、サントラの素晴らしきポップな曲たち、それをそこそこ歌い上げるカラオケ世代のみんな、キャラ立ち過ぎのうさぎの母親、ムカツク演技の景子c、美人の家庭科の先生、爆破特効に全く動じない沢井、マスターって言い方が面白いゾイサイト、そこそこ見れるCG、景子cの巫女姿、ナルちゃんの母親が渡辺典子と、その他数えあげたら切りが無い。

当時、北川景子にくびったけで、モデルとして掲載されてたセブンティーンを恥ずかしながらに毎回買っていました。
本当にイイ女だったけど、えみちぃを目指してるのか、ギャル化が激しく、段々熱が冷めていかざるを得なかったです。
花の命は短いなーとつくづく思ったものです。
現在も大学に通いながら、芸能活動行っており、ハリウッド映画のワイルドスピード3に大抜擢の出演を果たす。(当時のニュース見出しが「無名女優がハリウッドデビュー」だった)。

改名した元・浜千咲こと梨華は、現在芸能活動休止中らしい。

小松彩夏は恋するハニカミでたまにコメント振られるカワイコ枠でおとなしく座って笑顔を振りまっております。

ミユウとミュウもがんばってます。

ナルちゃんこと河辺千恵子はCD何枚も出し、英語でしゃべらナイトやカウントダウンジャパンなどのラジオでも活躍。一番露出多いかも。

とにかく、みんな今後も頑張って欲しいと切に願います。

一年間放送してた時期は毎週楽しみで仕方なかったものです。
今見ても全く色褪せない名作中の名作。子供と一緒に見れる健全な内容。
コメディあり、シリアスあり、ラブロマンスありとドラマ性充分。
プロレスを見るような大らかな心で見ましょう。

因みにミュージカルライブの「キラリスーパーライブ」もロックオペラ的名作。
いづれ買おうと思ってます。サントラ版もロック100選に選ばれてもおかしくない名曲揃い。
今流行りの「NANA」よりメディアミックスとしては先駆け的存在。
後世語り続けたい伝説の番組でした。

オススメ度(ドラマ評価)・☆☆☆☆

LED ZEPPELIN/LED ZEPPELIN

2006-12-07 23:54:41 | ロック
ロックアルバム100選。第1回。

69年発表。
レッド・ツェッペリンのデビューアルバム。

「ヤードバーズ」に在籍していたギターのジミー・ペイジが、解散状態にあったバンドを「ニュー・ヤードバーズ」として新たにバンドを編成する。

ボーカルは紹介されて知り合ったロバート・プラントに声をかけ、そして以前ロバートとバンドを組んだ経験のあるジョン・ボーナムをドラマーに迎える。
最後にセッションミュージシャン仲間のジョン・ポール・ジョーンズがベーシストとして迎えられた。

ジミーに声をかけられたロバートは「ちょっと金儲けしてみないか?」と誘われたという。ニクイっ。

いわゆるバンド名の「LED ZEPPELIN」は、名付け親が「ザ・フー」のキース・ムーン説、ジョン・エントウィッスル説とあるが、個人的見解として、ジョンが考案し、気に入ったキースは、新バンドに付けようとしていたと思われる(これはジェフ・ベックのシングルの為に、ゲストとして招かれたジミー・ペイジとキース・ムーンが意気投合し、この3人にジョン・エントウィッスルを入れれば最強のバンドになると提案し、名前は「LED ZEPPELIN」にしようと、当時解散寸前だったといわれるザ・フーに嫌気がさしていたキースが考えていたらしい。結局はこの話はお流れになった)。

「鉛の飛行船」と名付けられたバンドは、ファーストアルバムを結成してわずか全工程を30時間という短時間でレコーディングを終え、当時新人バンドとしては異例の20万ドルでアトランティックレコードと契約した。

全9曲、捨て曲なし。何といっても素晴らしいアルバム構成。やはりスタジオミュージシャンとして鍛えられたジミー・ペイジのプロデュース力が大きい。

野獣のような咆哮を放つロバートのボーカル。
全てに於いて天才的なジミーのギター。
マルチプレイヤーでありながら、リズム重視するジョーンジーのベース。
爆裂してるのに繊細さを併せ持つボンゾのドラム。
ファーストアルバムにして、全てがロックの新しい世界を切り開いた。
ハードロックという新しいジャンルの代表格として、以降のロックシーンの手本となった。

M7のコミュニケーション・ブレイクダウンなんかは、当時本当のロックを知らなかった私を完全に虜にし、今まで聴いてきたものは全部クソだと思わせた名曲。中でもベストはM4のデイズド&コンフューズド。中間部のバイオリンの弓でギターを弾くボーイングは、おどろおどろしい音を放ち、見事に幻惑させてもらえる。(ちなみにジミーの作詞作曲名義だが、コピーである)。
歌うというよりは、叫ぶ楽器として存在するロバート。正確かつヘビーなベースとキーボードまで操るマルチプレイヤーのジョーンジー。大暴れしているようで、繊細なリズム、破壊的なようで、革新的なスピード&テクニックのボンゾ。そして早弾きギターリフ、作曲能力、プロデュース能力のジミー。

ロック大革命の69年(ろっくの年)。ビートルズの時代が終わりを告げ、新時代を形成したギターロックの金字塔だ。

オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆☆

五穀屋

2006-12-06 00:02:42 | スイーツ・お菓子店
一度食べたらおいし過ぎてやめられない、止まらない。それが五穀屋のおからドーナツ。

ドーナツの大きさは8,9cmとそんなに大きくないので、何個でも食べれます。
例え満腹であっても、別腹でいくらでも入ります。

五穀(小麦、玄米、粟、きび、大豆)とおからを贅沢に使用し甘さは控えめ。
食べただけで体に良いと感じることが出来ます。

一個63円と激安です。
種類もプレーン、胡麻、抹茶など多数。
ドーナツの他にも、おはぎや煎餅など、体に優しいヘルシーなものばかりです。

弘前シティ-ホテルの建物の外の駅側にあります。
私の大好物。誰に出しても喜ばれます。超おすすめ!

オススメ度(飲食店評価)・☆☆☆☆

住所・弘前市大町1-1-2 シティホテル1階
電話・0172-36-5598
営業時間・10:00~19:00
定休日・不定休