Jun日記(さと さとみの世界)

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梅雨空に思う

2019-06-07 09:09:36 | 日記

 5月から長く好天続きで来た今年ですが、今日は梅雨空の風情になりました。私にすると、『約束って、破るためにある物なのかもしれない。』そんな言葉を時折ポツンと思い浮かべて、初めてこの言葉について深く考えたりした五月晴れの日々でもありました。

 これは私が誰かにされた約束を破られた事があるからでは無く、実際、私自身は誰かに約束だからと約束を強要した事は皆無です、唯、幼い頃の遊びの内であれば、「何処何処で何時に、約束だからね。」「何々ちゃんが何々をする。(持ってくる)。約束だからね。」等、待ち合わせ、持ち合わせ位の約束は始終しました、約束するその人にとって、これからの人生に重きを置くような、真剣で重大な約束を私自身は求めて来たりしなかったので、私自身が誰かとした約束の場合についてのみを考えて思慮していたのでした。

 私の過去のある年の事です、小学校も高学年に掛かる頃の事だったと思います。1年ぶりのお盆、母方の里で会う親戚の子の中に、何時になく様子がしんみりとして沈んでいる子達がいるのです。思い余った私は、その子達に今年は如何したのか?と尋ねてみました。

「去年約束したでしょう、それが出来なかったから…。」

ねぇ、うんうんと、こう彼等の返事は返って来ました。その子達の話では、約束を果たせなかった時の罰則がかなり厳しくて酷い物だったという事でした。

 「そうでしょう。」

と同意を求められた当時の私は、

「そうだっけ⁉」

と怪訝な返事をしてから、自分の1年前の記憶を密かに弄ってみました。しかしいくら記憶を探ってみても、全く自分の脳裏にその約束の記憶が皆無なのだと分かるばかりです。私の記憶の中の約束という項目自体が空欄になっているのでした。如何私の約束箱を逆さに振ってみても、そこからは何も出てこない空箱の儘の約束箱があるばかりでした。私は彼等が言う約束という物が全く欠落している自分に心底驚きました。ほんの1年前の記憶なのに、と、自分でも相当訝ってしまい、遂には彼等の冗談なのかと考え、年長の子に「本当にそんな約束したの?」と聞く羽目になりました。

 「本当にした。」と言う親戚の子の返事を聞いて、到頭私は全く記憶にございませんという事を正直に彼等に明かす事になりました。

「覚えてないの?」

なぁんだとほっとした表情と、次には彼等は如何にも呆れたという顔付きで、「約束した本人が忘れているんじゃ、こっちも責任取らなくていいね。」と言い合うと、彼等は極めて例年通りの普通の状態に戻りました。相手は悩んで損したという感じでしたが、私の方にすると、私自身が覚えていないようなそんな約束は1年前の私自身が本気では無く、冗談や軽い気持ちで気楽に口にした物だったのだろうと考えていました。それにしても、約束したという事自体が私の記憶にないという事が、今以て私には不思議な出来事です。彼等にしても、当時、約束も罰則も何も話してくれませんでした。

 さて、これは当時の私にすると、自分が気楽に言った言葉で相手に相当なプレッシャーのかかる約束をさせてしまい、その為相手にとっては酷く気の毒な結果を招いてしまったのだと悟る出来事になりました。この事は私に取ってもとても後悔する結果を招きました。私はその後もその約束の全貌が全く不明で思い出せない事から、以降は人に約束を求めるという事自体をしなくなりました。それでそのお陰か、今迄以て私は約束不履行の憂き目に合うという事が無かったわけです。

 今回、ふと「約束」の2文字の言葉を思い浮かべた時、約束なんて果たさなくてもよいんじゃないかな、と私は考えてみた訳です。その時が来た時の自分の気持ち次第、相手によって、自分にとって信頼できる人物かどうか、そういった様々な事を考えてみてからで、それでいいんじゃないかなとふと思った訳です。


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