しかし、「おーい、そんなの放っておいて行こうぜ。」「僕達先に行くからな。」というような声を聞くと、それは先に来ていた従姉妹の事なのかな、とも私は考えてしまうのでした。不思議な事に、確かに従姉妹は全くのたった今、同い年の男の子と話を始めたように見えました。そして、先程笑っていると思っていた後ろ姿は、今見ると何だか怒って強張っている様に見えました。
『やっぱり喧嘩なんだ。それも…ちゃん、今から始めるんだ。』と私は思いました。
「だから、もういいって言ってるのよ。こっちはね。」聞こえて来た従姉妹の声は怒ったような声でした。それに対して私と同い年の子の方は「いいよ、いったん引き受けたんだから。」とぶっきらぼうです。どうやら2人の間は気色ばんで来た気配です。
「嫌な事を頼んで悪かったわ、怒ってるんでしょ、あんたもあの子は嫌いでしょ。」そう従姉妹の言う声。「俺、あいつの事嫌いじゃないから。」そう近所の同い年の子の声。「俺あいつの事案外気に入っているんだ。言われなくても付き合うつもりだったんだ。」という声も聞こえて来ました。「えー、本気?。」と、驚いたような従姉妹の声。2人は私が傍にいる事など全く無視して、全然姿が見えて居ないような雰囲気で話し続けていました。
その後も言い争いは続いていました。如何やら2人は私が此処に来る前から今迄、やはり喧嘩をしていたようです。そうすると、向こうの男の子達が言っていた苦手な子とは私の事なのか、と私は嫌な気分になって来ました。
『嫌がられているなら、もう皆がいる場所へは遊びに出ないでおこうかな。』
そう思うと、一遍に気が沈みました。
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