Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

うの華 99

2019-11-21 13:22:14 | 日記

 『お祖母ちゃんは、どの模様が可笑しく見えるのだろう?。』

私は直ぐに、もう観察済みで既に見慣れていた幾つかの模様に目を遣った。それらは興味深くても笑う程に面白いと思った事は無かった。私はそうだなと合点すると、未だ眺めていない桁板の方だろうと考えて素早く縁の奥の方に目を走らせた。奥の桁材は私に取って未観察の代物達だった。どの板も確かに同じ模様ではないけれど、今迄目にしていた桁板と同様に滑稽と感じられる模様は無さそうだった。

 『これかな?。』私はとある模様に目を留めた。それは答えを探し求める私の目にふと留まったのだ。模様は割合自分の膝から近い場所に形作られていた。不定形の丸い形の模様の寄り集まりだ。私は気を入れてその個所を集中して見詰めてみた。円が数個より集まった場所だけにそれらは人の目鼻、口のように見える。模様は人の表情を作っていたのだ。ふふふ、ほんとに人の顔に見える。私は微笑んだ。『他には無いかな、…。』私は息を詰めて嘗める様にその模様の周りを見回してみた。

『有った!。』

もう1つ顔に見える模様を私は探し当てた。しかもそれは目に当たる部分の模様が弓形の弧を描いて閉じている。これこそがまさに人の笑顔だ。

『これが可笑しいのかな?。」

祖母は、これを思い出したのだろうか?。

 『この縁側の模様をお祖母ちゃんは知っていて、それで私が縁側の模様といった時にこの模様を思い出して笑ったのだろうか?。うん、きっとそうに違いない。』私はその木目の模様をしげしげと観察すると、出来るだけその笑顔に似せてにんまりと笑った。私はその奇妙な笑顔の儘祖母を振り返った。祖母は今度は普通に怪訝な顔をした。私の笑顔が如何にも不自然だったからだ。

 「何かあったのかい?」

そんな事を言った。私は造形した笑顔の儘、「これでしょう。これが可笑しいんでしょう。」と祖母に言った。祖母は眉根に皺を寄せた。彼女は難解な問題にぶつかった人のように、えっ!と、既に立っていたが、驚いて身を引き起こした。本当に何なんだいと、お祖母ちゃんには何が何だか分からないんだよと、彼女はか細く言うと、神妙な顔つきでそろそろと足を敷居から縁側に出して床にゆっくりと下ろした。

 祖母は漸くの事で両足を下に下ろし、縁側に降り立つと暫くその場に佇んでいた。そんなのんびりとした祖母の動きは私には見慣れない物でやや不自然に思えた。それで彼女の様子をじぃーっと注視していると、私が見詰める中彼女はそろそろと歩み出し、足元が大事無いと分かるとにっこりした。そして確りと歩を進めて私の傍ら迄やって来た。

「お祖母ちゃん、怪我したの?。」

私は祖母の足を案じて声を掛けた。


今日の思い出を振り返ってみる

2019-11-21 13:19:19 | 日記
 
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 今日は良いお天気です。冬に向けて玄関や庭の整理をしています。