「雪囲い」
冬の季節の雪囲いは
太い角材とコモに荒縄の組み合わせ
障子戸や雨戸が閉じられ屋内への光も遮断されて
また寒さと負担がやってくる予感
雪遊びやお正月の団欒
そんな談話でご機嫌をとられても
日光不足の不満を吐露せずにはいられない
窓からの冬への罵倒
みしみしと朧な床を踏みながら
春の息吹ふくのを待つ数ヶ月は
暗澹たる朝夕と寒波を厭い
吹き閉じた寒さ緩むのを待っていた
漸く解かれた囲いに
あの幼い頃の早春の喜々とした風は
埃っぽさと清々しさと初々しさを着衣に運び
素足の膝小僧を爽快に駆け抜けていく事を待ち望んでいた風